なぜフランスでは子どもが増えるのか -フランス女性のライフスタイル (講談社現代新書)
- 講談社 (2010年5月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880527
作品紹介・あらすじ
女性がハッピーな国は子どもも増える!?その真相を歴史的背景から解き明かす。
感想・レビュー・書評
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フランスではなぜ子供が多いのか、なかなか興味深いことだと思い読み進めてみた。
ヨーロッパでは今で言う少子化対策が昔から行われていたが、フランスでは特に早くから少子化対策に繋がることを行なっていたという。
育児は社会全体で支えて行うものであるということが広く国民に浸透し、政府もそれを実行した結果なのだと思う。
フランスで行ったことを日本でそのまま行うことは、文化的な背景からも無理があるが、一部分を取り入れて実行することは良いのではないかと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これまでの著作は著者の主観的な要素が比較的多かったように思うけど、本作は史実やデータなども用いて客観的な視点から書かれている。女性に求める母性的な要素を減らすこと、子どもの教育にかかる費用を社会で負担する…などなど色々と女性の出産や子育て促進に向けた提言が紹介されていたけど、アラサーの日本女子としては、女性自身の意識も結構、相手に依存的な部分が多くて、フランス式?を取り入れるに際し先ずは意識改革も必要なんじゃないかと思った次第。
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今までのフランス出生率関連の書籍のなかでは比較的イイ出来。フランスの出生率の高さは、決して出生率向上を目指した近視眼的な政策からではなく、60年代別からの女性の社会進出を推進する政策や、労働者の権利を守るための法律、68年革命以降のピルの解禁や中絶の合法化、同一労働同一賃金など、非常に重層的に仕組が出来上がったのだと納得。それらは結果的に出生率向上に繋がったのであって、政府はむしろプライベートには干渉しない立場を取っていたようだ。ヨーロッパに比べ、日本が遅れているというのは最近あまり使われない論法だが、ピルの解禁が90年代後半だったことや、男女雇用機会均等法にしても壮絶な闘争の末に勝ち取った権利ではないことを考えると、やはり日本人の権利に対する意識はヨーロッパより遅れているのだなという感想を持たざるを得ない。単純に出生率向上という視点で政策を考えていたのでは、あまり効果は見込めないだろう。
自分がフランスにいた経験から思うのは、フランスでは子供は未熟な大人であり、子供中心の生活になることはない。子供と大人は別世界に住んでいる。また子供時代への郷愁も比較的少ない民族である。児童文学の貧しさはそれを明確に表している。そんな子供や子供時代を理想化せず、過剰すぎる期待をしないことも、子供を作る重圧を下げていると思う。日本は子供に期待しすぎるし、子供時代への郷愁が非常に強い。それは悪いことではないが、出産へのプレッシャーを上げていると思う。 -
あまり面白くなかったので途中で返却。
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ラテンの血なのか?フランス人は母より女性、育児は社会で行うものという意識なんだろうな。
日本では根強く、母は女性の自分より子供を優先すべきという意識があるが、制度が整ったら、変わるはず。先ずは制度だけでも取り入れてほしいな。 -
本書のタイトルの問いに対する意外だった答えは、フランス女性の心、価値観の中で占める育児の割合、別の言い方をすれば、妻である、それ以前に一人の女であることに対する母親であることの割合が、日本女性のそれよりも低いということである。
著者は、社会の成熟、少子化という社会問題、女性も働かなければ生活水準を維持できないという家計の問題は、日本よりもフランスのほうが30年先行しているとし、女性の社会進出の進展、各種社会制度の変化、世論の認識の変化等により、いづれ日本でも女性が働きながら子どもを持つことがよりいっそう進展するだろうと、楽観視している。
12月7日読了。 -
後半随分文章が読みにくくて頭に入って来なかったけど、日本とフランスの国の違いを感じることができた
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果たして2015年の日本人は少子化を解決したいと思ってるのか?とこの本を読んで思ってしまった。
フランスの少子化対策は何かこれ一つという解決方法があったわけではない。
女性の職業への自立
3歳までの子供の補助
結婚契約の緩和(パックス)
など
いい方向へ可能性を繋げていくという事しか
やりようがない。
今の日本にそのまま当てはめるのは難しいように感じる。日本では解決するためにお飾りの少子化大臣を置き、頑張ってますアピールをするのが関の山だ。
ただ悲観するのはよくない。
子供が生まれて歓迎しない社会は
社会としての健全性を欠いているのではないだろうか。
肩の力を少しだけ抜いて
隣の人と話す事から始めるべきか。