- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062882675
作品紹介・あらすじ
長期政権を維持してきた自民党、あるいは一時的に政権の座に着いた非自民連立内閣、民主党などは日本経済浮上に向けた努力をしたようにも見える。
財政金融政策の実務を担ってきた大蔵省(現財務省)、日本銀行もさまざまな政策手段を駆使した。
だが、それらはこれまで実ることがなかった。
なぜなのか。
「失われた20年」の教訓とは何か。
「失敗のツケ」を払うのはいつもわれわれ。
バブル崩壊後の20年間の経済政策を振り返り、同じ過ちを繰り返さないために広く世間に警告することが、本書の目的である。
【おもな内容】
第一章 焦土からバブルの「宴」まで―戦後日本経済の疾走
「インフレ和尚」の生産再開/「天才」に勝った「教祖」/「それでも銀行の頭取か!」 ほか
第二章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ―バブル崩壊の爪痕
虚しく響いた三三七拍子/「平成の鬼平」は正義の味方?/大銀行が料亭女将に頭を下げて…… ほか
第三章 血税が底なし沼に消えた―政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
大蔵省、街宣車に包囲される/山一証券は二度死ぬ/「慶応」と「女性」で委員長に/「佐々波委員会」のあきれた実態 ほか
第四章 「小泉改革」の正体―戦後最長景気の幸運
姿を消した「元日本一」企業/「再生機構」の功罪/波乱の郵政民営化/なぜ四分社化だったのか ほか
第五章 そして「格差社会」が進んだ―日本型雇用慣行の崩壊
秋葉原の悲劇/竹中の入れ知恵/派遣は「小泉改革」で激増した/「宮内委員会」の暗躍と奥谷の暴走 ほか
第六章 「日銀理論」の自縄自縛―迷走した金融政策
「異次元のバズーカ砲」/日銀は資金供給をコントロールできない?/岩田・翁論争/目まぐるしい迷走 ほか
第七章 「国民の生活」は「第一」ではなく……―背信のマニフェスト
財務省執念の二ケタ税率に/消費増税は「マニフェストにはなかった」?/「究極の大増税」再び ほか
感想・レビュー・書評
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現代の日本の経済政策のみ。
【書誌情報+内容紹介】
『「失敗」の経済政策史』
著者:川北 隆雄[かわきた・たかお] (1948-) 経済記者。
発売日 2014年06月18日
価格 定価 : 本体800円(税別)
ISBN 978-4-06-288267-5
通巻番号 2267
判型 新書
ページ数 256
シリーズ 講談社現代新書
“長期政権を維持してきた自民党、あるいは一時的に政権の座に着いた非自民連立内閣、民主党などは日本経済浮上に向けた努力をしたようにも見える。財政金融政策の実務を担ってきた大蔵省(現財務省)、日本銀行もさまざまな政策手段を駆使した。だが、それらが実ることはなかった。なぜか。バブル崩壊後の20年間の経済政策を振り返り、同じ過ちを繰り返さないために広く世間に警告することが、本書の目的である。”
〈http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210753〉
【目次】
第一章 焦土からバブルの「宴」まで――戦後日本経済の疾走
焦土からの出発/「インフレ和尚」の生産再開/「天才」に勝った「教祖」/あゝ上野駅/「それでも銀行の頭取か!」/ニクソン・ショック/「油断」が高度成長の息の根を/ジャパン・アズ・ナンバーワン/電撃! プラザ合意/そしてバブルへ
第二章 「宴」の裏で悪魔が微笑んだ――バブル崩壊の爪痕
虚しく響いた三三七拍子/「土地神話」も崩れた/「総量規制」の効果/バブルとは何か/「平成の鬼平」は正義の味方?/バブルつぶしの功罪/「宴」の裏で悪魔が微笑んだ/大蔵省は「焼け太り」/食い物にされた住友銀行/大銀行が料亭女将に頭を下げて……
第三章 血税が底なし沼に消えた――政策誤操作で「戦後最悪の不況」へ
日銀氷川寮、再び/危機は信組から大手銀行へ/大蔵省、街宣車に包囲される/山一証券は二度死ぬ/「慶應」と「女性」で委員長に/「佐々波委員会」のあきれた実態/血税が底なし沼に消えた/九兆円財政デフレ/政策誤操作で「戦後最悪の不況」
第四章 「小泉改革」の正体――戦後最長景気の幸運
「変人」首相の誕生/合言葉は「改革なくして成長なし」/「竹中プラン」/不良債権処理を進めたのは長期好況/姿を消した「元日本一」企業/「再生機構」の功罪/波乱の郵政民営化/なぜ四分社化だったか/郵政民営化で行財政改革は進んだか
第五章 そして「格差社会」が進んだ――日本型雇用慣行の崩壊
秋葉原の悲劇/「富国貧民」「社富員貧」/小泉首相は格差拡大を是認/竹中の「入れ知恵」/派遣は「小泉改革」で激増した/心を病むワーキングプア/「宮内委員会」の暗躍と奥谷の暴走/日本型雇用慣行が崩壊する
第六章 「日銀理論」の自縄自縛――迷走した金融政策
「異次元のバズーカ砲」/日銀は資金供給をコントロールできない?/岩田・翁論争/「日銀側の証人」/そして、ゼロ金利へ/日銀不況/ついに量的緩和に/目まぐるしい迷走
第七章 「国民の生活」は「第一」ではなく……――背信のマニフェスト
財務省執念の二ケタ税率に/消費増税は「マニフェストにはなかった」?/理想は高かった「子ども手当」/だが、「元の木阿弥」へ/「金なんかいっくらでも……」/「返り血」の覚悟なく……/「究極の大増税」再び
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文字通り戦後の経済史について述べたもの。
「失敗」と付いているとおり、若干批判的(特に高度経済成長後は)ではあるものの、経済史について知ることができた。 -
バブル崩壊後の経済政策の迷走っぷりを検証する一冊。
歴史の後出しじゃんけん的な感じもするけど、こうした側面があったことを覚えておく必要はあるんじゃないかな。
だいたい住専や長銀の破綻処理に投入された税金って何の役に立ったのだろう。たった20年前のことでしかないのに、それすら検証できていない。もっと税金の使われ方に敏感にならなくちゃね。 -
節目節目の政策決定の背景に注目しながら、戦後日本経済史を辿る、2014年春に出た本。次のようなことが書いてある。
・なぜバブルが起き、なぜそのソフトランディングに失敗したのか
・ゼロ金利政策、量的緩和策についての日銀の立場
金融政策について多めに割かれており、合間に小泉改革と格差社会、民主党のマニフェスト検証などの内容。概ね時系列だが各章の関連ははっきりせず、筋の流れはあまりない。その辺が新聞の連載特集風(著者はジャーナリスト)。網羅的でもないが、個々の記事は読みやすいので重要イベントをざーっと辿るのにはよいかも。 -
10月新着
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戦後から現代にいたるまでの経済政策及びその周辺についてのまとめと著者の意見
学校の歴史において戦後史特に戦後経済史はなおざりにされることが多い。一方で現在に最も近い、また社会人としてビジネスに携わる上で常識として知っておいたほうがよいのはこのあたりのことなので、本書により知識を補完するのはありだと思う。 -
そもそもマクロ経済というのは、制御できるものなのかを議論するのが先と考えるようになりました。
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