笑う禅僧─ 「公案」と悟り (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 49
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880800

作品紹介・あらすじ

悩め、苦しめ、そして答えよ。まったく新しい禅問答入門。

感想・レビュー・書評

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  • 評価あんまりよくないけど・・・これ面白かったよ!!
    禅という、アブナくて変テコで、それでいてヤクザな(いや、ほんとに)宗教を、よくぞここまでわかりやすくしかもそのややこしさを損なわずに書いたなーと、とても感心した。

    禅の本質ってなんぞや。これは究極の問いである。
    What is zen?
    わからない。というか、わかる人なんているのだろうか。もしいるとしたら、それはきっと「悟った」人であろう。で、もしそんな「悟った」人がいるとしたら、それは凡人から見ればかなりの確率で「イッちゃって」いる人だろう。
    つまりは、日常からの超越である。その人の規範は、きっと日常から超越してしまっているのではないかと思う。

    禅は厳しい宗教である。これは間違いない。
    禅とは「自力」の宗教である。神も、経典も、信心も、禅は与えてくれないし、なんら教えてくれない。
    ひたすらに「悟り」を求めるのに、その「悟り」の境地を図るものさしが一切ない。
    だから己のみがある。しかしその「己」に執着してもいけない。では「無」というのがその境地かと言えば、これまた違うようである。

    なんだ?
    悟りってなんなんだ?
    自分が全てなら、ものさしがないのなら、私は今のままでも十分悟ってるのと、どう違うの?

    作中で司馬遼太郎の言葉が引用されていたのだが、その言葉が印象的だった。
    「禅宗というものは、難しい。禅宗はやったほうが悪くなってしまう感じがする。1万人に1人だけが悟りの境地に行けるけれども、9千999人はやらない前より悪くなるのではないか」
    ああ、わかる、と思った。司馬さんがそう言いたくなる気持ちが。
    禅は突き詰めていけば、主観の肯定というところに触れざるをえないのではないか。そう言えば聞こえはいいが、それはつまり、社会のものさしの否定へと、簡単に繋がりかねないのでは?

    だからこそ、禅は厳しくなったのだろうな、とも思う。あまりに自由すぎるから。だから、戒律や規範で常に自身を戒める必要があったのだろう。
    自由すぎるからこそ、自分でしかその境地を計れないからこそ、禅は厳しくなった。そうでなければならなかったのだろう。
    だから、禅宗のお坊さんはこっちが引くぐらい自分に厳しいのだと思う。禅の有名(?)なお坊さんに、イッちゃってるという人が多いのもそのせいだろうなー、と思った。

    文章自体もとてもうまいし、エピソードの出し方もとても理にかなっていて、読みやすさと内容とのバランスも大変よかったと思う。
    でも、この帯はやめたほうがいいと思うよ(笑)。

  • 章の冒頭に紹介されている公案を見ても「なんでこれが公案?」とわからず、その後の解説を読んでもやっぱりどこが公案なのかわからないものがしばしばあった僕は、禅には向いていないのであろう。

    禅の思想は面白いんだけど、結局は「なんでもあり」だし、「言ったもん勝ち」みたいな気がしないでもない。

  • もっと淡々と説明して欲しい。

  • 宗教をかたるには、上のものをいかに下に持ってくるのかにあると思う。形を大事にするあまり、本質が違ってしまったものや、わかりにくいものがあるけれど、この本は形は違うけれど本質は近いものを見せてくれたような気がする。
    わかった事は、無は認識した時点で無ではない、前はいかにそれになろうかとする。
    そんな感じ。

  • 新書1000本ノックその20

  • まえがきにある通り頭を空にして読んでみましたが、自分にはよく分からない公案も多かったです。
    安永先生の広範な知識に触れられるだけでも楽しめます。

  • 悟りって二律背反の状況を一挙にぽんって感じで打破することのような気がした。多分これは自分の頭の中で分かったつもりになっているようで、分かっていないんだろうな。うーん。深すぎる。

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著者プロフィール

1956年、愛媛県に生まれる。花園大学卒業後、京都天龍寺平田精耕老師に就いて入室参禅。花園大学教授、天龍寺国際禅堂師家を歴任ののち、平成30年より大本山方広寺派管長。著書に『禅ぜんZEN』(禅文化研究所)、『私が生きて掴んで実践したもの』(宗教心理出版刊)など。

「2019年 『坦翁禅話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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