ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)
- 講談社 (2011年3月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880930
作品紹介・あらすじ
ウェブは、アメリカのプログラム(文化的伝統)をいかに継承・具現し、社会の変容にどう寄り添うのか?歴史、社会、経済、思想、工学、建築、デザインなど分野の境を超え、その「構想力」の源流をたどり、未来を語る、斬新かつ根源的論考。
感想・レビュー・書評
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Internet
社会 -
[private]書評より[/private]
■Google、 Apple、Facebook。これら時代を制したWEBサービスがなぜ生まれたのかについてアメリカの思想史をベースに説明した本。
■19世紀のアレクシ・ド・トクヴィル(『アメリカの民主政治』を表わした人)から21世紀のマーク・ザッカーバーグ(FACEBOOK創設者)まで、ソーシャル=メディア全盛のウェブ現在から遡り、ハッカー文化、さらにアメリカ合衆国の成り立ちまでを、単なる情報技術の視点からだけではなく、歴史や文化を踏まえた社会批評。
■著者の主張:2010年代以降のウェブが社会にもたらす影響を考える上で、スチュアート・ブランドのいう「全球的」な視点を持つことが有効である。
正直、読み辛かった。
昼休み中に飛ばし気味に呼んだ所為もあるけど。
各書評サイトでの書評を読んで漸く分かった感じ。 -
webの世界の巨人たちに影響を与えたカウンターカルチャーなど、アメリカの根底にある思想を分析した一冊。面白い視座。
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◆Google、Apple、Facebookなど、米国発のネットワーク・ビジネスは、60年代米国のカウンターカルチャー、ひいては米国社会・歴史の産物。そう主張する本書の内容は、米国社会思想にまで言及する重厚さ◆
2011年刊行。
著者はコミュニケーション・コンサルタント。
21世紀の中核的ネットワーク・メディア(Google、Apple、Facebookを軸にTwitterが猪口猪口。Microsoftに殆ど言及しないのが時代とも、ネットワークメディアとの疎遠さとも)夫々の特徴を比較しつつ、その淵源を
➀ 60年代米国カウンターカルチャー、
さらに
➁ 19世紀米国の社会思想、
あるいはさらに
➂ 西欧でのローマの影響力
にまで遡行して検討している書。
正直➀➁のアメリカ社会史的特徴を見聞する機会がなく、叙述内容は知らないことだらけ。そういう意味では、読後感はなかなか難儀な書だなぁというもの。
ただ、エピローグを読むと種明かしもされており、PC誕生の機縁、インターネット開発の目的を考えると、冷戦の産物と言えなくもないところだ。
一方、
➀ アプリを含むソフトウェア開発がハリウッド化している点。
➁ これらソフトウェアの社会に対するインパクトが、工学的なシステム構築・建築におけるアーキテクチャー構築に近似しているとの指摘。
➂ オープン・アーキテクチャーの雄たるTwitterは、オープンであるが故に必然的にフェイクという遊び・余力・伸びしろを不可避とする。つまり、フェイクニュースの拡散とは構造的に不可避である可能性に言及したとも。
➃ 90年代の企業評価方法の変動により、短期的利益の追求だけが評価の対象となってしまわざるを得なかったが、それでは長期(10~30年先)の展望は開けないことから、近視眼的役割を担うトップと長期的視野(=夢や未来像を語る)のトップとを役割分担している。残念ながら日本企業でこの役割を上手く分担できているトップは如何ほど在ろうか?。
➄ アメリカの東と西との文化的差異
などなかなか興味深い指摘も彼方此方にある。
もっとも、知識不足以外に起因する読みにくさもないとは言えない。「あとがきに代えて」に弁解めいた意図について書かれるが、主体的に情報の森にさらに分け入ることが即時に可能なウェブという媒体と、読み手の側の既有の知識や発想を軸に理解・反論・批判・受容・納得・賛意といった読み手の反応を惹起させる、いわば触媒というべき紙の本とは違うフォーマットであり、著者がこれを咀嚼した上で叙述・推敲がなされないと、こちらとしても困ってしまう。 -
アメリカで生まれたITサービスについて記述した一冊。
Web2.0以降かと思いきや、それ以前のARPANETの頃から記述があり、その手の歴史が知りたい人には楽しめるかと。 -
全球時代の構想力とは?
→マネタイズで大切なのは何からの価値を現出させることが先決で、その価値を経済的に支え、かつ再生産可能にするための方法を考える
開発者の内発的な創造性を引き出すためにはビジョンが不可欠
フィードバックの揺り籠から抜け出すためには、当初の目標の外部から出て新たな目標を設定することが必要 -
歴史的な過程を通じて、ウェブの現在を問う。スチュワートブランドに引っ掛けた展開は面白い。
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2013/04/03
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良書。濃い。包括的で哲学/思想的な思考、文章が気持ちいい。
要再読。
移動中に読む本がなくてたまたま入った本屋で目に止まった。講談社現代新書はもっと頻繁にチェックしておいたほうがいいな。