- 講談社 (2013年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784062882279
作品紹介・あらすじ
2013年8月、アメリカを代表する高級紙であるワシントン・ポスト紙が、アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏に買収されたことは、大きな驚きをもって全世界に伝えられた。だが、アメリカのメディア界では近年、このニュースに象徴されるような激変が起こり続けている。激動のアメリカ・メディアの世界を、ボーン・上田賞受賞記者が丹念な取材から浮き彫りにする。(講談社現代新書)
2013年8月、アメリカを代表する高級紙であるワシントン・ポスト紙が、
アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾス氏に買収されたことは、大きな驚きをもって全世界に伝えられた。
だが、アメリカのメディア界では近年、とくに2008年のリーマン・ショック以降、このニュースに象徴されるような激変が起こり続けている。
ワシントン・ポストのライバル、ニューヨーク・ポストの大規模リストラと、ウェブ有料化の成功、
老舗の新聞社が新聞発行をあきらめ、オンライン専門のニュースサイトへの転換、
地方紙連合による記事共有化、
調査報道専門のNPOメディア・プロパブリカが、米報道界最高の名誉であるピュリツァー賞受賞するなど、NPOメディアの台頭、大学との連携。
そして報道のやり方の変化。
そんな激動のアメリカ・メディアの世界を、ボーン・上田賞受賞記者が丹念な取材から浮き彫りにする。
ニュースを伝えるのは誰なのか? これからの報道を誰が担っていくのか?
これは日本の近未来の姿なのか……。
みんなの感想まとめ
激動するアメリカのメディア界を深く掘り下げたこの作品は、リーマン・ショック以降の新聞業界の変革を丹念に描いています。著者は、ジャーナリズムの未来に対する強い問題意識を持ち、変化に前向きに対応しながらも...
感想・レビュー・書評
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講談社現代新書
アメリカ・メディア・ウォーズ
ジャーナリズムの現在地
著:大治 朋子
出版社:講談社
ここでいう、メディアとは新聞のことをいう
インターネットの普及による購読者減と、リーマンショック後の広告料の激減により、米新聞業界は不況に陥っている。業界再編の苦悩と、新聞社が自らを変革していく様を書いたのが本書です。
新聞は、世界的に日本の独壇場だ、購読部数 1位:読売、2位:朝日、3位:ザ・タイムズ・オブ・インディア、4位:毎日、5位:日経
それに対して、ウォールストリート 9位、ニューヨーク・タイムス39位である。
良質なコンテンツをもたず、特徴のない新聞は淘汰されていく
新聞屋vsGAFAM(テクノロジー系企業)の戦いである
生き残りの戦いとしては、大手よりも、むしろ、地方紙のほうが、特徴を出しやすい
それにその地域は1つか、2つしか地元紙がいないし、販売網もかぎられている。
・現在の主流は、ハイブリット報道といわれる、紙とオンラインによる融合報道だ。
・広告料、購読料が、激変するなか、新聞社は、新しい収入源をもとめて、攻めの作業を行うとともに、経費節減のために、守りの作業、①人員整理、②賃金カット、③取材体制の縮小をはかっていく
攻めの作業とは、
①オンライン購読の有料化
②データベースとしてのコンテンツの提供
③オンライン講座の開催
などである。
一般的なニュースは無料だが、専門性の高いものを有料にする
XやFaceBookの記事は無料で購読できる余地を残しておく
紙の購読者には、オンライン購読を無料にする
便利な検索ができるので、オンラインの契約に入っている というわけだ
守りの作業とは、上記の①、②、③の他に、M&Aとして自らを売却すること
・高いAP通信に利用料をはらうよりも、地元の新聞が連携して相互に融通を行うこと
・ワシントン・ポスト紙は、堅調な経営にもかかわらず、その売却先をアマゾンの創業者ベゾスを選んだ。
紙もオンラインにも知悉している彼にその行く先を托したのであった。
いずれにしろ、紙の新聞業は、今後も、デジタル化の嵐に呑み込まれていくであろう
目次
はじめに
第1章 岐路に立つ米新聞業界
第2章 ニュースはタダか
第3章 ハイパー・ローカル戦略は生き残りのキーワードか
第4章 NPO化するメディア
第5章 調査報道は衰退するのか
おわりに
ISBN:9784062882279
判型:新書
ページ数:261ページ
定価:780円(本体)
2013年09月20日第1刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【アメリカのジャーナリストの少なからずが、「自分の信じる道を好きなように進みたい」と願うのに対し、日本人記者の私自身はもっと安全で、計算された旅を好んではいないか】(文中より引用)
リーマン・ショックに伴う不景気、そしてインターネット・メディアの台頭といった荒波をかぶりにかぶった米新聞業界。急速に進むジャーナリズムの変革の様子を取材した作品です。著者は、2010年度にボーン・上田記念国際記者賞を受賞した大治朋子。
著者自身が自分のこととしてジャーナリズムの行く末に問題意識を抱えているためか、焦点が極めて明確かつ掘り下げが十分になされている一冊でした。変化にあくまで前向きに対応すると同時に、「ジャーナリズムとは」という本質を明確にしたプレイヤーが生き残り続けているのかなとも感じました。
たしかに米メディアの多様な選択肢には驚かされます☆5つ -
【由来】
・図書館の新書アラート
【要約】
アメリカでもWebによる影響でメディア再編が進んでいる。地方や中小のメディアカンパニー(主に新聞社)が淘汰されてゆく大きな流れの中で、それでも「ジャーナリズム」の使命を志向する記者たちが、Webを活用したり、記事の相互運用などの連携を取ったり、ローカル密着志向路線を色濃く打ち出したりして、新しい存在意義を創りだしている。
【ノート】
・全般的には、アメリカで頑張っているジャーナリズムに対する賛歌的なトーンが強い。NPOも頑張っており、その活動を支えるアメリカの寄付文化がもっと日本にも根付けばいいのにという見解も示されており、個人的には強く同感。うちの事務所も、いつでも寄付を募っております(笑)。
・だが、「(株)貧困大国アメリカ」を読んだ後では、本書で描かれているようなジャーナリズムがどこまで有効なのかという気持ちになってしまう。草の根的な地元新聞社や報道系NPOが頑張ったとしても、地元から消えていく農業や、工業化していく酪農業、金融商品化する刑務所産業(!)への警鐘を鳴らすということは可能なのだろうか。 -
アメリカと日本の新聞社の違い。不景気の影響度も異なる。生き残りをかけて。
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「ウォール・ストリート・ジャーナル」がメディア王、ルパード・マー
ドックに買収された時も衝撃だったが、2013年に「ワシントン・
ポスト」がアマゾン・ドット・コムの創業者にしてCEOのジェフ・
ベゾスに売却されたとのニュースもかなりの衝撃だった。
そして、今年になって中国人実業家が「ニューヨークタイムズ」
の買収に関心をしているとの報道があった。
新聞の危機が言われて久しい。近年だけの話ではなく、ラジオや
テレビ、インターネットと新たなメディアが登場する度に新聞は
危機に晒されて来た。
新聞は、いや、報道は生き残れるのか。毎日新聞ワシントン支局
員だった著者が、アメリカのメディアの変遷を綿密に追ったのが
本書である。
インターネットに接続出来る端末があれば、いつでもどこでも
ニュースを見ることは可能だ。だったら、紙の新聞は衰退する
だけではないのか。
だが、新聞社も新たな戦略を考える。より地域に密着した情報を
報道する新聞もあれば、インターネットとの共存を考える新聞社
もある。経費のかかる調査報道を外部委託するという方法もある
し、同じ州の複数の新聞社が記事を共有することも出来る。
興味深かったのはNPOの話だ。日本とアメリカでは寄付金の
制度が違うから難しいところだが、良質な調査報道を続けて
いければ組織を安定させられるんだ。まぁ、日本でも「寄付して
くれ」って掲げている組織もあるけど、胡散臭いところがある
のだよな。どことは言わないけど。
ジャーナリズム=新聞ではない時代が確かに来ている。だが、
器が変わっても中身は変わらない。優れた報道を持続出来
るのなら、新聞も他のメディアと共存していkれるんじゃない
だろうか。
アメリカの新聞社、学識経験者、トップジャーナリスト等、様々
な人々に取材し、自身もアメリカの大学で行われている講座
に参加して多様な観点から書かれた良書。
文章も理解しやすく丁寧な取材もなされているのだが、著者が
毎日新聞の記者っていうのが引っ掛かるんだよな。
「新聞に事実を報道する義務はない」って言っちゃった社長が
過去にいるんだもの。 -
米国の新聞市場がどうなっているのかが、とてもよく取材されている新書です。特に既存のプリントメディアからどういうプレーヤーがオンラインに移っていて、それはどういう背景と順番で起こって、その周りのステークホルダーの反応も含めて立体的に取材されまとめられています。
個人的には知っていることが多かったので、あまり目新しいことはなかったのと、「こういう素晴らしい取材が出来る方にはもっと違う対象を」とか思ってしまったりもしましたw 現在はエルサレム支局長とのことで、ものすごく期待♪(2014/12/19ごろ読了) -
アメリカメディアに関するレポート。主にジャーナリズムについて書かれているが、ビジネスモデルを考えるために読んだ。
・紙は衰退しているが、ネットではニュース需要は高まってる
・質の高いニュースはお金を払ってもいい
・メーター制は課金の手段の一つ
・ローカルに特化は有効
・広告依存は危険(Webプラットフォームが利益を取る)
・アメリカではNPO化が進んでいる
・ローカル新聞は記事の共有化を進めている
・提供手法が変わってもニュースはなくならない
・収益の多様化が必要
・ニュースサイトのデータバンク化は有効 -
日本とアメリカでは、制度や文化の違いはあるが、ためになることが多かった。「ニュース産業は新たに登場した情報系産業に市場を奪われている。だが、ニュースは人々の生活により大切な、行き渡った存在になる。そのことは結果的にジャーナリズムの未来を救う要素の一つとなるだろう。」
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アメリカのジャーナリズム、興味深い。
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アメリカと日本の新聞社の違い。不景気の影響度も異なる。生き残りをかけて。
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インターネットの時代、既存メディアはどのような道に進むのか、良質なニュースや報道をいかに収益を挙げつつ維持していくのか、アメリカの新聞メディアを取材した重厚なルポタージュ。自分はメディアの人間ではないが、今後メディアはどうあるべきかという問題意識の持ち方や、ウェブの活用と可能性がニュースメディアにはまだまだあるという事、NPOといった小さな組織に可能性がありそれを広げていかないといけないということ、そして自由なジャーナリズムが今後ますます重要性を帯びてくるということ等、自分に関係する部分にも引きつけて考えさせられる面が多々あった。
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2008年金融危機以降,広告が激減して経営が厳しいアメリカの新聞業界。若者の新聞離れも進むなか,ジャーナリズムを守りつつ生き残りを図るにはどうするか。その取り組みを丹念に取材。
市民の感覚や寄付文化の有無,地方紙の役割など,業界を取り巻く環境は日米で大きく異なるが,アメリカの模索は来るべき日本の新聞改革にも参考になる点が少なくない。今ある新聞が突然軒並みなくなる,なんてことはまずなくて,穏やかに入れ替わりつつ,必要に迫られて徐々に変わっていくのだろう。 -
アメリカの紙メディアの苦闘がよくわかる
ただ、宅配制度がある日本とは
状況はかなり違うが…
「メディア」と大層な題だが
放送に触れられていないのは不備ですよ
4.1点 -
アメリカの大学とメディアのかんけいは深い。理由の1つにジャーナリズムを学問としてコースや専攻学科に組み込んできた大学が多かったから。現在、アメリカえはジャーナリズム専攻のある大学は全米で100以上あり、各州に平均2つはある。
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マスメディアに身を置く筆者が、アメリカのメディア媒体担当者へのインタビューを通じて、ニュース・メディアで起きている事象や今後の方向性についてまとめられた書籍。
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新聞連載を元にしているため、多少、トピックが古いと感じるが、非常に論点がまとまっていてタメになる。
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何が必要な情報なのか改めて考える機会となった。
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バランスのとれた見方で書かれており、納得させられる部分が多かった。
ただ、ネット社会のさらなる進展には、伝統的で正統的なジャーナリズムをなぎ倒していくほどの訳のわからない力があるような気がしてならない。そして、その先に何が待っているのか、それを知りたい。 -
近年のNYTの有料化の動きから最近のジェフ・ペゾスの買収にまで言及していて、現地の方にも直接取材を申し込んでいて、その精力的な行動には好感が持てました
ほぼ新聞や新興のインディペンデント系のメディアに対する内容で、題名のとおりに他のメディアにも言及してもらえるとさらにありがたかったのですが -
大規模な報道機関の多い日本ではメディアの多様化はあまり馴染みのない概念かもしれない。しかしネットが著しく普及した現代、アメリカと同じようにメディアの再編が起こる可能性も否定できない。
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著者プロフィール
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