原発報道とメディア (講談社現代新書)

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  • 講談社
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レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881104

感想・レビュー・書評

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  • メディアは人間の拡張であると述べたのはマクルーハン。マスメディアは人間の欲望を拡張してきたが、ツイッターもまた人間くさい相互不信の現実を拡張して示してきたという意味でまさにメディアらしいメディアだった。
    ヒラリーもツイッターは重要な表現手段と述べた。
    福島は自分たちで原発を誘致した。1960年頃、原発が来れば福島は仙台のようになると受け入れた。

  • 3.11以後のメディアのあり方について論じる。ジャーナリストの守るべきは「基本財としての安全・安心」とする立場から、原発問題に関する報道を通して浮かび上がってきたジャーナリズムの歪みを俎上に載せ、その本質を抉り出しています。議論の対象は一般のマス・メディアからソーシャル・メディアなどのネットワーク・メディアまで広範囲に及んでおり、メディアの輪郭を捉え、その現状を理解するうえで非常に役に立つ、内容の濃い本であると感じました。

  • フクシマ報道の在りようを切り口としたジャーナリズム論。個人的に8章の情報操作の部分が面白かった。情報の持つパワーは計り知れないな。

  • 基本的には、メディア論の本でした。でも、前半1/3の原発論の部分は面白かった。原発反対派と推進派の議論はなぜかみ合わないか?の考察は秀逸。

  • 3.11以降のフリーのジャーナリストのマスメディア批判や原発報道、震災報道で過熱するマスコミ批判には正直辟易していた。
    皆、ドングリの背比べで、憶測の域を出ない報道やセンセーショナルに不安を煽る様な報道ばかりであり。
    自分が正しい、大手マスコミは嘘をついている。
    テレビに出ている学者は皆御用学者。
    的な子供の喧嘩かと思うようなネット報道などを見て。
    信じるにたる報道は、日本には存在しないのでは無いだろうかと思い始めていた。
    そんな中、この本を読んで、今後のあるべきジャーナリズム、ジャーナリストの答えの一つとして納得のいく内容だった。
    世の中のジャーナリスト、特に旧マスコミ批判をしている人にはこの本読んで自分のしていることを見直して欲しいと思う。

  • 原発報道に抱いていた違和感、なぜ違和感を感じていたのか、かなりすっきり。
    原発報道に限らず、マスメディア論として面白い。
    特にネットメディアに関する評が◎

  • 3・11以前のジャーナリズム論と、その後の報道体制について論じた本。原子力の情報を得るには適しておりませんのでご注意を。

    筆者は一貫して「基本財としての安全・安心」を誰に対しても公平に実現することを主張している。
    基本財としての安全・安心とは、自分たちだけが安全であるということを求めるのではなく、生活をする上で手放すことのできない最低限の安全や存在を許される安心さのことを言うようだ。
    筆者は原発問題について調べる前はハンセン病に関するジャーナリストだった。伝染力の低いハンセン病が流行ったとき、病人は隔離され、他者からはアンタッチャブルとして人間扱いされてこなかったという日本でのハンセン病問題を挙げ、この状況が現在の放射能問題と近いことを述べる。

    今回の震災でも、マスコミの報道は震災前と変わらずセンセーショナルなニュースを中心としたもので、冷静な報道や自主的な取材に欠けていたことを指摘する。ジャーナリズムは世間の関心が低くとも被災者の事情を掘り起こし、議題化される要素があるならそれを報道することで公共性・公益性に資するべきであると。それはページランクで項目が並ぶネットメディアで実現することは難しいとも。
    ---
    本書は
    ・(原発報道を例に挙げた)ジャーナリズムの現在
    ・マスメディアとネットメディア
    ・ジャーナリズムの将来
    にざっくりと内容が分けられる。

    ネットメディアの章は特に面白く、google,Twitter,YouTube,2ch,Wikileaksなどの
    ネットジャーナリズム論は新鮮。
    例えばsengoku38による尖閣ビデオ流出事件、
    元職員が尖閣問題について、領土を守ることについて
    一人ひとりが考えて欲しいと公開したのに対し、
    マスコミもネットも犯人探しに
    躍起になってしまい元の目的が達成出来なかったと
    考察しているのは印象深い。

  • 評判なので読んでみた。原発についてというよりは原発の事故をきっかけにこれからのジャーナリズムのあり方について論じた一冊。ジャーナリズムを使用することしか頭にない自分にもためになったし楽しく読めた。反検索的一人ジャーナリストの出現に期待するもそういう人をグーグルで検索してしまいそう。

  • 原発報道に関するメディア対応の話だけでなく、ジャーナリズムのあり方やあるべき姿についても言及していてそちらも参考になった。

  • 原発に関して「ハンタイ」派、「スイシン」派といった二項対立の党派的な構造からではなく、是々非々で事に当たっていこうとする著者の姿勢に共感。ジャーナリスト系の著作はあまり好きではないのだが、社会学でしっかりと足場を固めた論理の展開には好感が持てた。

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著者プロフィール

2018年11月現在 
ジャーナリスト
専修大学文学部人文ジャーナリズム学科教授

「2018年 『井深 大 生活に革命を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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