宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2013年9月18日発売)
3.94
  • (27)
  • (32)
  • (24)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 320
感想 : 33
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784062882262

作品紹介・あらすじ

宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を医学に結びつけることで、生命の本質に迫ろうとする、意欲作です。(講談社現代新書)


宇宙生物学とは、地球に限定せず、宇宙全体の広い視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれています。本書は、この宇宙生物学の研究成果を医学に結びつけることで、生命の本質に迫ろうとする、意欲作です。一見すると、何の接点もないように見える宇宙生物学と医学ですが、実は両者は深い関係があり、宇宙生物学のアプローチによって、従来の医学では説明がつかなかった、さまざまな人体の謎が解明されつつあります。著者の吉田たかよし氏は、東京大学で宇宙生物学の研究に携わった後、医学部に再入学し、医師になった多芸多才の持ち主です。こうしたバックグラウンを持つ著者だからこそ書ける作品です。

第1章 人間は月とナトリウムの奇跡で誕生した
第2章 炭素以外で生命を作ることはできるのか?
第3章 宇宙生物学最大の謎 アミノ酸の起源を追う
第4章 地球外生命がいるかどうかは、リン次第
第5章 毒ガス「酸素」なしには生きられない 生物のジレンマ
第6章 癌細胞 vs.正常細胞 「酸素」をめぐる攻防
第7章 鉄をめぐる人体と病原菌との壮絶な闘い

みんなの感想まとめ

宇宙生物学と医学の融合を通じて、人体の不思議や生命の本質に迫る本書は、驚きの知識が満載です。著者は化学的視点から、酸素の役割や月の引力が生命に与える影響など、普段の生活では考えないようなテーマをわかり...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人はなぜ酸素を吸って二酸化炭素を吐くの??小学生でも一度は抱いたことのあるヒトにまつわる疑問に著者のたかよし先生は化学の知識を用いて、化学に詳しくない人でも読みやすい、スッキリとした説明が印象的だった。中学生でもわかる知識を駆使して、なるほど!という説明を連発し、人体に関わる謎が腑に落ちた。自分の体内で起こる様々な化学反応に思いを馳せて、過ごしていきたいと感じた。

  • 吉田たかよしに説得力があるのは最後の部分である。栄養素の分子構造と人体にかかる負荷の関係性を明らかにしている。
    https://sessendo.hatenablog.jp/entry/2023/11/12/035233

  • 満潮時に出産が増えるだとか、満月の夜は事故が増えるだとか、
    人間と自然の関係については、まことしやかな噂が多い。
    それらの真偽のほどは定かではないが、生命と自然や宇宙との繋がりが、
    これほど深いものだったとは驚きだ。

    原始の塩酸を大量に含んでいた海水が
    塩水に変わったのは、月の引力のおかげだったとか、
    老化や発癌は細胞の酸化の影響が大きいが、
    それはもともと地球には酸素がなかった為、人間の細胞は本来酸素が苦手である等々、
    宇宙生物学の研究成果から浮き彫りにされた、
    目からウロコのトピックが満載の良書である。
    生命体が宇宙の神秘的なメカニズムから生まれ、
    私たちの体内に、宇宙が今も息づいていることがよく解る。

  • 第1章の月の話、天体としてばかりでなく人間の体に密接に関連している由.知らなかった.それから第7章の鉄と病気の関連も興味ふかい話だった.さらにアミノ酸、リン、酸素などの話も意外な事実が出てきて、非常に面白く読めた.

  •  「宇宙生物学」とは耳慣れない学問ジャンルですね。
     『宇宙生物』までをひとかたまりで捉えると、「宇宙生命体」や「宇宙人」とかを扱う学問のようにも思えますが、そうではありません。宇宙生物学とは、宇宙的視野で生命の成り立ちや起源を解明する学問で、アストロバイオロジーとも呼ばれているのだそうです。
     本書において著者は、この宇宙生物学の観点から、ナトリウム・リン・酸素・鉄といった様々な元素が生命の発生や維持に果たしている役割を分かりやすい言葉で解説していきます。
     「人間は月とナトリウムの奇跡で誕生した」「地球外生命がいるかどうかは、リン次第」「毒ガス「酸素」なしには生きられない 生物のジレンマ 」「鉄をめぐる人体と病原菌との壮絶な闘い」等々、「章立て」のタイトルを辿るだけでもワクワクしますね。
     切り口が斬新で刺激的、私にとってはとても興味深い内容の著作でした。

  • 文系脳の自分には難しかった。よく分からない化学式はほぼ読み飛ばしてしまった。

  • 炭素以外の元素で生物が可能なのかを知りたかったので読んでみたが、残念ながら珪素生物はいないようだ。
    他にもアミノ酸、リン、酸素、鉄などの元素と生命との関係がわかりやすく、違う角度からの生物論が読めてよかった。

  • 読んだきっかけ:もし地球外生命体がいたとして、それも炭素骨格からなり、DNAを持つものなのか気になったから
    感想:めっちゃ頑張れば俺でも書けそう

  • p.170 地球上の生物は、激しい鉄の奪い合い競争を広げている。
    p.171-172 感染症の予防を防ぐため、あえて鉄不足になっている。「鉄・差し控え戦略」

  • 宇宙生物学と医学を結ぶ著者による新書三冊目。高校(中学?)化学で挫折した自分の不勉強を痛感している

  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB13442851

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】


    【要約】


    【ノート】

  • 宇宙という視点から見たときの人間を含めた生物とは、という何度読んでも飽きない主題で書かれた一冊。

    話題豊富で「つつがなきや」の語源から、鳥のフンでできた島まで、宇宙生物学から離れた話もけっこう多いような気もするものの、とても読みやすく書かれていて、しかもわかりやすい。

    よくある内容ではあるのだけど、よくまとまっていて、読み物としてもおもしろい。

  • 図書館で適当に選んで借りた本だったけれど、とても面白かったので改めて購入しました。
    平易な文章でとてもわかりやすかったです。

  • おもしろかった。
    特に「生命は本来酸素が嫌い」というところが興味深かった。

    • wrckamenosukeさん
      酸素があっても普通に生きてるのにね
      酸素があっても普通に生きてるのにね
      2018/03/05
  • 宇宙と元素と人体の関わり。切り口は面白いが、現実と遠い元素の世界と人体という身近な空間を接着するには、説得力が足りない。『月が遠ざかったから多細胞生物が生まれた』とか『ケイ素は液体に溶けないからケイ素生命体は存在しない』とか『鉄分は細菌が欲するので、体内に豊富にあると病気にかかりやすくなる』とか論理の飛躍が多く、「まぁそう言えるかもしれないな」とは思うが、「そうだったんだ!」という気付きには届かない。もう一歩、もう一味欲しい一冊。

  • 貧血で細菌感染を防いでいるなんて驚いた。だからって瀉血するのはやだけど。

    「善玉コレステロールが多すぎる」ってある人が医者から言われたと言ってたけど、何が悪いのか分からなかった。
    つまり全身から肝臓に運ぶ量が多くなりすぎるのか。肝臓に負担がかかるのかな?

    著者の言葉遣いの丁寧さと、分かりやすい例(室伏のハンマーとかレゴとか)のおかげで宇宙が身近に感じられた。今まであまり宇宙には興味なかった人でも、健康とか生物学に興味ある人ならば普段とは違った視点から楽しく読めると思う。
    今度はアイザックアシモフの『もの言う石』とかいうの読んでみたい。


    >癌で死亡する理由も 宇宙生物学によって説明がつきます 。火星や金星とともに岩石型惑星として誕生した地球の大気には 、もともと酸素は含まれておらず 、私たちの祖先は酸素がないことを前提に誕生しました 。そのため 、私たちの細胞は酸素の毒性に脆弱で 、これが発癌に深く関わっているということがわかってきたのです 。

    >生命にとって 、酸素は原発に似ている ! /癌と酸素の深い関係 /活性酸素と癌 /癌予防は抗酸化成分で /人間だって日光に当たったほうがいい /運動は健康に良くない ?

    >貧血は細菌から身を守る高度な防御機能だった ? /地球は鉄の塊 /生命に鉄が不可欠な理由

  • 地球の成立ちが生物にどのような影響を与えているか、いくつかのトピックで語る。
    形成当初空気に酸素が少なく、地殻は鉄分が多い。ここから嫌気性生物が当初の生命体となった。一方酸素は反応生が高く、酸化しやすくそのままでは存在しにくい(二酸化炭素、エアーズロックの酸化した大地)が、結合/分解する際のエネルギーが大きいため単細胞のみの嫌気性生物が多細胞生物になるためには酸素を利用できる好気性生物になる必要があった。動物はミトコンドリア、植物はシアノバクテリアと共生して、酸素エネルギーを有効活用することに成功した。
    鉄は豊富なミネラルなので、体の至る所に利用されているが、一方細菌やウィルスとかにも利用されるため、人間はあえて貧血になることで対抗しようとした。そのためアフリカなどで慢性貧血の部族に鉄剤を飲ませたところ病気が蔓延したことがある。
    月はジャイアントインパクトで地球から分離したため過去は地球に近く(現在の1/12)潮汐力も非常に強かった。このため地殻が削られ鉄などのミネラルが地表に出て来た。今でも月は3.5cm/年ずつ地球から遠ざかっている。月がなければ地軸は木星の重力の影響を受けて今のような四季がちょうどある角度ではなく、灼熱と評決の星だった。

  • 地球の組成と人間の健康にこんなにも関連性が
    あったなんて。人間や生物、植物も地球の一部で
    あることを実感しました。

  • 何億年っていうオーダーで見ると、人体のバランスってダイナミックで、情報的には一番大きな宇宙が人体かもね。
    人体に関係する主要元素が地球の成り立ちとどのように繋がっているのかがわかって、凄くいい本でした。

全26件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

医学博士・心療内科医師。本郷赤門前クリニック院長。新宿ストレスクリニック顧問。1964年生まれ。灘高校、東京大学卒業。東京大学大学院医学博士課程を修了。現在、脳科学とメンタル医学を活用した診療に携わる一方、TV・ラジオ・雑誌・WEBなどメディアに多数出演中。

「2019年 『「ついつい先送りしてしまう」がなくなる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉田たかよしの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×