会社を変える分析の力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 132
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882187

作品紹介・あらすじ

いまやビジネスの世界では、「データ分析が競争を制す」と言われる時代。
そのために必要なのが「データ分析」。
データ分析は、たしかに使いようによっては、仕事の効率化、売上大幅アップなど、企業を変革するくらいのインパクトを持つ。
しかしその一方で、高い分析ソフトを買ったものの、宝の持ち腐れで終わっているという会社も少なくない。
また、いくら分析の得意な人間を増やしてもそれだけで実績が上がるわけでもない。
では、分析力を武器にできる会社は何が違うのか?
また分析力を武器にできる個人は何が違うのか?  
第一人者が丁寧にその違いを解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 分析とは、なにか?
    データから、現場が困っていることを改善する傾向を探り出し、現場の人たちの行動を変えて、成果に導くこと。あるいは、経営判断の一助になること。
    現場の困りごとをよく確認し、現場が持っている経験と勘と度胸を聞き出すことも大切だ。前提や扱うデータが的外れでは、どんなに分析しても意味がない。
    分析の価値は、「意思決定への寄与度」掛ける「意思決定の重要性」と定義している。
    分析をすることで、ビジネス上でどんな成果が期待できるのかを意識できないといけない。
    本書で、データ分析のプロフェッショナルがどんな人材なのかが学べる。

  • データ分析についての本ですが、システム開発の話としても読めるので、SEにとっても読みがいのある本かと思います。

    ◆内容は、タイトルのイメージよりもGOOD◆

    私が最初にこの本のタイトルを見たときは、
    「分析ってすごいんですよ☆ あなたのビジネスにも分析を取り入れるべきです!」
    みたいなメッセージが書かれているの本だとイメージしてしまいました。

    でも、実際にはどういう状況でデータ分析が使えて、どういう状況で使えないのか、
    データ分析を有効にするにはどういう条件が必要かを、専門家の知見を踏まえて中立的に書いてある本でした。

    ◆システム開発にも当てはまる◆

    この本の話は、データ分析という仕事に限らず、システム開発にも当てはまる話でした。
    以下の読み替えをすれば、もうそのままシステム開発の話になるじゃないかと。

    「分析」           ⇒ 「システム開発」
    「意思決定に役立つ」  ⇒ 「経営目標の実現に役立つ」
    「ビジネス担当者」    ⇒ 「開発依頼者」
    「分析モデル」「数字」  ⇒ 「自分が開発したシステム」

    ◆耳が痛い話◆

    データ分析者たる者、常に以下の4つの問いを自問するべきだと本書には書いてあります。

    1.その数字にどこまで責任を取れるか?
    2.その数字から何がわかったか?
    3.意思決定にどのように使えるのか?
    4.ビジネスにどのくらい役に立ったか?

    システム開発に置き換えるなら・・・

    1.そのシステムにどこまで責任を取れるか?
    2.その何をシステム化できたか?
    3.現場でどのように使えるのか?
    4.ビジネスにどのくらい役に立ったか?


    4つの問いすべてにきちんと答えられることが、よきデータ分析者の条件、というところは納得なのですが、
    耳が痛かったのは、「4つの問にきちんと答えられない人の中で、一番有害なのはどのタイプか」という話です。

    著者によれば、「2と3には答えられるけど、1と4に答えられない人」だそうです。(「無責任アナリストタイプ」と呼ばれる)
    1には答えらえるけど、2~4に答えられない人は、あまり役には立たないけど、無責任アナリストほど有害ではないのだと。

    ◆感想◆

    本書は「分析は正しくできても、ビジネスマインドを持ち合わせてなければだめだ!」というメッセージが強くて、
    逆のメッセージが明示的に書かれている箇所は少なかったです。

    おそらく日本には、「分析(≒システム開発)は正しくできるけど、ビジネスマインドを持ち合わせてなくて残念」
    というタイプの人が多いということが、暗に前提されているのだと思います。

    でも、上記の耳の痛い話からすると、
    「中途半端なビジネスマインドを持っていて、そのくせ自分の分析(≒システム開発)に責任を持てない輩は最も有害」 なんですよね。

    つまり、もとより中途半端なビジネスマインドを持っている私のような人間は、
    そうでない人よりも、有害人間に近いのだということです(><。)くっ・・・。

    そうならないためには、やっぱりちゃんとした技術や、正しい知識を持っておかないといけないし、
    常に誠実に、それらを駆使して仕事に向き合っていかないといけない。

    それも、人一倍。

    そんな決意を新たにしてくれた本でした。

  • 大阪ガスにてデータ分析をやられてる方の新書。
    本書では、分析者は分析だけに偏るのではなく、意志決定につかえる分析を行うべきという論点かかれている。
    昨今、ビックデータがよくキーワードとしていわれるが、本質的になぜ分析するのかをよく語っている一冊である。

  • 分析の本というよりも本質の話。

    その分析、そのシステムを作った結果、何が生まれたのか、まで着目することをフォーカスした本。

    それ以外の学びは特になし

  • 想定した内容と違った。データ分析の心構えに終始していて、あまり参考にならないし、結構当たり前なことを言っているので読んでいて面白くない。実務でデータサイエンティストをやってる人には、ふむふむと思う部分があるのかもしれないが。

  • どれだけたくさんデータを収集して数値計算をしても、問題解明につながらなければそれはデータ分析とは呼べない。ただの数字遊びだ。分析の価値=意思決定への寄与度×意思決定の重要性。昔からの勘と経験と度胸(KKD)に基づく判断を「分析」に置き換えるのは心理的な壁。ビッグデータは打ち出の小槌でなく未開の土地。明確な目的なしでは彷徨い続けるだけ。分析スペシャリストと分析プロフェッショナルの違いは成果指向か否か。

  • ビックデータの時代である。インターネットが日常不可欠のインフラとなり、IoTによりすべての機器がネットにつながる。コンビニではPOSで顧客情報を収集し、amazonを初めとするネット通販は増える一方だ。膨大な情報量のデータがネットに溢れる。そんな時代に「データアナリスト」なる職業が脚光を浴びている。著者は、このデータアナリストであり、大阪ガスの情報通信部ビジネスアナリシスセンターの所長だ。大阪ガスに限らず、大きな企業にはデータ分析を担当する専任部署を設けている会社も多いようだ。

    大阪ガスという巨大企業で一貫してデータ分析を行う部署で働いてきた著者には、「データ分析が実際のビジネスにどう活かされたか」という視点が強くある。著者の言葉を借りると「データ分析に関する哲学」のようなものを体系化してまとめたものが本書だそうだ。

    なるほど、著者がデータ分析を行う際に自問自答することにも、その哲学が垣間見える。
    1.その数字にどこまで責任を取れるか?
    2.その数字から何がわかったか?
    3.意思決定にどのように使えるのか?
    4.ビジネスにどれくらい役に立ったか?

    データ分析を担う間接部門で仕事をしてきたからこそ、企業活動における意思決定に、どのように活用されたかを強く意識するのだろう。

    こんな感じの本書なので、どちらかというと、データ分析における「心掛け」や「陥りやすい罠」の部分が多いかなと思う。

    技術面でボクがなるほどと思った部分は、「ビックデータの本質」についてだ。著者によると、データ量が増えただけではビックデータ旋風(ビックデータによるイノベーション)は説明できないという。単純にデータ量が増えるだけなら、分析精度は向上するかもしれないが、イノベーションにはならない。喩えるなら、包丁の切れ味がよくなるくらいでは、料理はスムーズにできても、斬新でイノベーティブな料理は生まれないことと同じ。著者はこの疑問が解けずに悶々としていたが、手にした一冊の本が疑問を解消してくれたそうだ。

    『Big Data:A Revolution That Will Transform How We Live, Work, And Think』にはこう書いてある。「ビックデータの本質は、部分計測から全体計測への移行」だと。「部分計測から全体計測」になると、「因果関係から相関関係への追及」に変わるという。従来は、大量のデータを扱えなかったので、母集団の一部をサンプリングして全体を統計的に推定していたが、ビックデータを扱う現代は、母集団全てを計測できる。つまり、対象とする母集団の一部ではなくて、100%母集団を扱えている。従来は、部分を計測することで、全体の減少を支配する普遍的な法則(因果関係)を見出し、部分から全体の減少を理解しようとしたが、ビックデータの時代は、母集団すべてを扱うので、部分から全体を理解する必要はない。扱っているものが全体であるため、部分から全体を推定する必要はない。つまり、ビックデータ=対象とする世界そのものなのだ。この場合、相関関係が

  • プロフェッショナルとは成果を報酬に変えることができる人材。
    分析プロフェッショナルの最低条件は「課題発見力」と「仮説力」の強さ。
    そのプロフェッショナルが導く分析結果が意思決定に影響を与えることができるがが重要。
    分析の価値=意思決定への寄与度×意思決定の重要性

  • 分析の手法ではなく、「そもそも分析とはビジネスの意思決定に役に立てるためにするもの」という概念の部分を説明し、そのためにはどういった考え方をして、どんな力を身につけるべきかが説かれている。

    「こんなデータ分析は役に立つのでは」ではなく、「ビジネス(意思決定)をこのように変えてはどうか」という発想で考え、その意思決定に使えるようにデータ分析する。

    データ分析をする時に自問自答すべき4つの問い
    1.その数字にどこまで責任を取れるか?
    2.その数字から何がわかったか?
    3.意思決定にどのように使えるのか?
    4.ビジネスにどのくらい役に立ったか?

    データをとって、計算式を導き出し、「面白いデータがとれました。」で終わっていては駄目で、「データは共有したのに現場は全く活かそうとしない。」こんなことを言っているのももちろん駄目。データをとって分析する力があるのなら、ビジネスの意思決定に役立つように動かなければならないなと思った。

    データ分析の業務に取り組む前にぜひ一読して4つの問いを常に意識するようにしていたい。
    なお、分析手法は載っていないので、手法が知りたい場合は別の本も参照すべき。ただし、手法はあくまで手法なので、本書にある通り、ビジネスの意思決定に役立てるという意識を持って、手法の取捨選択や共有方法などを選ぶようにしたいと思う。大変勉強になった。

  • 最近の雑誌紹介で購入したが、ちょっと古かった。入門書ではある。

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著者プロフィール

大阪ガス情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長。京都大学工学部数理工学科を卒業し、同大学大学院工学研究科応用システム科学専攻修了後、1991年に大阪ガス入社。2005年、大阪大学にて博士号(工学)を取得。この間、米国ローレンスバークレー国立研究所の客員研究員としてエネルギー消費データ分析に携わるなどの経験がある。2013年、「第1回 データサイエンティスト・オブ・ザ・イヤー」(日経情報ストラテジー)を受賞。著書に『会社を変える分析の力』(講談社現代新書)

「2014年 『真実を見抜く分析力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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