- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880770
感想・レビュー・書評
-
いわゆる大化の改新の時代は、学校で習ったことから変更された史実も少なくない。本書は、さらに丁寧な検証によって新たな歴史認識を提示している。謎も多い時代だけに読んでいて大変おもしろい。そして、何よりも丁寧なルビふりなど、我々のよな素人でも読みやすくつくられている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「武の人」であるとともに「文の人」でもあるという、われわれによく知られている天智天皇像が、持統天皇によってつくられたという著者の主張が語られている本です。
本書の前半では、『日本書紀』と『鎌足伝』にえがかれた天智天皇像について、批判的な検討がおこなわれており、あらためてわれわれの知っている天智天皇のイメージに対する疑問を提示するとともに、そうしたイメージがだれによってつくられたのかということを明らかにする必要があると主張します。
後半では、持統天皇の生涯をたどるかたちで、天智天皇の事跡がどのようなしかたで継承されていったのかということが論じられます。持統天皇は、夫である天武天皇から政治の手法を学びつつ、永遠の生命力をもつ「天皇」のありかたが代々継承されていくものとして規定することを目的として、天智天皇のイメージをつくりあげたとされています。
とくに前半は、従来の天智天皇にかんするイメージの根拠が薄弱であることを主張しようとする著者のもくろみが先行していて、やや性急な議論になってしまっている印象があります。 -
買ったことを後悔した。
天智天皇像に2つの異なるものがあり、それぞれ誰が作ったかを論考する。
ただしロジックが呆れるぐらい杜撰で読んでいてイライラする。
典拠は日本書紀。
しかし資料批判的なものはなく鵜呑み。
-
なぜだろう、以前はあんなに新鮮だった遠山先生の本が・・・ステレオタイプに見える
この本は自分のものだから、何度でも理解できるまで読めるぜ! -
何が言いたいのかよくわからない。自説がわからない上に、根拠も示さず「日本書紀のこの記述は事実ではない」とか、他人の著作に「この解釈はおかしい。理解に苦しむ」とか、批判するばかり。それで何か新しい説を披露してくれるのかと思いきや、何だかわからないまま終わってしまう。通説・俗説・他者の新説に対して「何もわかってないなぁ」という上から目線で否定するばかりで全く面白くない。読み込みが浅いのか?
-
なかなか興味深い本だった。著者は「天武と持統」でないのは意外なのでは、と「序」で書いているが、私はやはり、持統はあくまで「天智の娘」だったと思うので意外性はなかった。ただ、従来描かれてきた天智像の矛盾などを解き明かすプロセスは面白い。
-
もう少し、日本書紀や古事記、日本古代史に関する知識があればもう少し理解できたのだろうと、やや後悔しています。どうして、そういう風な解釈が成り立つのか、ちょっと門外漢にはわかりにくいところもありましたが、持統天皇については個人的にも興味があったので面白かったです。
-
”天上の虹”補完用に♪