子ども虐待 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 233
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880763

作品紹介・あらすじ

なぜ親が子を?傷ついた心をどう癒すのか?30年にわたって虐待の臨床心理に取り組む著者が、経験を通して語る。

感想・レビュー・書評

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  • 私にとって親の言葉には常に「謎」と「嘘」がありました。そのクイズに正解しないとたちどころに激怒され、物を投げつけられるため、必死で正解を探していました。

    自分でも何がおかしい。そしておかしいのは自分だと信じて疑っていませんでしたが、おかしいのは両親だと気付いても、まだ何かが嫌で怖くて仕方が無いと感じています。
    子どもから大人になると、嫌でも大人が相手のコミュニケーションが主となるので、嫌でも両親の幻を相手に見てしまいます。

    虐待をする親の心理の解説が非常に興味深いものでした。子どもに子育ては出来ないという理由がわかりました。

  • 虐待の臨床心理に30年取り組んだ筆者による、子供虐待の入門書。
    社会問題としての虐待は、「虐待死」というセンセーショナルな事件から振り返る「身体的虐待」や「ネグレクト(ろくにご飯も与えられていなかった、など)」、安易に使われ始めた「DV」が有名だし、急性期病院の医療機関では、「体の痣」とか「原因のわからない頭の出血」とか「怪我ではない骨折」とかを見たら虐待を疑え、という教育がなされるため、医療者は我先にと「虐待」という診断をつけたがる。

     しかし、おそらく多くの虐待は、泣き寝入りされ表沙汰になることも少ない「性的虐待」や「心理的虐待」であり、それによるトラウマ反応は、その子供の発達段階に応じて変化し、さらに解離や性的逸脱、人格→アイデンティティの問題と多岐にわたる症状を慢性的に引き起こし得る。

     アタッチメントの3パターン、イメージの内在化、トラウマ記憶の物語記憶への変換など、プレイセラピーや暴露療法などの心理療法の持つ認知的意味を、虐待による障がいと併せて述べられているので、医療者にとってもとても実践的な本となっている。

     縁あって虐待を含む「家庭環境の問題を抱える子」と関わるようになって、その問題行動の多様性と、その背景の複雑さに驚かされる。しかし1つだけ言えることは、子供の反社会行動や不適応行動は、そのほとんどが人との関わりの中で生じたものであり、接し方を少し工夫するだけで改善する可能性のあるものであるということだ。本人の性格や特性のせいにするのではなく、子供に関わる人すべてが知っておいて良いことだと思う。
     

  • 虐待を受けたこどもの心理状態、親の心理、こどもの治療論など。
    後半は虐待によるトラウマ。西澤哲さんの本を読んだことある人なら、後半はほぼ読み飛ばしか。
    生涯にわたってのケアが必要と言及しているからには、大人の治療論に焦点をあてた文献もいつか必ず出してほしい。お願いします。

  • わかりやすい!
    自己調整能力!

  • 幸せってなんだろう

  • 上辺だけで知っていた知識もこの本を読むことで更に深まった。再現性の話が特に興味深かった。

  • 虐待を受けた子どもの心理の「専門家」である著者が、子どもの虐待とはどういうものか、子どもを虐待してしまう親の心理とはどういうものか、また、虐待を受けた子どもをどうケアしていくかといったことについて解説。
    子ども虐待について、心理学的側面から理解するのに、優れた本だと感じた。特に、虐待を受けた子どもがどういう心理的影響を受けるのか、そこからどう回復させるかということについては、ほとんど知見がなかったので、とても勉強になった。

  • 良書。

  • 「虐待」のことばが持つ、ある意味でキャッチーな面があるという印象からこの言葉を無意識にに避けつつあったように思う。西澤先生のこの問題への取り組み方は、子どもだけでなく虐待をしてしまう親の心理、虐待をされた子どもの予後ともいえる心理変化をも含有した視点であり共感を覚える。そして、この問題がはらむ中長期的な損失の大きさを思うと、子ども虐待の根深さ、罪深さに改めて震撼する。

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著者プロフィール

【監修】西澤哲 山梨県立大学人間福祉学部教授

「2022年 『「『生きる』教育」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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