現実脱出論 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 683
レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882743

作品紹介・あらすじ

目に映っている現実は、決して唯一無二の世界じゃない!

目で見ることも、手で触れることもできないけれど、
たしかに存在するあの〈懐かしい世界〉へ読者を誘う

ベストセラー『独立国家のつくりかた』で〈社会〉と対峙した坂口恭平が、
今度は私たちの〈無意識〉にダイブする!

感想・レビュー・書評

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  • 「現実逃避」ではなく、「現実脱出」。似ているようでまったく異なる。
    坂口氏は、一般的に言われる「現実」も、自分の周りにいくつかある仮想空間のうちの1つでしかないという。彼の言う「現実を脱出すること」=「思考」であり、「まずは、現実に自分の体を合わせるのではなく、自分自身の思考をちゃんと中心に置くことだ。現実という他者に合わせて生きるのではなく、自分が捉えている世界を第一に据えよう。」と主張する。
    思考こそが、生きることそのもの。見えているものが世界のすべてではない。数年したら再読してみたい一冊。

  • あるブログで薦められていたので、手に取る。

    冒頭から引き込まれ、一気に読めた。論というほとカタくなく、むしろ著者独自の体験に根差した提案であり、エッセイ集という感触だった。また、『独立国家のつくりかた』(未読)の著者とは知らなかった。
    文章が美麗。修辞が豊か。単なる麗句ではなくて、その表現である必然を感じる。

    広義の創造行為が鍵かな、と。

  • これはやばい!めちゃくちゃよかった!
    正直、読み途中はそんなに良いとは思わなくて、ブクログでもそこまで評価を高くしたいとは思わなかった。

    個人の思考と集団の意識のこととかは誰もが思っていながら言葉にできなかったことだし、それを独自の言葉と組み立て方で整理して表現したことは確かに本書の重要な成果だと思う。
    だけど、行間から強烈な承認欲求が染みだしまくってて、どうしても白けてしまう!苦手だ!

    ……と、まあそんなことを書こうと思ってた。
    なんだけど、終盤に向かうにつれて、そんな承認欲求のようなものはとても些末なことに思えてきた。
    それは著者自身にすごい熱意と行動力があるからなんだよね。
    新政府いのちの電話として自身の携帯電話の番号を公開し、「希死念慮に苦しむ人」と対話した、というのは本当に驚いた。誰かがツイートしてたけど、この著者は本気で世の中を変えようとしてる。そしてそのことは、本書に書かれていることに強い説得力を持たせてる。

    それがとても良くて、白けは一気に尊敬にかわってしまった…すげえ傲慢だが……すいません……。
    僕はこういう人になりたいなあ。

    おすすめです!

  • 社会集団による共通認識としての「現実」に対して、埋没し隠されてしまいがちな個人の特異性の、尊重・表出(=創造)を進言する書。著者自身の躁鬱病との関わりや、少年期の思考遊び、一風変わった知人たちのエピソードを織り交ぜて述べる。そのプロセスがいわば建築作業的でもあり面白い。一方、まとめの最終章などは繰り返しのような内容で、未成熟さや物足りなさを感じる。そもそも言語化できない、すべきでないことを、自ら言葉で説明しようとしてしまっているから無理がある。「詩」と「論」のあいだで揺れ動いている、その中途半端さがあることは否めない。

  • 現実脱出論

    「独立国家のつくりかた」の2匹目のドジョウのようで、あまり参考にならなかった。
    ただ、本書にある「躁も鬱も機械の動作に過ぎない」という言葉。
    これを理解するために、自分は進化心理学や脳科学の本が好きなんだと再認識した。

  • 非常に面白かった。
    ざっくりと理解したところでは、「現実」=社会的に共有された規範や知覚とは異なるものとしての個人的な思考の価値を称揚しているととることができそう。
    要復習。

  • 哲学

  • 2018年10月14日に紹介されました!

  • 「脱出」の方法についてが、著者本人の特性に強く依存する書きかた。でも考える種にはなるかも。

  • はたして本書の内容を どれだけ理解できただろう? 私たち読者は、 コトバを介することでしか 筆者の「現実」にアクセスできない。 しかしながら、それを コトバで捉えきることは不可能であろう。 筆者の見ている「現実」は それくらい独創的であり躍動的であった。 「言語化しようと執筆をはじめた時点で、 実は僕が本当に言語化したいことは、 すでに零れ落ちてしまっている。 それをできるだけ掬いとるには、 創造を行う前に、しっかりと音楽の振動を 皮膚で感じ取り、振る舞う必要があるのだ」(p.144)。

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著者プロフィール

坂口 恭平(さかぐち きょうへい)
1978年、熊本生まれ。建築家・作家・絵描き・歌い手、ときどき新政府内閣総理大臣。、早稲田大学理工学部建築学科卒業。
著書に『TOKYO 0円ハウス 0円生活』(河出文庫)、『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)、『幻年時代』(幻冬舎、熊日出版文化賞)、『坂口恭平 躁鬱日記』(医学書院)、『徘徊タクシー』(新潮社)、弾き語りCDアルバムに『Practice for a Revolution』などがある。

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