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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784062880718
作品紹介・あらすじ
リトル・ピープル、羊男、ドーナツ、井戸、螢、海辺……。全作品を通じて、村上春樹が読者に伝えようとしているものとは。世界各国で読まれながら、それでもなお濃厚に漂う「日本」とは。25年にわたって村上氏と対話をつづけてきた文芸記者が、謎に満ちた物語世界を案内する入門書。初級者もマニアも、読めば「目からウロコ」間違いなし!
リトル・ピープル、羊男、ドーナツ、井戸、螢、海辺……。
全作品を通じて、読者に伝えようとしているものとは。
世界各国で読まれながら、それでもなお濃厚に漂う「日本」とは。
25年にわたって村上氏と対話をつづけてきた文芸記者が、
謎に満ちた物語世界を案内する入門書。
【目次】
一章 近い「生」と「死」の世界
二章 今そこにある言葉への不信
三章 動物の力
四章 偏愛する図書館
五章 ブーメラン的世界
六章 「あちら側」と「こちら側」
七章 永遠のヒーロー・羊男
──など、全二十章
【著者紹介】
1949年群馬県生まれ。
一橋大学卒。73年共同通信社入社。
川崎、横浜支局、社会部を経て、84年から文化部で文芸欄、生活欄などを担当。
現在、同社編集委員兼論説委員。
著書に『文学者追跡』(文藝春秋)、『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社、文庫版は新潮文庫)、『白川静さんと遊ぶ 漢字百熟語』(PHP新書)など。
みんなの感想まとめ
村上春樹の作品世界を深く掘り下げる本書は、彼の代表作から選ばれた20のテーマを通じて、読者に新たな視点を提供します。「生」と「死」などのテーマが織り交ぜられ、作品間のつながりや日本の古典との関連性が考...
感想・レビュー・書評
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著者、小山鉄郎さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。
---引用開始
小山 鉄郎(こやま てつろう、1949年5月3日 - )は日本のジャーナリスト。元共同通信社編集委員兼論説委員。日本記者クラブ賞受賞。
---引用終了
で、本書の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。
---引用開始
リトル・ピープル、羊男、ドーナツ、井戸、螢、海辺…全作品を通じて、読者に伝えようとしているものとは。謎に満ちた物語世界を案内する入門書。デビュー作『風の歌を聴け』以降、『1Q84』までのすべての長篇に触れながら考察した。
---引用終了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『風の歌を聴け』から『1Q84』にいたるまでの村上春樹の作品のなかから20のテーマをえらび出し、それぞれについて作品横断的な解説をおこなっている本です。
「あとがき」には、著者が母の病床の傍らで村上の「螢」を読んでいて、不思議な心の落ち着きが訪れたという体験が語られています。こうした体験が出発点となっているのでしょうが、著者は村上作品における「生」と「死」というテーマを論じた第一章で、『ノルウェイの森』のなかの蛍をめぐるエピソードと、和泉式部の「もの思へば澤の螢もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る」という歌をかさねる解釈を提出しています。
このほかにも、日本神話や『平家物語』、『雨月物語』といった、日本の古典と村上作品とのつながりについて、考察のいとぐちがいくつか提示されていることが目を引きます。著者は、『螢・納屋を焼く・その他の短編』の紹介文を執筆したときに、和泉式部についても論じたことを振り返って、「当時、村上作品はアメリカ文学との関係で語られることが多く(もしかしたら今もそうかもしれない)、日本の古代の歌に触れながらの紹介はまだ殆どなかったと記憶している」と述べています。
河合隼雄との接点を通じて、日本の古典のうちに含まれる神話的想像力に通じる補助線を引くことで村上作品を読み解く試みは、いまではそれほど珍しいものではないと思いますが、本書にはそうした観点から村上作品について考察をおこなうさいに手がかりとなるような視点がいくつか提示されており、興味深く読みました。 -
読んでない作品についての話は読まなかっし、この人の解釈を鵜呑みにする気にはならないけど、一解釈として楽しめた。
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きちんと読みたい。
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作品ごとにテーマがあると考えていたけど、ある書き手にとって、自らの書くべきものが一貫して存在するということを知れた一冊。はじめての読書体験。他の人の村上春樹評も読み、相対化したうえでもう一度この人の解釈を見てみたい。
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雨月物語と村上春樹とのつながり等、村上作品の奥行きを、多面的に教えてくれる本。 あちら側とこちら側が、合わせ鏡的な像を共有している、という指摘や、古代神話と村上作品の類似性や、古事記等とのつながり等の指摘には、そうなんだ、という驚きもあり、とても新鮮です。
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図書館で借りたけれど、ほとんど読まなかった。
村上春樹が言うように「読者にとって必要なことは小説の中に全部書いている」
『明快な解答というのは、大方の場合死んだ解答』 -
本棚を見ていたら、以前に買ってまだ読んでいない本書を見つけた。物語に飢えを感じていたこともあり、読み始めた。さすがに村上春樹の関連本である。電車の中でもほとんど居眠りせずに読んだ。
筆者は村上春樹を、日本的なものを追求し続けて来た作家だとする。それを、村上春樹の全作品から後付けようとする。この視点は斬新ではないものの、あまり注目されていないものであり、村上春樹の作品を理解するのに良い視点だと思う。今後の村上春樹研究には欠かせない文献となろう。
この本を読んで、『アンダーグラウンド』や『約束された場所で』などのオウム真理教関連のインタビュー作品も、村上春樹を理解するには必読なのだなぁと思った。機会を見つけて読んでみるか。これらも本棚で眠っているけれど。 -
デビュー作「風の歌を聴け」から「1Q84」までの作品に通底して出てくる20のテーマを、村上春樹本人に何回もインタビューして得られた知見とともに詳しく解説する。
村上春樹は取っ掛かりやすさとうらはらになかなか文章力のある文章を書くので読解の助けになり、より村上春樹の小説を理解できるのではないかと思う。気取った文体や比喩だけが目立つ作家と思っている向きにこそ読まれるべき本である。
ただし、20というきりのいい数で説明できるというのはどうも胡散臭い。きりが良すぎる。
「向こう側とこちら側の論理」とか「羊男」みたいな、より重要なフォーカスをあてて、それらモチーフ同士の関係を中心に説明してもらいたかった。 -
村上春樹作品への理解を深めたくて読んでみた。
一度読んだ作品たちを思い返しながら、
「へぇ~、そこはこういう解釈ができるのか!」
などなど、発見が色々あった1冊。
最後の方の章は個人的にイマイチやったけど、
読む価値あり! -
通常の文学評論とはちょっと異質だが、村上春樹を通して、世界を物語ることに成功している。著者の筆力を感じる。
私は村上春樹の小説はもちろん、エッセイもほとんど読んでいるが、それを貫く物語を感じたことはなかった。歴史、近代、善悪といったテーマを読み解く過程は大変に興味深かった。 -
たとえ著者が文学理論に疎かろうと、村上作品の深い読みは、とてもわくわくして味わうことができる。少し前、新聞の読書欄で、文学理論に疎い文芸評論家を名指しで批判していた大学の先生がいたが、あれは大人げなかった。理論は学ぶだけで身につくが、感性はそうはいかん。
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著者が学者ではないので、かっこよさげな専門用語や、
虚飾的な思想の援用がなく、敷居の高さが自分の身の丈に合っていた。
ジェイ・ルービンもそうだけど、この方も村上春樹が本当に好きなんだなというのが伝わってきた。
こんなジャーナリスト、私は好きだ。
もう一度原典を読み返したくなる書評だ。 -
まだ読んでいない作品のチェックとともに、読んだ作品の内容も再び思い出されて、村上春樹の作品にぐぐっと近づけさせてくれる一冊。
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2011/5/16読了。
著作の長編小説を通じて、村上春樹が読者に伝えようとしているものとは、を考察した本。それぞれの小説の読了後に考えた・感じたことをまとめてはいるものの、作品を越えて背後にあるものを把握することはなかなか困難である。この本を読んで、全く別物に思える作品同士にも幾多の関連があることに大変驚いた。日本人の空気に影響される性質、近代から現代へと連続する歴史、生と死の距離感などへの気づきを得た今、そんな村上春樹の思考に想いを馳せながら再読してみたい。
村上春樹に数多くのインタビューをしている著者だからこそ、それぞれの作品と様々な村上春樹の発言を有機的に繋げることができたのだろう。見えてきたものはとても興味深かった。
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