人間関係のレッスン (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.37
  • (7)
  • (15)
  • (18)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 173
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880626

作品紹介・あらすじ

本当の感情と自分らしさの見つけかた。「つきあいが苦手」は必ず変えられる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <感想>
    ・人間関係の悩みの4パターンを例を含めて提示し、自分の中で凄く当てはまる部分があって興味が惹かれた。内容も理論的で納得できたが、4パターンの具体的な解決策があまりにも弱すぎて肩透かしを喰らった感じがした。
    ・中盤でハラスメントの話もあったが、その解決策も抜本的な解決には至っておらず教科書的な域を脱しておらず、理屈はわかるけど結局どうしたらいいんだろうとなった。
    <メモ書き>
    人間関係でかつてうまくいっていた行動を新しいコミュニティでは修正せざるを得ない。そのような修正は、過去のパターンを壊し、新しいパターンを構築するプロセスで、精神的に成長するとはそういうことだとも言える。これは人間関係の変化以外にも、人生における挑戦、自分自身を深く見つめる内省、加齢、身体的な不調などによっても引き起こされる。

    いい人を演じてしまう、決められない、頑張りすぎる、隠れるという性質は誰にもある要素である。これらは自分の行動を全て他人を主語にして選んでいる。この4つの行動パターンにとらわれてしまっている人は、家庭、学校、職場などで強すぎるグループ規範に晒されてきた経験がある。

    マイクロトラウマ
    数回であれば小さなストレスしか与えないけれども、それが継続することによって、人に精神的ダメージを与えること

    ダブルバインド
    何でも自主的にやりなさいと言いながら何らかの制約を設けるなど、言ってたことと違うじゃんという状況。

    ミスティフィケーション
    相手に気づかれにくいように誘導しコントロールすること。「○○ちゃんは将来お医者さんになりたいんだもんね」など。あたかも子供の意思かのように発しているが大人の願望をレッテルのように貼り付けている。

    カテゴリーエラー
    本来話し合われているテーマのカテゴリーとはまったく異なるカテゴリーへと巧妙に話題をすり替えること。「そんな意見をいうのは十年早い」など。

    三角コミュニケーション
    「○○だってみんな言ってるよ」など。

    ハラスメントをする人は自分の中の非難されそうな欲求をないもののように振る舞い、さらにはそうした自分の感覚や感情や欲求を、あたかも他人のもののように非難することもある。これを自我防衛機制の中の投影同一視という。つまり、ハラスメントをする人の非難の言葉は実は自分のことを言っている場合がある。
    ハラスメントをする人は激しい攻撃性を見せるわりには打たれ弱い。批判に対して非常に脆いので、彼らからの攻撃に対してはっきりと反旗を翻した場合、態度ががらりと変わることがある。

    隠れるパターンの人は「私の話なんか面白くないですよね」「私のくだらない話で、お時間を使わせてしまってすみません」という言葉を口にする。隠れる人は、自分の感覚、感情、思考を家族、学校あるいは職場などで否定され続けた経験がある。

    よいところは徹底的にほめる。ただし同時によくないところははっきりと指摘する。

    自分の性格の傾向
    わからないことや気乗りしないものがあると後回しにしてギリギリで焦る。
    注意すべきことを言えない。
    怒ると黙る、気持ちの切り替えが遅い。

  • 人間関係が上手くいかない代表例として4つ、
    いい人を演じてしまう、決められない、頑張りすぎる、隠れるの4パターンを紹介。
    自分自身、前の2つはめちゃくちゃあてはまるな…と実感。
    結局、歪んだ認知が原因なのだなと思った。
    後半の修正方法については、精神状態が落ち着いてないと難しいかもしれない。

  • 人間関係のレッスン

  • 4つのケースに分けて上手く行かないパターンを書き出し、その例についても非常にわかりやすかった。
    最後の克服法については実践するのがなかなか難しいのでは、と感じた。
    それ以外はとても為になる本だったので星4つ。

  • <閲覧スタッフより>
    カウンセラーである著者が、自分を見つめなおすためのメソッドを紹介。人間関係の中で無理をしたり、がんばりすぎている方には心にそっと響く一冊になるでしょう。「うまくいかない…」、「つらい…」という場合には理由がありました…。読んでいると、カウンセリングを受けている気持ちに!悩む前に原因を追究し、専門家のアドバイスに耳を傾けてみましょう。
    --------------------------------------
    所在記号:新書||146.8||コウ
    資料番号:20096928
    --------------------------------------

  • 人間関係がうまくいかない代表的な四つの例「いい人を演じてしまう人」「決められない人」「がんばりすぎる人」「隠れる人」の分析や改善等をカウンセラーが教えてくれる本。
    モラハラの対処法があったり、自己一致や共感など、ちょっと専門的な話が出てきたり、「違和感をつかまえる」のはフォーカシングぽいなあと思ったりしながら興味深く読めた。
    実践したいと真剣に思った。

  • ◎モラルハラスメント←共感能力(想像力)の低さ、一方的な価値観の押し付け
    【技】
    ①一方的な決めつけと人格否定
    ②カテゴリーエラー(異なる話題への巧妙な移動)
    ③第三者の援用
    ④自分=被害者、相手の行為は全て悪意に基づくという決めつけ
    ⑤ダブルバインド
    ⑥突然のやさしさ
    【対処法】
    ・話を聴き、反省するのは最初の5分まで
    ・深呼吸(自分自身に注意を向け)
    ・自分の感情を見つめる(自分の感情を抑え込むのではなく、観察する・受け入れる、客観視するような)
    ・ハラサーを観察する
    ・自分の利益を最優先にして行動する(方便も辞さない)

    ◎マインドフルネス
    違和感への感度を高める。呼吸を落ち着け、自分の身体の反応部位へ注意を。感覚をイメージしてみる。イメージが自分にどんなメッセージを伝えようとしているか。感情を受け入れる、否定せず、そのままそっくり。

    自分の欲求と行動が矛盾していない自由な状態。動物的人間。何事にも疑問を持たないことが疑問を持つことにつながるのかもしれない。社会に蔓延した、誰かが勝手に決めたルールに縛られず、感性を中心に据えて生きることで自分らしく生きられる。多様性への理解、やさしい気持ち、チャレンジ精神、ユニークさ。自分をもっと大切に、他人に合わせることなく。

    共感とは空気を読むことでも、同情でもない。
    KY:自分殺してでも、周囲に迎合する。
    同情:上から目線。
    共感:相手の気持ちを自分事のように感じる。
    そのためには自分の感情を正直に受け止めている、自己一致状態(自分の感情と行動に矛盾がない状態)が必要。
    手段:)マインドフルネス技術、自分の好きなもの、自分の嫌いなところ=自分の根源的な感情

  • 古書

  • 心理学の本のような感じ。
    理論的に述べられてるけど、ただそれだけのような…。

  • 4つの典型的な例(ビクビク感,ドウシヨウ感,ネバナラナイ感,アキラメ感)をとりあげ,これまでの経験から形成された行動パターンに気づき,感情や身体の反応をきっかけとして自動思考,すなわちこれは考え方のくせだということを認識して,少しずつ,違和感をおぼえる行動パターンを変えて行きましょう,といった内容.
    ネガティブな信念ができてしまう背景についてはわかりやすく説かれていると感じるものの,ハラサーの像やその対応は決めうちと受け取れる.また,レッスンの内容といっても自分の気づきに拠るところが大きく,書いてあることからしっくりと納得に至る類のものではない.

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

心理カウンセラー/臨床心理士。石油会社勤務後、渡米し、心理学を学び、現在はカウンセリングの指導・実務に携わる。
著書に『人間関係のレッスン』(講談社)等多数。

「2021年 『マンガでやさしくわかるオープンダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

向後善之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×