反教育論 猿の思考から超猿の思考へ (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 191
レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881951

作品紹介・あらすじ

「よい子」ほどダメになる。「好き嫌いは言わない」「秘密は持たない」「基礎は大切」「わがままはだめ」…こんな「常識」にとらわれていませんか。

感想・レビュー・書評

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  • 「普通がいいという病」の後に読んだ本。教育が作り出す思考停止人間の増産、隠し事が一切ない親子の気持ち悪さ。改めて言われてみると納得の内容。正しい子育ての危険性、良い子とはなんだろうか。考えるきっかけになった。再読後→自身の経験と合わせて読むと、悩み、考えることをやめるというのがどんなに恐ろしいことか、人は簡単に狂うのだということを実感した。何度でも読みたい。

  • 教育には弊害がある。好奇心に基づき自発的に行われるものは教育ではなく学習。学習には自ずと知的探究の喜びがある。教育は機械的、受動的作業。善/悪の二者択一(サル的な考え方)ではなく、「頭」と「心=身体」の二次元で考える。日本の学校は個人の育成よりも、集団生活のスキルを身につけさせる場。学生服、体操服、持ち物制限、時間割、朝礼での整列。まずは集団ありき。これはムラ的共同体の考え方に由来する。ムラ的共同体では個人や個性は認めない。いかに良きムラ人になるかを叩き込まれるだけ。

  • 教育は「自立し自ら学ぶ子を育てよう」という方針に従順に従うのは自ら学ぶ力など得ることができないという原理的矛盾に満ちている。

  • 教育のことを書いているようだが、どちらかというと
    『自立のすすめ』とでもいうほうがしっくりくる内容。
    内容は、『普通という病』と同様、とても興味深い。
    テーマが絞られているぶん、『普通という病』より読みやすいかもしれない。
    さまざまな本からの引用も内容に即しており納得感があり、
    また、医師でありながら、東洋的(?)な思考で
    話を進めているため、文系の人が読んでも腑に落ちやすい。
    オオカミの思考や帰納法の大切さや複雑系思考についてなど、
    すべては「心が主で、現象をあるがままに考える」ことにつながっている。

    なお、文中では人間を「サル」と「オオカミ」に断じすぎているきらいはあるが、
    それも著者の熱の表れだろうか。
    こちらもまた読み直したい一冊。

  • 教育に関してある程度前に向かって進んでいる子供には
    著者の言う方法でよいが
    そうではない子供にはほってはおけない
    著者はほっておいてもそのうちというが
    そのうちといっているうちに歳を取り
    ニートという大人になり物を学ばないまま
    という人の多いこと
    著者のように進めればさらに多くなる
    やはりそんな子供のためには熱心で、
    勉強の面白さ、良さを伝える指導者が必要だと思う

  • タイトルからして何とも挑発的だ。しかし、著者は教育学者というわけではなく精神科医である。
    あとがきにあった執筆に至った想いが興味深かった。
    精神科医として、抑うつ症状、パニック症状や離人症など、現代的な心の病の快復に取り組むなかで、悩みの質の変化を感じ、しつけや教育を根本から問い直すことが必要であると思い至ったという。

    内容的には、哲学的で難しく感じるところもあったが、興味深い示唆に満ちたものであると思う。
    それは、表層的な小手先の教育論ではなく、もっと深い部分の人間の本質を理解した学びが必要であるとしている。
    現代教育は意識的にか無意識的にか、次のような思考停止人間を育成しているとしている。「こういった場が目指しているのは、マニュアルを要領よく使いこなし、組織の有能な歯車になるような人間の育成である。」

    本書では、随所に引用文を用いている。
    過去にも同様の指摘や警告を行っている者がいたということであり、その危惧した状態が現実になってきているということでもある。
    これらの指摘を受け止め、どう行動していくか、すぐに答えが出るものではないが考え続けていく必要があると思う。

  • いまのいままでサル思考だったと想う。

  • 守破離の段階が必要
    教育は受けるがわが能動的でなければ意味がない
    猿的な知能より
    オオカミ的な知能を育む方がより大事
    知識をたくさん詰め込むより考える力本質を知る力が必要

  • 学校教育の欠陥をいろんな視点から指摘し、あるべき姿を提案したもの。言葉自体は語り尽くされたものが多いが、著者、音楽や演劇も手がける精神科医ということで着眼点がとてもユニーク。繰り返し読むごとに味わいが深まる。

  • 著者の考えには納得。そして引用が面白い。簡単に解釈できず、そこで”む?”っと一歩踏み込んで解釈することができる。 しかし、懐疑的に読んでみると著者の解釈に偏りを感じる。例えば、4章「正しい子育て」において、子どもは”すき間をなんとかする”ためにゲームにいそしむ。何もしないことへの罪悪感から、強迫的にすき間を埋めずにはいられないという解釈である。そうか?

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プロフィール

精神科医。東北大学医学部卒。東京医科歯科大学医学部附属病院、(財)神経研究所附属晴和病院、新宿サザンスクエアクリニック院長等を経て、1999年に渡仏し、パリ・エコールノルマル音楽院に留学。パリ日本人学校教育相談員もつとめた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京・広尾)院長。大学や短大、専門学校等での講義も行ってきたほか、現在は一般向けの啓蒙活動として、さまざまなセミナーや講座を開催している。また、作曲家や演出家としての活動も行っている。著書に『「普通がいい」という病』『反教育論』(ともに講談社現代新書)、『「私」を生きるための言葉』(研究社)など。最新刊に『仕事なんか生きがいにするな』(幻冬舎新書)。

「2017年 『あなたの人生が変わる対話術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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