自分を愛する力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • レビュー :187
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062881982

作品紹介・あらすじ

なぜ僕は、生まれつき手足がないという障害を受けいれ、苦しむことなく、かつ明るく生きてくることができたのか――。

乙武さんがたどりついたのが「自己肯定感」という言葉。
「自分は大切な存在だ」と思う、この「自分を愛する力」について、息子として両親の愛に満ちた子育てを振り返り、教師として現代の親子が抱える問題を見つめ、父親として自らの子育てを初めて明かしながら考察していく。

感想・レビュー・書評

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  • テレビで見る乙武さんはいつも明るい。
    当たり前のことだけれど障害者であるという前に「乙武さん」なのである。
    その秘密がこの本で語られる。ご両親がそのままの乙武さんを受け入れ決して甘やかすことなく見守られたことが乙武さんをそのようにしたのだと思う。

    子供を信じて愛し、ひたすら見守る。
    当たり前のようでいて大変なそのことが子供を育てるのだと思う。

    私自身「自己肯定感」が低い方であるので
    生きていく上でその重要性を感じる。親となる人に読んでほしい本だと思う。

  • 最近乙武くんフェアが続いている。

    ひさびさにメディアで見かけることが多くなったときには、
    自身の小説が映画化されるタイミングだったようで、
    その頃から、ここ最近の近況を知ることなり、
    彼の活動に関心を持つようになった。
    ここ半年くらいのことかな。
    加えて先月観た「朝まで生テレビ」
    これも大きなきっかけだった。

    前後してtwitterでのつぶやきなどもあいまって、
    出版されたばかりのこちらも読んでみた。

    方々でよくお話されているであろう内容もわたしには多く、
    重複するところも多く感じたが、
    唯一読めてよかったと感じたのが、とりわけ奥様とのことについて。

    ベースは「自己肯定力」が高い乙武くんだが、
    お子さんの件で、迷い憂いている乙武くんの姿を、はじめて目の当たりにしたようにに思う。
    これが逆に、わたしにはとっても親近感が沸いた。
    多くは語らないし、それ以上は解りかねるが、奥様もやはり凛とした考えがある方のようにお見受けしたし、だからこそ不断の努力で日々支えている奥様はすごいと思う。さらにそのことに日々感謝していることを伝え続ける乙武くんの人柄に、また改めて脱帽している次第です。

    もともと持ってる教育感みたいなものも似ているからか、
    ほんとにすんなり読みきれる1冊。
    教育云々にかかわらず、読めるのでは。

    余談だが、なまじ年代が一緒なだけに、どうしても乙武くんと言ってしまう。
    これもまた親近感。

  • 自己肯定感があまりない人との接し方のヒントになるかなと思って、この本を購入しました。

    本の内容から、大人はある程度すでに作り上げられてしまっているので、子どもよりも自己肯定感を育んでいくのは難しそうだなと感じました。
    子どもが成長する過程に対して大事にしたいことのヒントになる本かなぁと。

  • 自分を愛するような子になるには、には親がいかに子供を認めていたかがポイント。

    でもこれが難しい。

    自分もそうだけど、親は子供のためと言いながら自分の考えを子供に押し付けようとする。
    これをしないで自由に育てることが必要と思いつつ、躾との境目に困るのが現状かなぁ。

  • 五体不満足で有名な乙武氏の著書。生まれつき手足がないという生きていく上で大きな大きなハンデを背負って生まれてきたにもかかわらず、それを自らの個性と受け入れ、その笑顔が全てを物語っているように明るく生き生きと人生を歩んでいる。
    乙武氏いはく、その秘密は「自己肯定感」であるという。この著書は、息子として、親として、教師として、の三章仕立てになっていて、それぞれの章において、乙武氏がどのようにして自己肯定感を育んできたのかという秘密を解き明かしていく。
    今、このタイミングで乙武氏の考え方に触れられたことは、私にとってとてもよかった。
    小学校低学年の長女、そして、もう間もなく小学校にあがる次女。姉妹共に、"親が身の回りのお世話をする"という段階を終えつつある今、改めて子育ての軸を考えるきっかけに。
    親として、娘たちが、"彼女達らしく生き生きと笑顔で生きて"さえいてくれればそれ以上のことはない。そのために必要な自己肯定感を親が与えてあげられるものであるなら、親として全力を尽くしたいとも思った。
    能動的に愛を伝えること、そして、ありのままの子どもを受け入れること。
    これからも子育てで戸惑ったり悩んだ時、ここに書かれていたことを思い出したいと思った。
    これから訪れるであろう反抗期も、ちょっとだけ楽しみに思えるようにもなった(笑)それが私にとって最大の収穫かも。

  • 乙武さんも凄いが、改めて、ご両親・近所の人・教師の方々凄いなぁ、と。

    「自分が生きていく上での優先順位」(出世街道にのせられそうになって、子育てを優先して断った父)
    「わざわざ会社で試しくれたんだよ。「実際に俺も履いて、そのおむつのママ用も足してみたけど、問題なかったから。だから、明日はヒロにこれをい穿かせてやってくれ」って。」(入試初日中にトイレに行けず、困っていた乙武さんのために父が)
    「自分でできることは、自分でやらせるようにしましょう。そのかわり、どうしても独りでできないことがあれば、皆で手伝ってあげてね」(障害のある乙武さんを同級生が助けてあげようとしていたのに先生が注意して)
    「自己肯定感」
    「障害があることは隠し用もなく、また改善しようもない。だからこそ、僕は早くから割り切ることができたのかもしれない。」

  • 乙武洋匡さんの新書「自分を愛する力」、および、映画「だいじょうぶ3組」を観る。両方のネタバレが含まれますので、ご注意ください。

    一般の方には、乙武さんの存在自体が「非日常」であり、「別世界」であろうと思う。 自分だって、病院や医療施設という枠の中でしか、彼らの存在を知ることはない。それでも、在宅に向けて必要なものを準備したり、キャンプなどを通して介護者の苦労や本人の日常的な困難を知ることもあり、これは貴重な体験になる。そもそも、人間は自分の理解できないものに関して不寛容になりがちであり、それは避けられないことだ。だからこそ、マイノリティーの困難を可視化する努力は続けられなければならない。

     障がい者の自叙伝や半生を振り返る話はこれまでにもあった。しかし、乙武さんのすごい所は、スポーツライターを経て、「教育」の現場へ飛び込んでいったことではないか?もちろん、彼自身が普通小学校で身を以て味わった挫折感や人との繋がりの尊さ、感謝の気持ちなどを次の世代に伝えたいということは、ごく自然な感情のように思う。自分に不可能な世界への憧れや、一流選手に対する興味・関心の強さが、若い時分の彼にスポーツライターという職業を選択させたのも事実だろうし、そのような彼自身の成長の延長線上に「教育」があっても何ら不思議ではない。
     映画の中でも、国分太一演じる白石が、「赤尾(乙武さんの役名)にしか伝えられないことがある」と言うように、彼の存在を生徒に対して「可視化」することは、生徒達にとって特別な体験となることは容易に想像できる。
     至る所で言われることだし新書の中でも書いてあることだが、今の日本の教育では初等教育から「画一性」を要求される。乙武自身は「教師が子供達一人ひとりの個性を大切にできていない。それは、そもそも教師自身に個性が認められておらず、画一的であることが求められている」からだと述べる。桜の下での授業のエピソードが象徴的である。「他の組の生徒が望むから、そういう行為は慎むべき」なのである。遠足の場所選びもそう。少数のために柔軟に対応するということが難しい場所が「学校」なのである。

     映画の中では、余貴美子演じる「校長」が素晴らしい。生真面目に、赤尾の勝手な行動を非難する安藤玉恵や田口トモロヲを軽くいなしながらも、ダメなものはダメという決定を下す。 しかし、本質的には赤尾の教師としての資質を深く認めているのだ。
     私は、今の教師がクラスの生徒に対して示すべき姿勢は、この校長のような態度ではないかと思う。

     では、どうすれば教師が「生徒」の資質を知ることができるのか?これが難しい問題だと思う。道徳の教育であったり、金子みすゞの詩から自分の長所と欠点を生徒に書かせる授業だったりというのは、根本で「自分を愛する力」を育てる授業なわけだが、一方で「教師が生徒のことを知る力」を気付かせてくれることにも繋がるのではないだろうか?理想論だが、教師は生徒のことをまず100%信頼すべきであると思う。理解は、そこからしか生まれないのではないか?子供は最初からひねくれてはいないはずだ。これは私の実感でもある。
     不定愁訴で外来を受診する子供を、適当に検査して「精神的なもの」と断じて、「もう来なくていいよ」という医師の姿が重なる。症状があるということは、原因はともあれ「不具合がある」ということだ。親が子供のことを理解していない、勝手な(間違った)理解をしている、学校側の姿が見えない、などのケースがあるわけだが、病院や医師、心理士だけで解決できるわけではない。
     新書の第三章で述べられるように、子の自己肯定感を育てるためには、親は子に「能動的な愛を伝えていく」ことに加えて、「ありのままの子供を受け入れる」という受動的な姿勢が必要である。この眼差しこそ、まさに「障害者当事者」の素直な気持ちだと思う。
     我が子の苦しみや葛藤よりも、世間の常識や価値観をやみくもに優先してしまう。「少数派」になることを極度に恐れている。これは鋭い視点だ。

     「偏見」は、ものすごく恐ろしいことだ。自分の一生を左右しかねない視点だと思う。 「世間を敵に回したって、嘲笑や冷ややかな視線を浴びたって、自分だけはこの子の味方でいる」という強い覚悟を持って初めて「ありのままの子供を受け入れることができる」という。
     この感情こそが、「だいじょうぶ」なのだろう。映画の中で、乙武がアップで「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と呟くシーンは観る者に感動と、「安心」を与えてくれるものだった。この映画は理想でしかなく、現実の教育現場はもっと複雑だ。でも複雑だからこそ、忘れがちなシンプルな感情を心がけるようにしたいと思う。

     最後に蛇足だが、出生前診断の議論について。議論することはいい。賛成派も反対派、もお互いがお互いの立場を理解しようとするものならば。しかし、議論する前にぜひ、この映画に登場する「ダウン症児の名演技」を見て欲しいと思う。

  • 私は自己肯定感を持たずに育ってしまった。

    所謂高学歴の家庭で育ち、美大に進みたいという思いは親の反対にあい、あきらめた。しかれたレールの上を歩んで生きてきてしまった。
    表面上は何不自由ないエリートコースを歩む幸せな人間に見えただろう。
    だがその中身は、自分で物事を決められず、深層心理で人に責任を押し付けてしまう弱い人間だった。

    そんな人間が挫折を味わうとどうなるか。結果は無惨なものだった。
    プライドとコンプレックスに苛まれ、人に望まれる自分であることを行動原理とする自分がいた。ひと度、望まれる自分でいられなくなると、他人からどう思われてしまうのか怖く、身動きがとれなくなってしまっていた。
    親が私を陥れようとしているのではないかという強迫観念さえ生まれていた。親が私の可能性を信じてくれないことが悲しかった。

    そんな自分が偶然こんな文言を目にした。

    「自分の人生は自分のもの。誰の指図も受けないし、自分でやったことの責任は自分でとる」

    それは啓示のようで、私は衝撃を受けた。
    こんな当たり前のことが、24歳になるまで理解できていなかったのだ。
    それから私は少しずつ変わろうとしている。
    父に自分の人生は自分で決めると(当たり前のことだが)宣言すると、父は言ってくれた。
    「お前のことは、どこに出しても恥ずかしくない立派な娘だと思っている。どんな道を進もうと、明るく生きてくれればそれでいい。」

    この「自分を愛する力」はそんな殻を破り始めた私を後押ししてくれる本だった。

    親は完璧な人間ではない。

    親に出来る事は子供が人生という道を進んでいくのを見守る事だ。
    時には支えが必要なこともあるだろう。
    子供が分岐に差し掛かった時は、手を添えるだけで十分だ。
    どちらかのベクトルに力をかけるようなことはしてはいけない。
    本当は4本の分岐なのに、子供には2本の道しか見えてないこともあるだろう。
    残りの2本を照らしてあげることは、いいだろう。
    だが、どの道を進むかは子供が決める事なのだ。

  • 「自己肯定感」がとても大切。
    子育てするうえでも、しっかり育んでいきたいと思った。

  • 2013年出版。つまり一連の不倫騒動前。
    「息子として」、「教師として」、「父親として」、そして精神科医と対談という構成。

    全編にわたって一貫してるのは『自己肯定感』。
    両親、特に母親が彼の全てを受け入れてくれる人だから、障害に負けず自己肯定感の強い大人に育ったのでしょう。

    案の定、Amazonレビューは荒れてるけど、彼の今後に期待したいところ。

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