マックス・ウェーバーを読む (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882798

作品紹介・あらすじ

政治思想、現代ドイツ思想、社会哲学、基礎法学など幅広い分野にわたり、著者独自の視点・展開から解釈を試みる仲正教授。その入門書には定評があるが、根底に流れるのは「思考する」ことを鍛える力強さにある。
本書は20世紀のヨーロッパのみならず、日本の哲学思想界にも多大な影響を与えたマックス・ウェーバーの著作を読み、彼の主要なテーマに迫る試みである。
ウェーバーの主著である『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、プロテスタントの禁欲が資本主義の精神に適合性を持っていたという逆説的論理で思想界のみならず世界史に興味のある多くの人々の心を捉えた。
彼の講演である『職業としての学問』は、学問の「国家資本主義化」に疑問を呈し、学者の基本姿勢を問い正した書物だが、現在のSTAP細胞問題を考える示唆に富んだ書物である。
また社会科学の根本概念に言及した書物は、宗教・経済・政治・法律など主要な分析対象を定義、その論理的体系化を試みており、現在読み直す課題は大きい。
思想・哲学を再考したいひとへ好適な入門書でもある。

感想・レビュー・書評

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  • 仲正昌樹さんはいろいろな人物に関する本を出しているが、どれもわかりやすい。
    マックスウェーバーが重要人物であることを知りながらこれまで避けてきたので、こういう本があるんだったらもっと早く読めば良かった。
    プロテスタンティズムと資本主義は、一見繋がりが不明なようでその実はプロテスタンティズムこそが資本主義につながっていくのだし、カトリックでは産みえなかったもの。そして、資本主義の重要な要素である官僚制。このあたりにウェーバーを掘り下げる意義があるんだろうなあと感じた(今さら)。

    とはいえ、まだまだ難しくて理解が追いついていない。これをきっかけに、次のウェーバー本に手を出そう。

  • まさにウェーバーが目指したように、抑制の効いた態度で、当時の時代状況を説き起こし、彼の思想の射程の深さを示す。これを機会にウェーバーをさらに深く味わってみたい。

  • 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』についての解説がよかった。ウェーバーを離れてあちこち寄り道しているようでいて「では寄り道か」というとそうでもないような感じ。新書なのであまりに深すぎる話にはならない程度なこともあって自分には読みやすかった。

    他の章では、例えば「価値基準を学問的に位置付ける」や「理解するとはどういうことか」といったふうに、うまい具合に要約された太字の後に、絶妙の説明がある(テクストがある)という書き方は「理解」しやすい。

  • 小泉進次郎に対して池上彰が「職業としての政治」って読んだことあります?と衆院選特番のインタビューで意地悪く聞いて、「政治とは職業ではなく生き方だ」とそれらしく回答していたのが、ソツないように見えてなんか噛み合ってないように思ったので、ちゃんと勉強してみようと読んでみた。要するにウェーバーの「職業」Berufはドイツ語的に多義的で、召命とか、そういう宗教的意味もあるので、彼の回答はウェーバーに対する反論ではなく、肯定として語れば正解に聞こえたのかもしれない。何にせよ、池上彰の質問はしてとてもいじわるだ。

  • 勉強になった。

  • ウェーバーの主要な著作にターゲットを絞って、噛み砕いた解説がされており、岩波文庫に突撃する前に読んでおけば理解を助けてくれると思う。
    あとがきを読んで、趣旨に賛同された方におススメします。

  • それほど面白くない。オーソドックスというか。

  • 学生時代にマックス・ウェーバーの本。
    正直、先生のいうことだけでは訳分からなかった。
    テストが大変だった記憶がある。

    この本がもっと早く出ていたら、学生の頃きっと助かったなあと思う。そのくらい分かりやすい。ポイントがさらっと押さえられている。とてもいい。
    いま改めて読んだら、ウェーバーって結構新しい人で、すごい人なんだなあと思った。

  • マックス・ウェーバーの著作の中から、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、『職業としての政治』と『官僚制』、『社会科学と社会政策に関わる認識の「客観性」』と『社会学の基礎概念』、『職業としての学問』を取り上げ、その内容について分かりやすく解説している本です。

    「あとがき」には、無理にウェーバーの統一像を提示するのではなく、ウェーバーの主要著作についてピンポイント解説をおこなうことをめざしていると書かれていますが、「ウェーバー学」の権威である折原浩がアカデミズムきってのうるさ型ということも影響しているのか、ウェーバーに関する簡明な入門書は少ないので、本書のように新書サイズで読めて分かりやすい入門書は、私自身も含めた一般の読者にとって、裨益するところが大きいのではないかと思います。

    山之内靖の岩波新書は、ウェーバーがニーチェと共有していた近代に対するペシミスティックな視点を強調していて、やや特殊な内容になっていますし、牧野雅彦の平凡社新書は、『ロッシャーとクニース』などを参照しながら当時の歴史学派の文脈の中でのウェーバーの位置を考察した玄人向けの本という印象です。ほかにも、住谷一彦が中心となって書かれた入門書もありますが、けっこう難しかったような記憶があります。一方本書は、現代日本の学問状況に対する著者自身の意見なども織り込みつつ、ウェーバーのおこなった議論の意義をなじみやすい話に引っ張り込んで解説しているところもあり、興味深く読み終えることができました。

  •  哲学者が代表的な書籍からマックス・ウェーバーを読み解く。

     マックス・ウェーバーというと社会学者というイメージが強いが、この本を読むと政治や教育、さらに根幹となる知とは何かというようなテーマまで広く扱っているように感じられた。

     マックス・ウェーバーの本を読む前に読んでよかった。

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著者プロフィール

1963年生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。金沢大学法学類教授。専門は法哲学、政治思想史、ドイツ文学。著書に『集中講義!日本の現代思想』『集中講義!アメリカ現代思想』(NHKブックス)『悪と全体主義』(NHK出版新書)『ヘーゲルを超えるヘーゲル』『今こそアーレントを読みなおす』(講談社現代新書)『マルクス入門講義』(作品社)など多数。

「2020年 『現代哲学の最前線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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