鉄道ひとつばなし3 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 137
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062880954

作品紹介・あらすじ

「原さんの思索のスケッチブックは車窓なのだ。
そこには近代ニッポンが息づき、
鉄道と歴史が大好きな少年がいる。」――重松清氏推薦!

消えた駅弁、東大合格上位校と鉄道の意外な関係、
うなぎ弁当食べ歩き、時刻表旅行のススメ……
線路の彼方に孤高の“鉄”学者は何を見たか?
どこから読んでも愉しめる、待望のシリーズ第3弾!
爆笑必至の「日本の廃線シンポジウム」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 天皇論で有名な著者による鉄道の関するエッセイ。

    鉄道から駅、さらには海外の鉄道から廃線に至るまで、様々な分野の鉄道蘊蓄が語られており、鉄道好きなら楽しめる一冊。

  • 至福の鉄道旅の章が最高でした。

  • 鉄道に関するコラム集。
    他の作品も読んでみたい。

  •  一道民としての意見というか偏見というか……

     倶知安駅の項。

     商店街にスーパーや銀行があって意外に栄えているというのは、倶知安に後志総合振興局があることを考えると少々失礼な表現だと思った。

     ましてや北海道新幹線の駅も置かれる予定なのに(北海道新幹線自体不要だと思うが)

  • ●:引用 →:感想

    ●序 鉄道は昨日と同じ日常を確保し、昨日と同じ時間に多くの人々を乗せて走っている。おそらく明日も。明後日も。線によっては百年以上も続くその繰り返しが、地域に住む人々の集合的記憶を形成する。とりわけ同じ線を長く利用してきた高齢者にとっては、それが心の安らぎにもなる。だからこそ、高齢化の進む地域社会から鉄道が消えることは、単に線路がなくなるだけにとどまらない損失をもたらす。クルマ社会になれば、運転できない高齢者の外出手段が奪われるだけでない。住民の集合的記憶そのものが、解体されてしまうのだ。鉄道がなくなった地域に行くと、鉄道があった時代の記憶を熱く語る高齢者が実に多いことに驚かされる。
    ●東大合格上位校と鉄道 このように、東大合格高校と首都圏の鉄道事情には浅からぬ関係がある。中でも興味深いのは、開成高校と麻布高校の合格者数の推移である。
    ●鉄道博物館を見学して 要するにこの博物館は、車両フェチのための「車庫」なのだ。(中略)だが一部のマニアを除いて、そんな説明に喜ぶ客は一体どれほどいるだろうか。何か大切な点を忘れていないか。そう、鉄道とは人間を運ぶための手段なのであって、機械が勝手に動いているわけではない。あくまで人間が主役なのだという点を。
    ●オレンコ駅にてーポートランドのマックスふたたび ポートランドは、米国では珍しく、公共交通機関が発達した街として知られ、マックス(Metoropolitan Express)と呼ばれる電車が中心部と郊外の間を結んでいる。→映画「ハチ公物語」がハリウッドでリメイクされると聞いたとき、車社会のアメリカで、いったい鉄道の駅前で帰ってくる主人を待つ犬の話が成り立つのかと疑問に思ったものだが、「HACHI」では見事にそれが再現されていた。その時は、それがアメリカのどこなのか、あまり気にもしなかったが、今回この章を読んで「HACHI」のことを思い出した。インターネットで調べてみると、”現代のアメリカ東海岸の架空の街”” アメリカ東海岸の郊外にあるベッドリッジ駅”とあるからやはりポートランド近郊がモデルなのだろう。ちなみにポートランドがどこにあるのかも分からずやはりネットで調べた。アメリカでもカナダ国境に近い太平洋岸、映画の中で雪が降るシーンがのも納得。ロッキー山脈に近いのだろう。

  • 知らないうちに第三弾が出てゐました。「波」での連載ももう15年ださうで、まさかの(失礼)長寿企画となつてゐますね。
    ネタ切れを心配する向きもありますが、原武史氏と鉄道のつきあひ方は常人(普通のテツ、といふ意味)とはいささか趣を異にしてゐて、引き出しが豊富なのであります。

    なかんづく天皇・皇室と鉄道の関連については、やはり唸らせる記述であります。『「鉄学」概論』と被るところもありますが、やはり面白い。一冊丸ごと「皇室と鉄道」をテエマにした本を出していただきたく思ひます。
    鉄道を語るならば、社会とのかかはりや、その地域の歴史とかが絡むと俄然興味が沸くものです。
    まださういふ文章の書き手は少数なのが現状であります。原氏の著書はまことに貴重な存在と申せませう。

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-232.html

  • ひとつばなし という名の話がたくさんある。

    感想は1つだけ。
    安全と「安全」
    の話題は
    太宰治の 人間失格
    志賀直哉の 灰色の月
    雨宮処凛 中央公論2008年4月号
    という文学の題材。

    やられた。

  • 講談社「本」の連載をまとめたエッセー集も3冊目になる。天皇、宗教、小説、はては東大進学上位校までを題材にからめ様々な視点で鉄道を語る。
     特に皇室関係をお題にした3点は秀逸である

  • 鉄道にまつわる多彩なひとつばなし。どうでもよい内容こそ面白いです。駅名で日本の政治家の姓名をつくる。「たなか」「かく」「えい」どれも駅名だそうです。私がもっとも気に入っている章は鹿児島県でもっとも東京に出ずらい地域を時刻表から探す作業の章。飛行機、バス、フェリーなどの時間を組み合わせて何時に出ればその日のうちに東京駅につくか。もっとも朝早く出立しなければいけない地区を探す作業。地味。

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著者プロフィール

原武史(はら・たけし)
1962年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。東京大学大学院博士課程中退。山梨学院大学、明治学院大学を経て、現在、放送大学教授、明治学院大学名誉教授。専門は日本政治思想史。『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社)でサントリー学芸賞、『大正天皇』(朝日新聞社)で毎日出版文化賞、『滝山コミューン一九七四』(講談社)で講談社ノンフィクション賞、『昭和天皇』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。ほかに『〈出雲〉という思想』、『可視化された帝国』、『皇居前広場』、『団地の空間政治学』、『レッドアローとスターハウス』、『皇后考』、『「昭和天皇実録」を読む』、『平成の終焉』、『 〈女帝〉 の日本史』、『地形の思想史』、『「線」の思考』、『一日一考 日本の政治 』など著書多数。

「2021年 『最終列車』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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