会社を変える会議の力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882408

作品紹介・あらすじ

今日も日本中の多くの会社で、会議に関するボヤキが聞こえてくる。
「時間のムダ」「資料づくりで一日が終わる」「何も決まらない」などなど。

しかし実際、会議と名の付くもので、本当の会議の名に値するものは1割程度。
あとはダメな会議や名ばかり会議の会議モドキだらけ。

本当の会議とは問題解決の結論を出す(決める)会議のこと。

会議を変えて組織を活性化させるためのヒント満載、
これであなたの会議観も変わる!

感想・レビュー・書評

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  • 会議観を変えてしまう本だと思う。
    2013年最後の良書。

    コンテキスト思考の著者のATカーニーの経営コンサルタントの杉野さんの本。
    問題が複雑化するいまの日本では政治でも企業でも傑出したリーダーを待望する人が多いが、本当にそんなリーダーなんて現れるのか、そもそもいるのかという投げかけから始まる。
    そして、そんな全知全能のリーダーなんてないものねだりで実在しないのだから、リーダーに頼らない問題解決の仕方が必要であり、それが会議だという主張。
    しかし、実際の世の中の会議と呼ばれているものは会議モドキやダメな会議ばかりなので、本当の会議をしようという提案。
    そこから、会議の方法論が続くが、それら方法論も面白いが、このような会議の意義の主張とその論理が独特で面白かった。

    真面目に働こうと思える良書。

  • 会議は無駄なものと言われるが、会議は優れた組織ほど必要なものという新しい主張の本。前半は会議のあるある。中盤は会議がなぜ必要かという論理やその理論的な背景。そして、後半は戦略コンサルタントの著者の経営コンサルティングでの会議の実践のコツ。働き方を変えなくてはと思える良書。

  • 経営コンサルタントで大学教授の杉野幹人さんの会議本。
    会議のテクニックもあるが、主に会議の意義に力点を置いて論理的に説く良書だな。

    帯の「リーダーを待望するより会議を変えよう」というとおり、会議をリーダーとの絡みで議論している。
    また、ノーベル章受賞者のサイモンの論や課題先進国の論を会議に結びつけて議論している。
    とにかく、会議の役割を議論する視点がユニークなんだよな。

    個人的には、タコツボ化というのは分業が進んだ専門家集団という優れた組織が迎える宿命であり、必ずしもそれ自体が悪いことではないという主張が独特でいいな。
    ただ、タコツボ化だと皆で大きな問題を解決することができなくなるので、会議は分業で専門化が進んだ優れた組織ほど必要になるという。これも本当にそうだよな、会議はいろいろ言われるが、重要だよ。

    あと、具体事例では、ホッチキスアジェンダというのが笑えた。あるよな。

    今年最初の良書。

  • 「会議」で検索して購入。著者の杉野氏は、ドコモ→ATカーニー(本に書いてある情報で)。2013年の古い本。

    感想。
    読んでいるときは、当たり前のことが書いてあると感じたが、備忘録をつけてみると良書だと実感しました。会議に疑問を持ってい感覚を言語化してくれました。目的の階層性とか、悩んでました。


    備忘録
    ・「会議」と「打合せ」を区別しよう。「会議」とは「多人数で集まって問題の解決策の結論を決めること」。「打合せ」とは、「多人数で集まって問題を議論すること」。会議は打合せの一類型。

    ・「打合せ」をもう少し細分化すると、「会議」、「検討会」、「連絡会」、「報告会」。それぞれ役割や目的が異なる打合せ。

    ・そのため参加者に求められることも異なる。会議は決めるための議論。検討会は選択肢やアイデアを決めるための議論。連絡会は共有させる問題の解決策の結論を理解するための議論。報告会は選択肢やアイデアを理解するための議論。

    ・上記は分割開催しても良いし、一つの打ち合わせの中で議題ごとに「意識的に」使い分けても良い。

    ・ただし、よく考えれば、わざわざ開かなくても打ち合わせをしなくて済むものが多い。連絡会や報告会はメールで済むことが多い。

    ・組織と打合せについて。組織とはある目的のために多人数が協業することである。組織は、分業によって、分けられたグループの専門性が高まっていく。しかし、分業&専門性が高まるほど、組織のタコツボ化が進んでしまい、自部門の外に注意を払わなくなる。そうなると本来は組織全体・全社的な問題に対応するのが難しくなるので、そういった大きな問題を扱う会議がポイントになってくる。

    ・専門化進むとほど、分野を跨ぐような大きな問題をに対して俯瞰する必要がある。

    ・ただ、俯瞰的に物事を捉え、優れたリーダーシップと判断力で、迅速な意思決定ができるようはリーダーを待望するより、良い会議をしよう。

    ・会議の目的を定めるのはとても重要。注意したいのは、目的の多義性、階層性、主体決定性。

    ・目的は人によって異なることがある。

    ・目的にはより上位の目的、下位の目的が存在する。例えばダイエット目的は、体重を落とす→健康→長く子供達を見守る→幸福、とかのように。上位の目的の方が未来についての目的になる。階層が上の人はより上位の目的を考える。よく「うちの若手には長期的な視野がない」と嘆かれるがそれは当たり前で、組織設計の問題で役割が違うためであり、長期的な視野で考えるのはそう嘆く経営陣自身。

    ・目的は自分で決めないといけない。またその目的が正しいとはわからない。

    ・経営会議などの経営課題を解決する会議が、本当の会議になっているか。目的が明確で、中長期的なトップダウン議題が揃えられ、オープンな議論がされているか。

  • ファシリをするときにもう一回読むと良いかも

  • 悪者にされがちな会議を生産性のあるものに変えるための提言書。選択肢か結論、決定か共有でマトリクスを組むと、結論を決める打ち合わせ以外は会議もどきであると指摘。加えて会議を改革するためには、目的、agenda、資料、メンバーを適切に揃えて運営する必要があると、ケースを踏まえて詳述している。
    長らく積読していた一冊。会議を構成要素ごとに分解し、それぞれの課題に対して打ち手を提案するコンサル的なアプローチ。個人的には新鮮で、目的の部分など、早速日々の業務で取り入れられる点も多いと感じた。

  • 会社を変える会議の力
    2013/12/18 著:杉野 幹人

    リーダーを待望するより本当の会議をしよう。
    リーダーと言うと、思考停止して礼讃して待望し、会議と言うと、同じく思考停止してダメ出しして悪者にする。そしてその待望されるリーダー像を解き明かせば、ナポレオンや織田信長でも敵わないような人物だったりする。それは、幻を追い求めて現実逃避しているようにしか思えない。

    会議から逃げるのではなく、会議と向き合い、会議にダメなところがあるのであれば、それを「本当の会議」に直すことが必要である。

    本書の構成は以下の7章から成る。
    ①なぜ会議はダメなのか
    ②会議と会議モドキ
    ③会議の目的を考える
    ④会議の議題を考える
    ⑤会議の資料を考える
    ⑥会議のメンバーを考える
    ⑦本当の会議

    会議は会議であって会議ではない。
    目的がなく、議題も資料もちぐはぐで出席するメンバーも適していなければ決まるものも決まらない。決めて意味がない会議に成り下がってしまう。

    自分が携わる会議でいくつが本当の会議であったかというと疑問でもある。そしてそれは待っていても変わらない。自分が主催出来る分は本書から取り入れて時には連絡会や報告会と目的を考えながら本当の会議を成立させる必要がある。

    無駄な会議なんてない。
    本当にそう思えるように胸を張って言えるような会議運営を心掛けていきたい。

  • 読みやすかった。会議のアジェンダづくりが特に実用的。

  • 実効性ある議論でなければ会議をしても意味が無い、有害な場合さえ有る。
    実効性有る議論のためのいくつもの手がかりがあり大変有益だった。
    半年後にもう一度読みたい。

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著者プロフィール

杉野 幹人(スギノ ミキト)
A.T. カーニー マネージャー、東京農工大学工学部特任教授
東京工業大学工学部卒業。INSEAD MBA修了。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。NTTドコモを経て、A.T. カーニーに参画。経営戦略、マーケティング戦略、新規事業、経営会議運営支援等の幅広い経営コンサルティングプロジェクトを手掛けている。著書に『会社を変える会議の力』(講談社現代新書)、『コンテキスト思考 論理を超える問題解決の技術』(共著、東洋経済新報社)がある。

「2014年 『使える経営学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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