動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2011年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062881197

作品紹介・あらすじ

身体の動きを軽視する現代人。でも実は、姿勢・呼吸・歩き方といった身体の動きが心にも大きな影響を与えている。その実態を明らかにする。さらに心身を健康にする実践的ボディワークも紹介!    

【本書で紹介される実例】
・呼吸で「呼息」「腹息」「長息」の三つを意識すると、心が落ち着き、気力が充実する
・筋肉の緊張をやわらげると、恐怖心が収まる
・笑顔を禁じると、おもしろいという感情も減る
・ずっとうつむいた姿勢でいると、うつっぽい気分になり、前頭葉も活性化しない
・速いテンポで歩くと、活動性が高まる
・幼児期に親との接触する機会が多いと、孤独感が低くなる

みんなの感想まとめ

身体の動きが心に与える影響を探求する本書は、心と身体の深い関係性を明らかにします。著者は、実際の経験や心理学の研究を基に、姿勢や呼吸、歩き方がどのように感情や気分に影響を与えるのかを具体的に示していま...

感想・レビュー・書評

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  • 「心は身体の動きから生まれた」という身体心理学の立場から、身体と心の動きについて紹介されています。

    興味深く、なるほど、と思いながら読みました。

    身体と心のつながりに関心のある私にとって、参考になる一冊でした。

  • 心理学の昔の研究をベースに著者の日常的経験、知見などが書かれている。具体的かつ実行しやすい知恵も多々ある。西洋的分析の研究を続けた著者が行き着いた東洋的「心身一如」の世界と、その説明。

    以下、気になったところを抜粋

    *生物の発生をみると、始めに動きがあって、その後に中枢である脳が生じてきた。

    *西田幾太郎/「善の研究」で述べられる「純粋経験」とは、「経験があって、自己がある」ということで、それは「心身一如」、つまり客体と主体がひとつになって経験することを意味し、「分析的ではないこと」である。
    例えば、花を見て美しいと感じる経験は言葉で記述することができるとしても経験そのものは体験するほかはない。

    *著者は「気感(気分+感覚)」という言葉でレスペラント反応をとらえる。

    レスポンデント反応・・・生理的、無意識的反射、内臓の反応
    オペラント反応・・・意図的、意識的反応、筋骨格の反応
    レスペラント反応・・・反射と意図的反応の両方を含む、筋骨格の反応

    *右90度への視線の先にあるものは、好意度を上げる。(相手に向かって、左端にいると相手が好意をもつ?)

  • 精神が身体に反応をするのか?身体の状態が精神に影響を与えるのか?精神が先か身体が先か、そんな問いへさまざまな実験結果をもとに伝えていく1本。
    最後の方は身体の慣用句と健やかに生きるためのストレッチ方法みたいなのが載っていて結構独特だった。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/751470

  • 身体心理学の入門書。
    心理学の基礎知識もふくめて、分かりやすく書いているので、初心者でも理解しやすい。
    保健体育の学習指導要領で「心と身体を一体として捉え、」という文言があるが、その具体例をエビデンスと共に紹介してあるので、授業にも使えそうな気がする。

  • いろいろな視点から体やその動きについての知識が載っていて、新書としては充分な情報量です。

    チャールズ・シェリントンの分類は興味深いものです。また、第7章の「新しい人間の全体像」はウェルビーイングを考える上ではとても参考になりました

  • 身体と心のつながりの概要を期待して読んだ。読み終わった感想としては、期待の1割ほどが満たされた感じ。

    序盤の章では、動きから心が生まれた過程について、進化論を基に考察が述べられていて、それは興味深かった。
    後半の章では、行動によって、人の心理がどのような影響を受けるのか細かな研究が紹介されていた。しかし、各行動の研究が紹介されることで終わってしまっていて、まとめとしてどのようなことを筆者が考えているのか述べられていないような気がした。

    全体的な感想として、序盤の章のみ身体と心のつながりについてまとまりのある考察が述べられていた。しかし、後半の章では雑学の紹介のような印象で、それらから身体(動き)と心理のつながりについてどのようなことが言えるのか筆者の考えが掴みにくく感じて残念だった。

  • 新しい心理学の分野を分かりやすく解説してくれている。個人的にはもう少し専門性の高い突っ込んだ内容でも良かったかな、と思う。タイトルどおり「招待」まで。読んで損はない。

  • 身体心理学はなんぞ?という好奇心で購入。
    姿勢や対人空間(座席の配置位置)がいかに心理面に効果影響を及ばしているか知る。

  • 前半は身体、行動と心の発達について非常に興味深い話題であった。後半は社会や自然との繋がりについて論じるものと期待したが、細々とした各論に終始してまとめもないままに終わってしまった感じがある。もっと大きな概念で、新しいものの見方に振ってほしかった。

  • 現在の脳科学に疑問を呈する面白い本だった。

  • 【由来】
    ・amazonでたまたま。正確には
     「神々の沈黙」を検索 → 関連本で出てきた講談社現代新書の「意識とは何だろうか」に興味 → その関連本で出てきた

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  •  脳一元主義へのアンチテーゼとして、「身体の動き、感覚といったものが、私たちの気分や感情に大きな影響を与えていること」を主張する本。
     とりあえず、第11章「生活を豊かにする心身統一ワーク」を読んで実践しつつ、理論的な話(1章〜10章)はあとから読めばいいかなと思う。

  • 感覚に関する特に基本的と思われることが、しっかりと説明されている。とても良い。

    これ先に読んでおきたかったな。

  • 心が体に影響を与え、体のコンディションが心の状態を左右する。
    経験的にはわかることだが、これを研究するのが「身体心理学」であるという。

    意志の関与の度合いから、行動を「オペラント反応」(意志的反応)、「レスポンデント反応」(生理的、反射的反応)、そして両方の性質を併せ持つ「レスペラント反応」と分類する。
    スキナーの説だ。
    こうして、呼吸、筋弛緩、表情、発声などの動きがどのように心に影響を与えるかを説明していく。

    最終章には、心身統一をするボディワークが紹介されている。
    なかなか実用的。

    ここで引かれている研究や文献は、一番新しいもので二〇〇〇年代まで。
    二〇一〇年代に入って出た本としてはどうなのかと思ったが、もしかすると、その後それほど進んだわけではないのかな?
    最近のマインドフルネスの流行りで、この分野もホットな領域なのかもしれないけど・・・。

  • 頭(顔)は内臓の一部。そう考えたら内臓の調子が良ければ表情も良くて頭も冴えるってことかな。目線とか笑顔って結構需要。

  • 身体心理学の専門家が、“身体・動き”との関連の上で“心”を捉えようとする「身体心理学」の研究について説明したものである。
    現代においては、“心”とは知と同じもので、脳のことがわかれば心のことはすべて解明できるという考え方(「唯脳主義」)が主流で、だからこそ脳科学にも注目が集まっているが、著者は「人間を心のみの存在とは考えない。身体があって心が成り立つと考える。しかもその身体とは、従来から無視されてきた身体の動き(行動)に焦点を当てるのである。・・・本書ではいままでの身体心理学の研究を明らかにすることで、脳一元主義が中心となっている現代において、身体の動き、感覚といったものが、私たちの気分や感情に大きな影響を与えていることを再発見してもらえれば」と語る。
    ◆進化の過程を見ると、動物は大脳によって環境に働きかけて適応したのではなく、環境が動物に働きかけて行動を引き起こし、適応してきた。つまり、環境に対応する行動が大脳を発達させてきたのである。即ち、「始めに動きありき」で、そこから心が発生したと考えられる。
    ◆20世紀の行動分析学の大家であるスキナーは、動物の行動を、環境からの刺激によって誘発される「生理的・反射的反応(respondent反応)」と、行動する主体が環境に働きかける「意志的反応(operant反応)」の2つに大別した。
    ◆実際の行動の中には、respondent反応とoperant反応の両方の反応ができるものがあり、それは合成語で「resperant反応」とも呼ぶべきものである。具体的には、呼吸反応、筋反応、表情、発声、姿勢反応、歩行反応、対人距離反応、対人接触反応である。
    ◆resperant反応(行動)と心(心理)と体(生理)の関係はトライアングルの関係にあり、相互に影響を及ぼしている。呼吸反応が心や体に影響を与えることは多くの人が実感していることであり、昔から推奨されてきた「丹田呼吸法」もその経験から生まれたものである。また、野口三千三氏の「野口体操」、野口晴哉氏の独自の整体法も、筋反応(筋弛緩)に関わるものである。
    ◆行動の次元、身体の次元、精神の次元の3つを統一した、或いは包含した概念が「気」であるが、心身一元論的な考え方に馴染みのある東洋社会では古来より心身統一的な健康法が採用され、well-being(心身の健康・安寧)に役立ってきた。
    そして最後には、well-beingを実現するためのresperant work(身体の動かし方)がイラスト入りで紹介されている。
    大変興味深いテーマであり、かつ実感として理解できる部分は少なくないとはいえ、全体を貫く強固なロジックが見られない点が少々残念ではあるが、著者が自ら「現代人の常識に反する」と言う、身体(行動)と心の関わりに焦点を当てた論考として、唯脳主義中心の潮流に一石を投じたものとは言えるだろう。
    人間についての幅広い理解の一助になり得る一冊と思う。
    (2015年11月了)

  • よく嬉しいから笑うのではなく、笑うから嬉しいのだ、つまり、感情より表情が先に来る、とか聞くことがある。本書はそれをもっともっと掘り下げて、ひとつひとつ検証した本。
     まずは、もともとの動きとは何かから始まる。下等生物では動きはなんのためにあるのか、走性とか反射とか。それから中枢神経のある動物ではどうか、とか。で、じゃあ人間ではどうかとか。
     次に、反射や不随意運動・随意運動と呼吸などの関係について記載する。呼吸は反射である側面もあるし、随意運動である側面もあって、これを制御することにより、動きからメンタルに影響をおよぼすことができる。
     簡単に読めて、この分野のまるっと全体像がつかめる本。

  • これは面白い。著者の造語ではあるが、「レスペラント反応」というのが独創的かつ画期的な定義であり、これは柔術、いや身体に直接携わる人にとってはぜひとも読んでおいて損はない内容です。

  • embodied cognitionに関連する日本語の本。非言語コミュニケーションの解説にもちょっと使えるかも(表情とか姿勢とかの話のあたり)。後半は著者の考える大理論て感じで,ヨガとか太極拳とか,社会的認知のガチな実験云々という話とはだいぶ違ってくる。わかってて読む分にはいいのだけど,後半も含めて心理学界で王道として広く認められている話だと,学生さんに誤解されやしないかとちょっと(いらん)心配。

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著者プロフィール

早稲田大学 名誉教授

「2013年 『4枚組のCDで実践する マインドフルネス瞑想ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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