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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784062881302
作品紹介・あらすじ
30年代の「世界恐慌」。その原因や対処法をめぐりケインズとハイエクは論争を繰り返した。リーマンショック後の「世界的経済危機」の核心を探るため、経済学史に偉大な足跡を残した知の巨人の共通認識と対立点を徹底比較する。資本主義に社会主義的な計画経済を導入したケインズ、自由主義経済の擁護者ハイエク。「貨幣・価格・生産」「慣行と模倣」「便宜と法」などの論争は現代的示唆に富む。
ケインズとハイエクが対照的な経済学者とみなされているという通俗的理解は、ここ数年覆されている。ケインズとハイエクは新古典派のタームでは語りえない重要な思想を掲げ、しばしば論争を繰り広げた。
二人は晩年、自らを反共産主義且反保守主義と位置づけている。対立の論点は、その中間にどのように自由主義を配置するかをめぐるものだった。
ハイエクが著した『隷属への道』での主張、「設計主義、社会主義的計画化には反対するが、それは自由放任主義とイコールではない」「自由競争を促進、有効にするためには法的構造を整備する」にはケインズは賛辞をおくり、またケインズの考えもほぼ同様のものであった。
現在の経済状況を鑑みて、対立点をあげると、たとえば「市場」。
ハイエクは市場を複雑なシステムの一つ、とりわけ分散する知識の処理装置とみなした。模倣と慣行を維持することで、一部の人が保持する将来への期待や分類法が淘汰され裏切られる。市場は社会を無数で多様な知識に対して適応させる。その適応を狂わせ恐慌をもたらすのが政策的な干渉、とりわけ金融政策だと見立てた。
ケインズによれば、不安定なのは市場そのものである。市場は、いわば自生的に無秩序でありうる。それに秩序を取り戻させるのが経済政策だという見方となる。
そのような二人の共通認識と対立点を徹底比較、論考する。
ヒュームやバークなど経済に影響をあたえた古典思想にも言及、現在の日本社会が抱える問題点を経済思想史の視点から考察する試みでもある。
該博な知識をもってなる松原教授ならではの「資本」論や喫緊の課題である「金融市場への不安」も主たるテーマとなる。
ケインズとハイエクが論争を重ねた30年代と同様に、危機的状況が続く世界経済。流動性の罠に陥っている経済の現状と人々の不安とは何か。21世紀の世界的経済危機と迷走する社会思想を歴史に残る巨人の経済学的知性で読み解く。
サブプライム危機とリーマン・ショックを経て、アメリカの覇権と基軸通貨であるドルの威信は落ちた。グローバル・インバランスが揺らぐ現在、本書の刊行には大きな意義がある。
みんなの感想まとめ
経済学の巨人、ケインズとハイエクの思想を深く掘り下げ、彼らの対立と共通点を鮮やかに描き出した一冊です。二人の理論は、単なる経済政策の枠を超え、時代背景や政治、社会の動向と密接に結びついていることが明ら...
感想・レビュー・書評
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偉大な経済学者であるケインズとハイエクの思想、理論を、時代背景や経済学会の動向、政治、経済、戦争などの状況と並べ、解説したもの。景気循環や政治的都合と共に、ケインズもハイエクも蘇るのだが、それは経済政策的に最適だからというだけでなく、政治の事情や国民の意識が絡んでいることがよくわかる。景気というと単に日経平均の指標くらいしか意識しないが、金利や失業率、財政収支、通貨供給量などにも関心を持つことで、先行きを少しは見通せるようになると思うし、仕事でもとても役立つだろう。
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ぎゅっと圧縮したところと、詳しく解説しているところと、
緩急のある書き方があって飽きずに読めました。
ハイエクというと経済というより哲学の印象が強かったので、
ケインズとやりあう場面などはかなり新鮮に思えて目が覚めた。
それでも読み終えて印象に残ったのは、
経済に関する箇所ではなくて、
やっぱりハイエクの『自由論』のところ。 -
デフレの英国1920年~、金融対策の困難な現実に対処するケインズと、経済の景気循環説を貨幣理論により唱えるハイエク。
今の金融危機と対比して読むと面白そうです。 -
日経の広告で購入。
今の時代の整理に役立つんじゃないかと、あとこれくらい知っといたほうが良いのかなと。
感想。全く歯が立たなかった。。なんか時代感だけ整理できたかな。。力不足なのか、ここまでは襷に長しってことなのか。。まあそんなとこ。 -
難しかった。
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タイトル買いしたが、理解しにくかったなぁ。本当はこれくらい読めないといけないんだろうけど。。
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本書は、経済史の歴史上の巨人「ケインズ」と「ハイエク」がテーマの書であるが、あまりにも専門的で精緻な内容に正直いって歯が立たないと感じた。
両者の伝記部分は、まだ理解できた。ケインズは「1883年~1946年」。ハイエクは「1899年~1992年。」同時代を生き、交友と衝突を繰り返した両者の歩みはそれなりに興味深かったが、その衝突の内容は専門的過ぎてよくわからない。
その後の内容のほとんどが、ところどころには理解できそうな部分もあったが、大部分は読みこなせない。これは経済学をきちんと学ばないとすべてを理解することは難しいのではないのかと感じた。
本書を読み、ケインズの「貨幣改革論」や「貨幣論」そして「一般理論」を名前だけではなく、きちんといずれは理解できるようになりたいと思った。 -
ちょうど日経新聞でケインズとハイエクを紹介した記事を読んだ後で見つけた本。
二人の経済理論の違いが簡単にまとめられていることを期待したが、気軽に読める本ではなかった。著作を解説しながら思想の変遷、対比を行っているのだが、正直消化不良。
しかし、興味をひかれる点が多々あったので、また再読したい。 -
経済学は詰まるところ、あらゆる経済主体がいかに将来を期待して過ごすことが出来るかに関する学問だと思う。そのための基盤をどう構築するか。経済を各論で語る人々は、その辺りが不十分に見える。
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要約を好む人は多い。「一言で言うと?」というのは慣用句。しかし事実は複雑で、くだくだとしたプロセスを追わなければ概略すら理解してとは言えない(せいぜい、知ったような気になるだけで、正しくもなければ利用も出来ない)。
本書ではケインズとハイエクの数十年にわたる思考の過程を追っていく。難しいが彼らの理解に一歩近づけたような気になる。
著者プロフィール
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