明治国家をつくった人びと (講談社現代新書)

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  • 講談社 (2013年6月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784062882125

作品紹介・あらすじ

福沢諭吉宛の世界的大学者からの手紙、幕末の使節団がみたアメリカのデモクラシー、初代帝大総長がヨーロッパで接した知の精神――。伊藤博文、山県有朋、井上毅から旧幕臣知識人まで、この国のかたちを築いた骨太な指導者たちの幕末明治の文明受容の旅を辿りながら、彼らの思想と行動を読む。『本』好評連載、待望の新書化!


福沢諭吉宛の世界的大学者からの手紙、幕末の使節団がみたアメリカのデモクラシー、初代帝大総長がヨーロッパで接した知の精神――。
 伊藤博文、山県有朋、井上毅から旧幕臣知識人まで、この国のかたちを築いた骨太な指導者たちの幕末明治の文明受容の旅を辿りながら、彼らの思想と行動を読む。『本』好評連載、待望の新書化!

みんなの感想まとめ

幕末から明治にかけての日本の政治家や知識人たちが、どのようにして国の形を築いていったのかを描いた本書は、彼らの思想や行動を通じて、文明受容の旅を辿ります。福沢諭吉や伊藤博文、山県有朋といった歴史的人物...

感想・レビュー・書評

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  • 「明治国家の知られざるアーキテクト」
    https://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51942216.html

  • ・幕末の福沢諭吉、玉虫左太夫、ジョセフ・ヒコ等の欧米・ハワイ王国でのconstitution(国制)の感得。
    ・幕末・明治の伊藤博文等の国制の感得。シュタインは福沢の時事小言の国制・行政二元論を評価
    ・井上毅の天皇親政絶対論vs伊藤の「行政権ハ帝国内国ニ於イテ統一ス」
    ・「(天皇)は日本国をrepresent(表彰す)by伊藤~対外的表象であり、国民統合の象徴


    ・合衆国は、まずは合・衆国=連邦United States であり、合衆・国=共和国

  • ジュニア新書のような平易な題名に反して中身は専門的であり、政治史と思想史を架橋するような内容で読み応えがある。
    中でも、「法理」に殉じる井上と「情勢」に従う伊藤との対比が興味深い。井上毅こそ明治国家の真のデザイナーであるものの、伊藤博文によってある種骨抜きにされて良くも悪くも現実的かつ中途半端な内閣制度が出来上がってしまったが、この辺は両者の天皇観の違いによるものと言えるだろう。「政治は妥協のアートである」とも言われるが、伊藤はまさにそれを体現したとも言える。
    ただし、その結果として内閣も天皇も無力化し、それが軍部の暴走(≒昭和の悲劇)を生んだという因果関係に結びつけるのは少々飛躍も感じられ、詳細な検証が必要にも思える。

  • 【期待したもの】
    ・明治を語る時によく出てくる有名人だけではなく、あまり表に出てくることがないエリート官僚を描く、ということで期待した。確かに、あまり聞いたことがない名前が出てくるが、紙数が割かれていたのは、やはり有名人。

    【要約】
    ・明治政府における国家のグランドデザインは、やはり伊藤博文。明治天皇は伊藤の暗殺後、後を追うように、とまでは言わないまで、元気をなくしたまま崩御した。

    【ノート】
    ・ブーランジュ

    ・そう言えば、なぜわざわざ¥1,000円札のデザインは伊藤博文から変わったんだっけ?

  • 『本』連載。途中であきるな。
    『伊藤博文』の姉妹編。

  • 一家に一冊欲しい本(評価は別)
    明治国家が憲法に求めるものが
    まだわからないことばかり
    天皇の統治権の総覧を考える時
    また読もう

  • 憲法発布し、議会混乱するものの、天皇の倹約陶酔生活の甲斐もあって日清戦争に勝利した結果、日本に国民が誕生した。

  • 伊藤博文と井上毅の2天才によって今の日本の基礎ができた。本当にそう思う。

  • 「坂の上の雲」でもそうであったが、「明治」と言う時代は実に興味深い。
     この時代こそ、現代へと続く「日本」と言う国家の根幹を意図的に造った「創業の時代」であったことは間違いがないのだが、同時に昭和の「帝国の破綻」へと続く道であったし、現在でも「靖国」などで尾を引いている問題でもあるとも思う。
     そういう視点から「明治国家をつくった人々」がなにを考えていたのかをより知りたくて本書を手に取ってみたが、ちょっとがっかり。
     まず、内容以前に、論理構成や内容がかたく読みにくい。
     文章の内容や切り口も、総花的で思考がまとめにくい。また、多くの人々を取り上げすぎていて、関係性がわかりにくいと思えた。
     また、本書では当時の文書を「読み下し文」に書き改めて紹介しているが、あまり評価できないと思えた。
     歴史家の「松浦玲」や「荻原延壽」がよく原文を引用しているが、文書のニュアンスや交換相手との人間関係を知るにも「原文」のほうがはるかに勝っているし、「読み下し文]
    には「勝手読み」のリスクもある。
     「漢字原文」は良くできたもので、漢字を現在でも引き継いでいるわれわれには、たとえなじみのない「漢字原文」であろうとも、飽きずに読んでいるうちに大意はつかめるようになってくるのであるから不思議なものである。
     ともあれ、本書は、「テーマ」は興味深いものであるが内容全般には不満をもった。

  • 地元の図書館で読む。高杉の部分が興味深かった。読書人だったんですね。上海への旅は予想通りです。既に、状況は把握していた。

  • 伊藤博文に関する著書が多い瀧井一博さんの新書。
    対象としている人物が著名人だけではないのが面白い。

    福沢諭吉や伊藤博文までは明治本らしい。
    だが、渡辺洪基という帝国大学総長なんて、全く知らなかったが、その軌跡は独特で楽しめた。
    一方で加藤弘之というのは知らない上に、なぜこの人物を取り上げる必要があったのか最後までしっくりこなかった。

    あと、文書が少し難解。
    原文をそのまま引用するのは学者らしいが、論文ならいいが一般人向けの新書ではいかがなものか。
    それによって読みにくくなっている。

  • 江戸後期~明治期、海を渡った者たちがいた。
    彼らがみた西洋からどのような日本の国のかたちを描いたのかをテーマに江戸後期から幕末そして明治の頃、海を渡った者たちの記録である。

    やはり本書のメインは伊藤博文だろう。彼の功績は近代的君主制を形作ったことだ。
    哲学者の久野収が、近代天皇制を、天皇主権説という顕教と天皇機関説という密教からなるという近代天皇制の見解を提示し、そのような明治国家の仕組みを伊藤博文が作り上げた「芸術作品」と呼んだ。

    明治憲法を作った人は伊藤博文だということは有名だが、憲法の骨格を定め、起草作業の中心を担ったのは井上毅だといわれている。だから井上毅こそ明治国家のグランドデザイナーと言う評価がある。

    本のなかでは伊藤の思い描いていた国のかたちと井上毅の国家のグランドデザインはズレがあったことを史料をもとに読み解き、明らかにしている。勉強になる一冊。

  • 「明治国家」をつくりあげていった人たち、明治天皇、伊藤博文、井上毅などをはじめ官僚が学んだドイツやオーストリアの法学の先生…どうやって明治国家という枠組みが出来上がって、それを肉づけていったか。
    それを法学、憲法、教育、明六社などの組織を通じて描かれています。

  • この時代のリーダーは、どのように『国家』を創っていくべきかを考え抜き、そして行動に移していった。
    本著では、それらリーダーの思想、言動について具体的に触れられ、そこに映し出される鬼気迫る気概を肌に感じることができる。
    この当時の政治家の勉強量(読書量)は想像を絶する程であるし、考え抜く能力はとてつもなく高かったような気がする。

    一方で、伊藤博文もその一人だが、大いに楽天的なところもあって、心にゆとりが持てた時代でもあったのだろうか。
    (坂の上の雲の如く)

    登場する人物は政治家、官僚、学者、思想家、知識人など多岐に亘る。
    ただ、各々が重厚なキャラクターの持ち主であるが故、紙面の割き方が少なく消化不良になるかもしれない。

    著者の「伊藤博文-知の政治家」(中公新書)もお奨め。

    以下引用~
    ・高杉の上海訪問の意義のひとつは、彼の地で西欧の活字文化の洗礼を受けたこと。当時の上海は本の都だった。
    高杉は上海滞留中、さかんに書店を回り、書籍の購入にいそしんでいたのである。

    ・榎本・大鳥らの助命に動いた黒田清隆が岩倉に対して、アメリカでは南北戦争で敗れた南軍の将を赦免し、ともに建国に協力している。榎本らをいまだ獄中においていることがアメリカで問われた時、何と申し開きするのかと訴え、それを受けて彼らの釈放が実現したと伝えられる。

    ・山県(有朋)が古稀庵に所蔵していた蔵書の数は、一万冊をくだらなかったという。そのうちの少なからぬ書物に、傍線や書き込みが施され、山県による旺盛な勉強の跡が偲ばれることである。そこからは、伊藤(博文)と並び立つ「知の政治家」の姿が浮かび上がってくる。

    ・「井上毅伝」に収められた目もくらむほどの史料の山を前にすると、明治国制の確立のためにまさに粉骨砕身して身を捧げた一人の知識人の姿が浮かび上がってくる。岩倉にせよ伊藤にせよ山県にせよ、明治の政治家たちはみなこの比類なき知性の働きに支えられて、自らの政治構想を立案し実地に移すことができたのである。
    彼が目指していたのは、ドイツの歴史法学に則って日本旧来の儒教的道徳を再生させることにあったと見なし得る。法や行政という西洋的概念は、仁という東洋的価値によって解釈替えさせなければならなかったのである。

    ・陸奥宗光は、故国を遠く離れた異郷で、憑かれたように勉学にいそしんでいた。ベルリンから発した書簡には、毎日10時間も机に向かっているとの消息が綴られている。そのような陸奥の姿は、鬼気迫るものとして傍らにいる者を威圧した。

    ・かつて久野収氏は、近代日本の天皇制を、天皇主権説という顕教と天皇機関説という密教からなるという今日なお引き合いにだされる見解を提示し、そのようにしてできあがった明治国家の体制を伊藤博文の「芸術作品」と呼んだ。

  • 明治国家の枠組み、帝国憲法をつくった人々のはなし。西洋文化の洗礼に度肝を抜かれる人たちが居る一方、明らかに上から目線で馬鹿にしている村垣範正のような人が居たのが面白い。いい加減なお世辞で喜ぶ米婦人方を見てのコメント、「愚直の性質なるべし」が笑える。西洋人のことを「欲深き人種」と称した久米邦武が現代日本人を見たら、なんと言うだろう。司馬遼太郎の世界では、パシリのような伊藤博文が、ここでは国家の設計者で、天皇さえも操れる大政治家。憲法発布式に望む明治帝のものすごい意気込み。睦奥宗光の執念。先人の偉業に感謝。

  • 原文引用が当時のカタカナ文で少し読みにくい。歴史書の一種。
     実働部隊については人柄を含めて詳しく書かれているが、「世界中に使節団を送り、学び、取り入れ、変革を行った真のリーダーは誰か?」は明らかにされていない。

  • 幕末を生きる人々が西洋国家、文明に驚嘆しこれからの国づくりに参考したか。帝国憲法を制定するにいろんな葛藤があったかがわかります。近現代史には疎いのでちょっと理解できない部分もありましたが、幕政を終えゼロから国を作るという執念が伝わってきて、もっと知りたいと感じました。

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著者プロフィール

瀧井 一博(たきい・かずひろ):1967年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。専門は法制史(国制史、比較法史)。国際日本文化研究センター教授。著書『伊藤博文』(中公新書)、『明治国家をつくった人びと』(講談社現代新書)、『「明治」という遺産』(ミネルヴァ書房)、『大久保利通』(新潮選書)、『明治史講義【グローバル研究篇】』(編著、ちくま新書)など。

「2023年 『増補 文明史のなかの明治憲法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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