デジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
3.25
  • (5)
  • (10)
  • (21)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 148
レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062882835

作品紹介・あらすじ

脳とコンピュータの接続、デジタル認知症、健常者の記録を破る義足アスリート……デジタルテクノロジーはわれわれをどこに連れていくのか。最新トピック満載の書。

<本書の主な内容>
序章 デジタルの船からは、もはや降りられない
「ただ楽になっただけ」/とめどなき情報量爆発/「つながっていても孤独」という不可思議 ほか

第1章 デジタル社会の光と影
SNSが生む経済損失/携帯電話で脳腫瘍が増加する/評判を求め過ぎる子供たち/デジタル写真を撮影するほど記憶が薄れる/ソーシャルメディアが失言を誘発する/サイバー攻撃で死者が出る ほか

第2章 モノのネット化で変わる生活
あらゆるモノがネットとつながる社会/替え時を教えてくれる「おむつ」/ウェアラブルコンピュータの危険性/「コンピュテーショナル・ファッション」/グーグルとアップルが自動車産業を支配する? ほか

第3章 ロボットに仕事を奪われる日
『鉄腕アトム』はもはや夢物語ではない/躍進するロボット記者/コンピュータ小説家/人間の仕事の多くが消滅する

第4章 仮想と現実の境界線が溶ける
「仮想国家」は現実の国家になるか/「オープンガバメント」と個人/「インターネット政党」/就職人気ランキング1位は仮想企業/貨幣制度を揺さぶる仮想通貨 ほか

第5章 脳と肉体にデジタルが融合する未来
人間の脳を超えるコンピュータ/思考する人工知能/記憶の複製/夢の解読/人間の脳が戦場に?/発電装置になる心臓/眼球が人間とコンピュータをつなぐ/人工筋肉で人間に近づくロボット/デジタルとの共存共栄のために ほか

第6章「考える葦」であり続ける
ペンはキーボードよりも強し/ネット断食/アマゾンがリコメンデーションできないもの/ジョブズとカリグラフィー/「外部脳」の弊害/脳の活動のブレイクスルー/情報は知識でも思考でもない/教室を変えたデジタルの力/思考する努力 ほか

終章 デジタルは人間を奪うのか
『マトリックス』が現実化する未来/人工知能に恋をする/子育てとデジタル/スマートフォンに忠誠を誓う人間/紙の新聞の購読をやめない理由/デジタルの力でもかなわないもの/不気味さこそが可能性の証

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 私たちはデジタル社会から のがれることはできない
    情報量は爆発的に多いが孤独を感じている
    多くのものがネットにつながっていく
    仮想と現実の境界がなくなっていく
    人間がデジタルに融合する
    デジタル認知症 とならないためには考える葦であり続けること

  • デジタルテクノロジーは人間に何をもたらし、何を奪っているのか。また、これからどのように共存していくべきなのかを、「デジタルの光と影」を基にしてたくさんの事例と共に述べられています。

    デジタルの進歩によって実現可能となる具体例は、今のところはまだ夢のような話ばかりです。
    しかし、過去に思い描いていた世界がいつの間にか現実になっているのが今の世の中。(実際、ドラえもんのひみつ道具がいくつか実現していることに驚きました。)日常生活の一部にこれらが当たり前のように溶け込んでいる光景を目にするのはそう遠くないのではないかと思わされ、未来の姿を想像するとワクワクします。

    その一方で、影の存在による危機感も覚えます。
    例えば、デジタル写真を撮影するほど記憶が薄れるという研究結果が出ていること。ネット上で流し見している大量の情報は一体何のためであり、それらは果たして知識へとつながっているのかということ。
    多少なりとも身に覚えがあるだけに胸に刺さります。

    デジタルで何でも出来てしまう時代だからこそ、人間にしか出来ないことは何なのか、人間はどのような存在であるべきなのか。避けては通れないこの問題に、一度じっくり向き合ってみる必要があると感じました。

    図書館スタッフ(東生駒):ルブリル

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    http://opac.tezukayama-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&category-book=1&category-mgz=1&materialid=1100391407

  • 本書はネット上の情報との付き合い方を考える上で非常に有益な本であったと思う。
    日々情報の海の中に投げ出された我々現代人が、人間としての判断、行動をするために必要と思われることが各具体例を通じて明らかにされている。
    人間の尊厳というと大げさに聞こえるが、インターネットや情報技術がかくも発達した今だからこそ、改めてコンピューターにアウトソースできる活動領域と人間がすべき活動領域を明確に峻別する必要があると感じた。線引きについて個人差があってしかるべきであるが、各人の線引きなしにコンピュターシステムとの共存は望めないであろう。

  • レビュー省略

  • メッセージはシンプル。どちらかというとデジタル万歳という印象のあった著者なので、こういう本を今書くというのは意外でもあり、興味を惹かれた。

  • ネットワークや情報関連技術がもたらす利益とリスクの可能性(ややリスク寄り?)を論じている。トランスサイエンスの話にもかかわる。ブレインマシンインタフェースの話とか。関連本として『まるいち的風景』(マンガ)と『科学技術をよく考える:クリティカルシンキング練習帳』も一緒に薦めてもいいかも。

  • いいね→自分の価値評価を他者の評価に委ねること。過度になるとストレスに。

  • 読了。

  • 2015年1月新着

  • ITが普及して便利な世の中になったし、これからもなっていくだろうけど、それってリスクも大きいよね。という話。まあ、そりゃそうだよなぁと思いながら読んでいた。
    自動運転車がハッキングされたら・・・。なんて確かに思うかもしれないけど、それでも自分が運転するよりは自動運転車のほうが安全なような気がする。
    ところで、永遠に止まらない心臓があったら死なないのだろうか。いや、そもそも死って心臓が止まることをいうのか? このへん、哲学的だなぁ。
    それと、Wi-Fiの電波を電流に変換して充電する技術があるということを初めて知った。そのうち電源コードが必要なくなる時代がくるのだろうか。
    後、ビコリム戦争という、Wikipediaに掲載されていたウソの記事を初めて知った。5年間も誰も気づかなかったなんて、そんなことがあるんだなぁ。
    海賊党というインターネット政党を初めて知った。日本ではないのかなと思ったら、一応存在はするらしい。まあ、大きくはならないような気はする。

全19件中 1 - 10件を表示

プロフィール

小川和也(おがわ・かずなり)

1964年群馬県館林市生まれ。成蹊大学文学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。専攻は日本思想史。現在、北海道教育大学准教授。著書に『鞍馬天狗とは何者か』(藤原書店)、『文武の藩儒者 秋山景山』(角川学芸出版)、『牧民の思想─江戸の治者意識』(平凡社)、『大佛次郎の「大東亜戦争」』(講談社現代新書)、『ひとりでいいんです─加藤周一の遺した言葉』(共著、講談社)がある。

「2014年 『儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

デジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書)のその他の作品

小川和也の作品

デジタルは人間を奪うのか (講談社現代新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする