物語論 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881296

作品紹介・あらすじ

物語が紡がれていく過程。17人の創作者が語る。

感想・レビュー・書評

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  • 物語の世界は驚くような方向から自分を救ってくれる。
    桜庭一樹の物語論はとても面白かった。
    行きていくのはつらく、完全ではない私たちは物語を紡ぐことも感じることを切実に求めている。
    簡単に消化できない言葉にできない思いに言葉を尽くして向き合っていくことの必要性を感じた。

  • 小説家の伊坂幸太郎、漫画家の弘兼憲史、かわぐちかいじの章が興味深かった。

  • 小説 漫画 美術 映画 音楽 といった様々な分野の方々の「物を語ること」に関してのインタビューの並列。各分野の創作者の物語を開発する最中の細かい「隙間」についての生の声が聞ける。
    村上春樹や伊坂幸太郎、漫画家の荒木飛呂彦など豪華17名。

  • 思索
    文学

  •  タイトルだけ見ると文芸評論のようだが、そうではなく、ジャンルを超えた広義のアーティスト17人へのインタビュー集である。

     著者は1977年生まれの(私から見ると)若いライター。ただし、プロフィール欄の肩書きはライターではなく「インタビュアー」となっている。「プロ・インタビュアー」を名乗っているのは吉田豪だが、この著者もインタビュー仕事にアイデンティティーを見出しているらしい。池谷裕二・糸井重里の『海馬』や、『ピーコ伝』などを構成した人なのだな。

     インタビューイとして登場するのは、村上春樹、島田雅彦、伊坂幸太郎、重松清、弘兼憲史、橋本治、かわぐちかいじ、荒木飛呂彦、桜庭一樹、是枝裕和、諏訪内晶子、根岸孝旨、渋谷陽一などなど……。

     小説家・マンガ家・映画監督あたりまではまあいいとしても、演奏家や音楽プロデューサー、現代美術家、編集者、ウェブ・デザイナーまでを「物語論」という枠組みでくくるのは無理やりすぎ。どうせなら、小説家へのインタビューだけ集めて1冊にすればよかったのに。

     インタビューは玉石混淆。というか、私自身が興味がない人へのインタビューは、当然ながら総じて面白く感じられない。伊坂幸太郎へのインタビューが突出して長いのだが、私がこの人に興味ない(作品を読んだことがない)せいか、ひたすら冗長に思えた。
     逆に、根岸孝旨へのインタビューは、Coccoとの共同作業について語ったくだりが個人的にたいへん興味深かった。

     意外にも、いちばん面白く読めたのはかわぐちかいじへのインタビュー。かわぐち個人の方法論を語ったものであると同時に、マンガという表現の特質を鮮やかに抽出した秀逸なマンガ論にもなっている。

     その他、印象に残った言葉を3つほどピックアップ。

    《そもそも小説を書くということは、過去を参照して独自の現状分析を加味しながら、五年後や十年後の世界を提示することに近いんですよ(島田雅彦)》

    《僕は「持って行き場のない思いの、その持って行き場のなさ」を書きたいのかもしれません。持って行き場を置いてしまうと、それこそ解決させるための、許してもらう一瞬のための物語になってしまう(重松清)》

    《批評を正当な理解だなんて思ってしまったら芸術は終わりなんじゃないのかな。ですから私は、理解されかけたと思ったら、もっと煙に巻く構造を持った作品を手がけています。「理解される」とは「底が見える」でもありますので。
     芸術は「ここには何かがありそう」というその何かをできるだけ遠くまでつなげて味わうもので、完全に説明できてはミもフタもないでしょう?(杉本博司)》

  • 様々なコンテンツクリエーターへのインタビューをまとめた一冊。

    個人的に村上春樹さんのインタビューが読みたかったので購入。その他の小説家や漫画家さんのインタビューも楽しめた。

    やはり、それぞれにスタンスがあり、それによって表現方法が変わってくる。そのスタンスが良いか悪いか、ということではなく、スタンスがあるのかないのか、というのが大切なんだろうな、という気がする。

  • インタビュアーである著者が、村上春樹、島田雅彦、伊坂幸太郎、重松清、弘兼憲史、かわぐちかいじ、荒木飛呂彦、杉本博司といった17人の創作者へのインタビュー記事をまとめた作品。
    作家だけでなく、美術家やウェブデザイナーといった幅広いジャンルの人も登場します。
    さまざまな雑誌媒体に掲載したインタビューが一挙にまとめられ、それぞれの「物語論」が語られています。

    様々なジャンルで活躍する人々が、心中に抱く創作への考えが語られます。
    実力のあるプロフェッショナルな人々でも、現代を意識し、社会的な雰囲気を織り込みながら「物語」を創造していくことの大変さからは逃れられないことが見て取れます。

    タイトルから、物語の構造について書かれた本かと思いましたが、実際の内容は、著者のインタビューによって相手が語る物語の創作姿勢やその方法というところ。
    それぞれに個性的なインタビューをおもしろく読みましたが、本のタイトルから連想される中身と実際の内容は、少し違うものになっています。

    それでも、最後の伊坂幸太郎氏へのインタビューは、最も物語論的な内容となっており、文学作品とエンターテインメント小説の差がわかりました。

  • 物語るということについてなので作家が多いけど、源田美術家やウェブデザイナーなんかにも話を聴いていて並列してあるところが面白い。並びもよく考えられていると思うし読みやすく面白かった。

  • 901.3

  • 最後の伊坂幸太郎さんのインタビューが、長く紙幅を割いていることもあったし、本当にこの『物語論』の王道を言っている内容だったので、もっとも印象に残りました。もちろん、伊坂さんの小説を何作品か読んでいて、好きだということもあります。その他のインタビューは、『物語論』としては直球ではなかったりもします。村上春樹さんなんかは、ほぼ翻訳の話でしたし。ただ、それらの直球ではない話の中から、なにか「物語」を作る上で勉強になる情報をすくいとること、それは読者がきりりとした目で文章を追いかけながらしなければいけない行為。そういった意味で、いたれりつくせりではないし、親切でもないですが、「物語」を紡ごうとしている人には、なにかしらのヒントを無数に宿している本だと言えます。

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著者プロフィール

木村俊介 (きむら しゅんすけ)
1977年、東京都生まれ。インタビュアー。著書に『インタビュー』『善き書店員』(ミシマ社)、『漫画編集者』(フィルムアート社)、
『料理狂』(幻冬舎文庫)、『漫画の仕事』(幻冬舎コミックス)、『仕事の話』(文藝春秋)、『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)、
『物語論』(講談社現代新書)、『「調べる」論』(NHK出版新書)、『仕事の小さな幸福』(日本経済新聞出版社)、
聞き書きに『調理場という戦場』(斉須政雄/幻冬舎文庫)、『デザインの仕事』(寄藤文平/講談社)、『芸術起業論』(村上隆/幻冬舎)、
単行本構成に『西尾維新対談集 本題』(講談社)、『海馬』(池谷裕二・糸井重里/新潮文庫)、『ピーコ伝』(ピーコ/文春文庫PLUS)、
『イチロー262のメッセージ』シリーズ(ぴあ)などがある。

「2018年 『衣・食・住・音 音楽仕事を続けて生きるには』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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