原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて (講談社現代新書)

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レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881128

作品紹介・あらすじ

官僚支配、電力独占から抜け出すには-明日のエネルギー政策を、わかりやすく示す。これからのエネルギーとこれからの政治を語ろう。

感想・レビュー・書評

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  • 何かに依存することで得られる安定や安心が、実は不安やリスクの裏返しであることを改めて認識。さて自分はこの先依存体質から脱却できるだろか。

  • 宮台真司の本を買うのなんて、たぶん20年ぶりくらい。正直、その「口調」があまりフィットしなかったのだが、この本は興味深く読んだ。

    東北電力における白洲次郎のファンクションは僕には謎である。案外、言われているようなレジェンドではないのかもしれない。今後調べてみたいテーマだ。

    CO2と原子力の関係や六ケ所村の問題など、いろいろと勉強になる本だった。

  • 宮台さんと、飯田さんの知識が、どうやって原発に向かっていくのか、わくわくしながら読了。2人の生きてきた背景と、そこに結びつく経験と知識が、直接原発について語られなくても、浮き上がってくるのが面白い。

  • 非常におもしろかった。我々が知らない画期的な自然エネルギーについての話がたくさんあってとても勉強になる。飯田さんの豊富な知識もさることながら宮台氏の鋭い考察も読んでいて唸らされる。なぜもっと早く読んでおかなかったんだろう?

  • 原発社会からの具体的な離脱論の展開を期待したが、いささか内容が飛びすぎる。どちらかと言えば国策批判、官僚批判がメイン。

    「貧しくならない省エネ」という考え方には同意。ただし30万円する薪ストーブを「普通の人」が買うかどうかはちょっと疑問。

    「生活をいちいち反省しなくてもいいから、原発でいい」国民の心が一番変わらなければならないが、一番変われないのも国民の心では。その方法論をもっとブレストしたい。

  • 【速読】飯田さんて人が身内に対し無責任に甘いですよね。脱原発であれば誰であれ敬称で、本書で嬉々として挙げた方々が政治力を持った時、電力以外の点で日本人の幸福度クオリティを著しく下げるんじゃないかと心配です(^q^)反対の立場の人に対しては「知性」がないと口撃するし、知り合いだったら絶対面倒くさい。宮台さんは以前は推進派だったと告白してましたがそんなことなかった風に勝間さんを揶揄してるのは、編集の都合?対談形式は情報が多角的に絡むのにつまらなく感じるのは、内輪の空気を守ろうという編集の様子が見え透くからですかね。

  • 「現実」に手を突っ込む! 

    本著は、かって原子力ムラにもいたことがあり政界や産業界の現場でも行動するエネルギーの専門家飯田哲也氏とアクティブな社会学者宮台真司氏の3.11直後の対談録である。

    「飯田:推進対反対の二項対立だと、相手の穴を狙って論破すれば勝ち、ということになります。でも勝っても現実が何も変わらないなら、そういう議論は不毛です。(略)
     宮台:現実に作用する権限を持った者(政府東電等:筆者註)の側に、圧倒的に責任があることは間違いない。そうした非対称的な関係のもとで、実際に行為する側は政治的な無責任を決め込み、批判者は有効性を度外視したままひたすら反対運動をやり続けてきた。その結果、何も変えられないまま、今回の惨事にいたった。それが日本の現実です。」

    <議論は単なるディベートでなく、現実をよりよく変えることにつながる議論か?反原発デモだけで社会の現実を変えられるか?>

    「宮台:大前研一さんが脱原発になったのも、イデオロギーではなく、合理性の乏しさが理由でした。なので、合理性の問題を国民に丁寧に説明することを目的として、NHKも番組を作ることができると思う。イデオロギーよりも合理性の方が説明の手順が必要で、丁寧に番組を作らないと視聴者は分からない。
     飯田:原子力が消えていくのも、まさに合理性です。」

    <反原発は右翼でも左翼でも、保守でも革新でもなく、現実的合理性である。>

    「この福島第一原発に起きた歴史に残る大事故は、いまだなお収束の見通しは立っていない。この不安定な状態は、未だ数年・数十年のオーダーで続くことは間違いない。この状況を眼の前にしてなお、この国の「旧いシステム」は変わるどころか、上で述べたような既得権益を露骨に温存する動きが見られる。(飯田)」

    <この対談は3.11直後だが、指摘された問題は今も同じで変わらない。民主党から自民党へ政権交代して、原発エネルギー政策はむしろ後退悪化している。

    今日のyahooニュース→
    エネルギー基本計画 再生数値目標を見送り 自公合意
    http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/alternative_energy_sources/?id=6112508 >

    「この国の「旧いシステム」は、あまりに日本社会を構成する大多数の善良な人々、とりわけ最低辺層や将来世代への眼差しが欠けているだけでなく、その善良さを愚弄し、見下し、しかもそこに付け込んで「寄生」しているとしか思えない。しかし他方で、それを批判して理想論を美しい論文にまとめても、どろどろした「現実」に手を突っ込まなければ、それはエクスキューズにしかならない。(飯田)」

    <国民一人一人も、エクスキューズせずに自分が出来る範囲で「現実」に手を突っ込むこと!>

  • 福島直後の対談をもとにした脱原発の本。

    あれから3年経過して、状況が変わっている部分も多いので、改めてお二人の話を聞いてみたい。

  • 東日本大震災、福島原発事故から2年を過ぎても、
    いっこうに収束の行方が見えない…
    本書は、震災事故1週間めの対談をもとに編まれた一冊。
    肝心で不可避な問題点が明晰に言及されていると感じた。

    著者の飯田哲也は「あとがき」でこう書いている…
    ―この国の「旧いシステム」は、あまりにも日本社会を構成する
     大多数の善良な人々、とりわけて最底辺層や将来世代への
     眼差しが欠けているだけでなく、その善良さを愚弄し、
     見下し、しかもそこに付け込んで「寄生」しているとしか思えない。
     しかし他方で、それを批判して理想像を美しい論文にまとめても、
     どろどろした「現実」に手を突っ込まなければ、
     それはエクスキューズにしかならない。

    「美しい国」を標榜する現首相は、このどろどろとした「現実」に
    どれほど手を入れようとしているのだろう…
    いかに美しくコーティングされようと、否応なく
    泥水を飲まされるのは、ボクら国民に他ならない。

    嫌なものは嫌だ! いらないものはいらない!
    すべてはつまびらかにされない情報を、
    それでも執拗に追い続け、叫び続けるために、
    ボクにとって、本書は有益な一冊となった。

  • 脱原発の旗手といってもいい存在である飯田哲也さんと、日本の評論的知を90年代以降ずっと代表する存在でありつづけている宮台真司さんの対談集。

    宮台さんがよく口にする「原発をやめられない社会をやめる」という言葉の意図が見事なまでに披瀝されていると思う。ムラ的な空気による決定は、世界的傾向である知識蓄積社会の真逆。政策実行における合理性を考える余地や発想は、そこにはない。

    しかしこれはそこそこのブーメランであって、少なからず日本的な社会に身を置いている私たちにとって、そういう空気の醸成に加担していないと言い切れるかというと、そうとは言いづらい。

    どこかで現状の組織的基盤の自明性を信望しきっている部分に、やはり深くメスを入れる必要があるんだろうなと自分の身の回りの環境と置き換えて考えたりしていました。

    うーん考えたいなぁ…、もっと1日の長い時間を使って、こういうこと。

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著者プロフィール

社会学者。首都大学東京教授。著書に『日本の難点』(幻冬舎)、『どうすれば愛しあえるの 幸せな性愛のヒント』(二村ヒトシ共著/KKベストセラーズ)ほか多数。

「2017年 『子育て指南書 ウンコのおじさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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