新書 沖縄読本 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2011年2月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784062880923

作品紹介・あらすじ

「癒し」イメージが先行するなか、長寿伝説の崩壊、格差の拡大、迷走する基地問題、サンゴを巡る島と本土のねじれなど、島は多くの問題で揺れている。
その一方でなぜ近年沖縄野球は強くなったのか、次々とメジャーの歌手を輩出する沖縄音楽の魅力の源泉とは。
沖縄ブームにも深く関わった著者たちが紡ぐ、沖縄の歴史といまを照らす21の物語。

【目次】
第1部 沖縄人のいま  
第2部 沖縄という場
第3部 沖縄と日本  
第4部 離島にて
第5部 沖縄から遠く離れて

みんなの感想まとめ

沖縄の多様な側面と深い歴史を探ることができる一冊です。楽園としてのイメージに反し、現実の沖縄にはさまざまな問題が存在し、その中での人々の生活や文化が丁寧に描かれています。著者たちは、沖縄の歴史や現在の...

感想・レビュー・書評

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  • たぶん、沖縄に対して「きれいな海」「常夏の島」「リゾート」というイメージを持っているのであれば、それは確実に捨てたほうがよい。離島と離島を繋ぐ橋一本にも文化の違いや混乱を危惧し、移住してきた人たちは独特の文化に戸惑って島を引き払う。かつては食べていくために島を出て異国の地へ働きに行かざるを得なくなったり、悲惨な沖縄地上戦が残した米軍問題の現実もあり、観光客目当てのリゾートホテルは次々廃墟化する。楽しいだけの島ではない、そこには深い深い歴史や文化が隠されている、真の「沖縄」を知るための一冊。

  • 沖縄病の人ならきっと著作を読んだことがある下川裕治氏と仲村清司氏の共著。
    「外国のようで日本」「日本なのに外国」な沖縄に魅了されて沖縄病を発病した私だが、その沖縄が、日本の一地方とは違う沖縄独特の文化やアイデンティティーを持つに至ったあるいは持たざるを得なかった背景が見える一冊。
     読みやすいのに、陽気な沖縄を紹介する他の本とは一線を画す内容で、沖縄病なら頭の片隅に入れておいたほうがよい本。巻末の「沖縄をもっと深く知りたい人のためのブックガイド&サイト」も役立ちそう。

  • 2013年10月16日読了。「好きになっちゃった沖縄」などの著者で沖縄ブームの一翼を担った(と自負する)著者による、2011年の「いま」の沖縄の姿をめぐる21の言説をまとめた本。本土から見捨てられた沖縄。米軍の駐在により虐げられた沖縄。米軍基地が落とす金に依存した沖縄。国の補助金・振興基金漬けになり自立した経済が立ち行かない沖縄。本土から来る観光客目当てのリゾートが立ち並び、それが廃れ、衰退する沖縄・・・。どれもが真実だが、どれもが沖縄の一面を照らすものでしかないということなのか。だが、沖縄が抱える問題はどれもこれも、形を変えて結局「日本の問題」と根っこを等しくするものなのだなと感じる。沖縄の個性がなくなり、日本のどこにでもある地方都市と似たような街になることがすなわち「沖縄の本土化」なのか?「沖縄の心」が本土によって蹂躙されたとするならば、「長崎の心」「広島の心」はどうなったと言うのか?などと、著者たちの沖縄に対する愛情とあきらめ、葛藤が文章から浮かび上がってくるのが興味深いし、痛々しい。普天間基地の移転問題についても自分にとっては他人事でしかなく「金額を明確にして、さっさと解決策を見つけなよ」と思っていたが・・・どの問題も、簡単に進むような問題ではないのだな。

  • バリ島、ハワイイ、ニュージーランド、オーストラリア...。深く考えずにリゾートとして楽しめばいいものを、ついつい興味を持ってその歴史を調べてしまう。どこも同様に侵略され、抑圧された歴史を持っている。そうして訪れてみると今ひとつ楽しめないというどうも面倒なことを繰り返している。

    沖縄もそうだ。この場合、加害者が我々本土人ということがますます心を痛ませる。

    明るいオキナワのイメージの影に今もある現実をしっかり見なくてはならない。

    米軍基地問題については難しい。中国のここ最近の動きをみると、あそこに米軍がいることが必要だと思える。
    しかしその沖縄の人々にあまりにも大きな負担を押しつけている。
    解決する道はあるのだろうか。

  • 「沖縄ブーム」のバブル終了後、そのブームにも関わったらしい2人が、改めて「沖縄の現実」を書こうとした本。
    極めて平易な、気軽な読み物で、沖縄の現在の、「長寿で健康的」というイメージが崩れてきている様子、夜の風俗の様子、年金問題、高校野球、沖縄関連の音楽などについてさらっと書かれている。
    北海道に住む人間としては、まるで違った世界としての沖縄に興味があるけれど、やはり現実の沖縄を知るには、本に頼るのでなく実際に行ってみるに限るだろう。

    それより、第14章「アメリカが辺野古移設にこだわる真の理由」という章が衝撃的だった。
    この本は今年2月に出版されたものだから、鳩山政権の基地移転をめぐる迷走ぶりまで書かれているが、実はアメリカは1966年に既に、辺野古に基地を作ろうと決めていたらしい。
    しかもこのプラン、単に普天間基地の中身が移動するというだけではない。この本によると、辺野古に軍港と弾薬庫も設置することにより、一帯を巨大な米軍の要塞にするつもりなのだ。この基地から、戦闘機も軍艦も発進可能なのである。
    しかも、アメリカは日本の「思いやり予算」を当てにしており、これによってすこぶる格安で超高機能な要塞を建設できるという、まったくおいしい話であるそうだ。
    この話は私は知らなかったのだが、みなさんは先刻ご存じなのだろうか?
    この本には沖縄をめぐる政治的背景についてはあまり触れられていなかったが、この部分があまりにも衝撃的だった。

  • リアルな沖縄を伝えているように思いました。沖縄は決して、楽園ではないけれど、そこにはキチンと沖縄の生活と歴史があります。沖縄に興味を持っている方は、ぜひ一読を。

  • 司馬遼太郎からの引用が多くそれなら、そっちを読んだ方がいいか、なんて。

  • ふむ

  • 沖縄を知るための教本ですが、読み物としても面白い。例えば、1871年宮古島発の帆船が嵐で台湾に漂着したが、69人中54人が現地人の首狩り族に殺されるという事件(いわゆる宮古島民台湾遭難事件だが、その後の日本の台湾統治にも影響を与えた)などあまり知られていない事件や沖縄音楽や高校野球など沖縄の不思議なアレコレが手軽にわかる作品です。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00516007

  • 新書文庫

  • 沖縄のいろんな過去、そして今を説く本。
    沖縄のいま、沖縄と日本、沖縄と離島、そして移民。
    さまざまな沖縄。あまり知られてない沖縄。
    ひっくるめて沖縄なんだと思う。
    もっと普段から沖縄を感じたいと思う。

  • たまにふと感じる、漠然とした不安やコンプレックスの原因をうまいこと表現してくれたな、と感じた
    「被害者でも加害者でもある」ことを踏まえて地道に向き合わなきゃ、全部が絡まった沖縄の問題は解決できないのかもしれない

  • 読み応えある新書。広いテーマをカバーしている。辺野古移設問題の本質は理解できていなかったので、簡潔にまとめられていて勉強になった。下川氏の話が強みとするタイ方面にそれることが必要以上に多い気がしなくもないけれど、沖縄と東南アジアの関係も一つの側面であるわけでそれもよし。

  • アジアの裏を伝え続ける下川氏が彼の原点である沖縄を真正面に取り上げた本。これを読めば沖縄が本土と同じ文化を共有していないことが理解できる。先日沖縄のさる離島に足を運んだが、町並みは台湾の田舎町そのものだった。
    明治期に日本に組み込まれ、文化的な衝突や差別があったであろう事は容易に想像できる。
    それにしても内容は良いとして、大袈裟な言い回しはなんとかならないものか。下川氏の著作はタイ物を中心に随分と読んだが、文章のトーンがますます悲観的になっている。

  • 2011年の出版。
    様々な沖縄の暮らしぶりを窓口として
    読むほどに本土との歴史的問題点が浮かび上がる
    ニホンが先進国だと思い込んでいる私達に
    現状のニホンは未だに植民地なのだと思い知らせてくれる本でもある

    沖縄の心はニホンなのかどうか
    本土の心は沖縄をニホンだと思えているのかかどうか
    単に経済的政治的損得に依存しているだけではないのか

    いつでも切り離せる安全装置にしてきたし
    甘んじてきた歴史がある
    最もそれを言うなら
    今どき心を持ち合わせていうニホン人がどれだけいるのだろうか?
    ということになるだろう

    兎も角この本は中側からの沖縄と本土
    更に外側から見た沖縄と本土の両方に通じる早わかりの
    ダイジェストといえるだろう

  • [読了]戦争展で沖縄県人会の方のお話を伺い、ニュースでも気にはなるけどなかなか深める機会がなく読んで見た。長寿、雇用、基地、移住、サンゴ白化、移民や本土のオキナワまで。歴史も今もわかりやすく読める。

    印象的なのはp211、p299、p247

  • 「日本語下手だから」とnzでフラットメイトだった沖縄の友人の一言。これで沖縄を垣間見た事を思い出した。沖縄に関わるニュースをみる上でも、日本人として一読したい一冊。

  • 何気なく遊びにいってた沖縄に対する見方が一変する書。

  • 『アメリカの鏡・日本』(ヘレン ミアーズ)という本がある。第二次世界大戦後、ダグラス・マッカーサーによって、日本での発行を禁止された本だ。
    私は、これにちなみ『日本の鏡・沖縄』として沖縄を見ている。日本の鏡は中国でも朝鮮でもない。元来大陸国家や半島国家とは海洋国家日本は相容れない思考法で生活を営んでいたのだと最近はよく思う。
    では、沖縄はどういう場所なのか。長寿やリゾート地というのは本当か?データを見るとそうとも言い切れない。補助金漬けや振興漬けで自立心を失ったというのは本当か?独立志向や反米軍基地というのは沖縄県民の総意なのか?ヤマトンチューに恨みをもっているというのは本当か?よくよく考えてみると、沖縄というのはまさに『幻想の島』としてヤマトンチューに利用されているといっていい。沖縄を立体的に解釈できるようになる良書。
    そもそも、島と島を橋でつないで生活の便を図るという思想は大陸国家の概念ではないか。沖縄は橋を必要としているのか。日本は橋を必要としているのか。沖縄を見ると世界に対する日本の相対的な位置関係がよく見える。

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著者プロフィール

1954年(昭和29)長野県生まれ。ノンフィクション、旅行作家。慶応義塾大学卒業後、新聞社勤務を経てフリーに。『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)でデビューし、以後、アジアを主なフィールドにバックパッカースタイルで旅を続け、次々と著作を発表している。『週末ちょっとディープな台湾旅』『週末ちょっとディープなタイ旅』(朝日新聞出版)、『旅がグンと楽になる7つの極意』(産業編集センター)、『沖縄の離島 路線バスの旅』(双葉社)など著書多数。

「2023年 『旅する桃源郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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