反教育論 猿の思考から超猿の思考へ (講談社現代新書)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881951

感想・レビュー・書評

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  • 良書。眼から鱗。
    現代の暗記中心の教育を否定。考える、まずは疑うことから。
    確かに、納得できることが多い。すべて肯定はしないが。
    教育の大事なところをついていると思う。

  • だいたい、どこかで聞いたあるいは読んだことのある内容だった。
    けっこうおもしろく読めた。オオカミの話とか黄色い太陽の話とか。
    でもなんか腑に落ちない感じがする。
    たとえば、「私たちは、インチキにみちた世界に住んでいる」ということをわかってない大人が多いという指摘。
    ほんとに多いのかな?
    普通に生きてればインチキだらけの世の中だってことはわかるでしょ?ってのが僕の実感。そこに蓋をしている大人は多いと思うし、それがいいのか悪いのか僕にはジャッジできないが。
    読み進むにつれ、なんとなくよくあるタイプの特権的な自意識?が放つ胡散臭さが漂ってきた。
    でも、それでも読み進めたのは、フロム、鶴見俊輔らからの引用文に思考を促されたため。

  • 「頭」による「心」への強制や支配は、必ずや「心」の反発をまねくものである。と精神科の先生に言われると、納得してしまう。
    禁止が欲望を生むわけだからね・・・・。
    やっぱり、心だよ。心。心を育てないと始まらない。

  • 合理的にばっかり考えないで、もっと思うままわがままに生きればいいのさ。合理性に人間らしい感覚を身につけた、もう位置段階上の理性、それが超猿の思考なり。うつ病の話、遅れて来た思春期の話はあーそうかもって、思った。私もまだまだ吹っ切れない。
    2013/04/28読了。

  • 現代の教育が抱えている基本的な問題点を鋭くついていると感じる。それは余りに頭で考えた理屈、合理性、効率性、経済性を追い過ぎ、身体と心に根差した野性的・本能的な心(感情)を抑圧すべきものとしている点。
    最終的には、弁証法的に、前者のサル的思考と後者のオオカミ的思考を統合した超猿の思考を提唱しているのだが、それにしてはサル的思考の問題点ばかりを指摘しすぎているように感じられた。
    13-57

  • 子供の主体性についての考察が深まる。大人にとっての都合のいい「良い子」へと育てようとすることがいかに「自ら成長しようとする」力を破壊してしまうか。

  • 今の教育は、思考しない生徒・学生を作り出すのでよくありません、という趣旨のことが書かれています。
    学ぶ側の姿勢も問われている。

  • 自分で考えるということが出来なくなったと常日頃考えていた私にとってとてもよい本であった。
    私は世界に意味を見出せる日がくるだろうか。
    来るといいな。

  • オオカミの知性、サルの知性、守破離、弁証法、がキーワードでしょうか。ヒトのロジカルで無い面の重要さを説く一冊。

  • 考えることは人間の尊厳であるに留まらず、それなしにはおよそ人間と呼ぶに値しない存在、とパスカルは言っていた。

    考えることの第一の基本は懐疑的精神。本当にそうなのだろうか?と疑うこと。
    習うのではなく盗むという心構えで臨む。
    日本は昔から職人や芸能の世界において徒弟制という形で盗むことが学ぶことの本質だった。
    人間は意味を求め、意味なしには生きられない存在。

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著者プロフィール

泉谷 閑示(いずみや・かんじ)
精神科医、思想家、作曲家、演出家。
1962年秋田県生まれ。東北大学医学部卒業。パリ・エコールノルマル音楽院留学。同時にパリ日本人学校教育相談員を務めた。現在、精神療法を専門とする泉谷クリニック(東京/広尾)院長。
大学・企業・学会・地方自治体・カルチャーセンター等での講義、講演のほか、国内外のTV・ラジオやインターネットメディアにも多数出演。また、舞台演出や作曲家としての活動も行ない、CD「忘れられし歌 Ariettes Oubliées」(KING RECORDS)、横手市民歌等の作品がある。
著著としては、『「普通」がいいという病』『反教育論 ~猿の思考から超猿の思考へ』(講談社現代新書)、『あなたの人生が変わる対話術』(講談社+α文庫)、『仕事なんか生きがいにするな ~生きる意味を再び考える』『「うつ」の効用 ~生まれ直しの哲学』(幻冬舎新書)、『「私」を生きるための言葉 ~日本語と個人主義』(研究社)、『「心=身体」の声を聴く』(青灯社)、『思考力を磨くための音楽学』(yamaha music media)などがある。

「2022年 『なぜ生きる意味が感じられないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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