二つの「競争」―競争観をめぐる現代経済思想

  • 講談社 (2012年9月1日発売)
3.65
  • (5)
  • (8)
  • (3)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 93
感想 : 11
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062881746

みんなの感想まとめ

競争に関する多角的な視点を提供する本書は、経済思想の深層を探求する内容が特徴です。特に、コンペティションとエミュレーションの違いを明確にすることで、競争の本質を再考させられる点が印象的です。各章では、...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • コンペティションとエミュレーションの区別という視点は勉強になった。

  • 過労と国際競争力の議論はなぜ水掛け論になるのか

  • コンペティションは、負けないようにする競争観であるのにたいし、エミュレーションは、勝とうとする競争観である。負けないようにする競争観には、敗北によって自分自身を見つめなおし、競争の過程で見失っていたかもしれない自分自身、自己への関心を取り戻させる機能が含まれている。この競争観は、自分自身を見つめ直す契機として競争を捉えている。勝とうとする競争観は、勝利を得るための工夫・技術の思考を導くので、ひとつ誤れば、勝利を渇望するあまり、自分本来の領分を見失い、自己への配慮と関心を置き去りにしてしまうかもしれません。

  • 競争を巡る議論の錯綜の原因を、競争における「エミュレーション」と「コンペティション」の二側面の混同と捉え、アダム・スミスやその思想的背景となっているギリシア古典哲学の考えを踏まえて分析していく。説明が分かりやすく、参考文献も充実した良い新書。

  • 最近、評判が悪いという「競争」について、完全競争論の検討、アダム・スミスの再読、古代ギリシャ哲学での議論等をふまえて検討している。現代の経済学の分野では、競争観が複数あり、それが「負けないようする」競争観コンペティションと「勝とうとする」競争観エミュレーションだとしている。このあたりの議論での経済と哲学の間に橋を架けたいとの著者の熱意は、良く伝わってくる。コンペティションを新しい競争観としてお勧めのようだが、しかし、これを競争そのものを嫌っている日本人を治療するための処方箋にするには難しいだろう。

  • アダム・スミスの「道徳感情論」と「国富論」を参考に競争の概念について紐解いていく本。全体的に内容が非常に難解でほとんど理解できなかったため退屈であった。本書では上記2作品に出てくる競争という意味の単語である「エミュレーション(勝とうとする)」と「コンペティション(負けないようにする)」についてどうゆう意図で使い分けられているかを考察し、アダム・スミスの思考の変遷を説いた。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1962年、千葉県生まれ。経済学者。中央大学商学部教授。千葉大学人文学部卒業。京都大学大学院経済学研究科博士課程修了。著書に『二つの「戦争」ー競争観をめぐる現代経済思想』(講談社現代新書)、『市場経済学の源流ーマーシャル、ケインズ、ヒックス』(中公新書)、『コア・テキスト経済学史』(新世社)等多数。

「2017年 『「新しい働き方」の経済学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上義朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×