〈未来〉のつくり方 シリコンバレーの航海する精神 (講談社現代新書)
- 講談社 (2015年5月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062883153
作品紹介・あらすじ
シリコンバレーで今、何が起きているか?
Google、Amazon、Facebookが目指すものとは?
そもそも、なぜアメリカは〈未来〉を語り続けるのか?
なぜ、ウェブ文明はアメリカで生まれたのか?
知っているようで知らないアメリカの不思議を解き明かす。
イノベーションの聖地からウェブ文明の根源を問う渾身の論考!
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【プロローグより】
未来とは、待てば自ずからやって来るものなのか。
それとも、未来は、自らの手で引き寄せ、築くものなのか。
……イノベーションの聖地であるシリコンバレーでは、圧倒的に後者の態度が取られる……彼らは、未来は自分たちで築くものだと信じている。では、なぜ彼らはそう信じきることができるのか。本書で扱うことは、突き詰めればこのことである。
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【目 次】
第1章 ムーアの予言
第2章 月を穿つ
第3章 投資するビジョナリ
第4章 大望を語る
第5章 交歓するコマース
第6章 鏡としての東海岸
幕 間 ―西から東へ―
第7章 ソーシャルの磁場
第8章 反射するバーチャル
第9章 分散社会への郷愁
第10章 探究する思考習慣
第11章 アメリカというOS
第12章 二周目の近代
感想・レビュー・書評
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<目次>
プロローグ
第1章 ムーアの予言
第2章 月を穿つ
第3章 投資するビジョナリ
第4章 待望を語る
第5章 交歓するコマース
第6章 鏡としての東海岸
幕間 −西から東へ−
第7章 ソーシャルの磁場
第8章 反射するバーチャル
第9章 分散社会への郷愁
第10章 探求する思考習慣
第11章 アメリカというOS
第12章 二周目の近代
エピローグ −啓蒙の網の目−
あとがき
2015.05.30 新書巡回で見つける
2015.06.17 読書開始
2015.08.07 読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・当初の意図通りに成長する起業などいない。出発点から手探りで進む。探索の連続である。当初描いていたものとは違ってもデスティネーションに辿り着ける
・70年代以降顕著になったファイナンスの数理工学化によって、企業価値の計測や算定が日々行われるようになり、その結果、かつては両立可能だった利益の最大化と企業活動のミッションという二つの目的が乖離してしまった。10年代に生まれたベネフィット・コーポレーションは、これを修正するものだ。具体的には、会社法の改正を通じて、利潤(プロフィット)だけでなく公益(ベネフィット)を重視する企業であることを法的に位置づける。経営側だけでなく働く側にも新たな選択肢を与えるものだ
・トクヴィルによれば、アメリカ人の哲学的傾向性とは、「体系を排すること、眼前の事実を重視すること、物事の理由を権威によらず独力で探求し、結果を目指して前進すること、定式をとおして物事の本質を見抜くこと」である。このような集団的特性は、後にアメリカ独自の思考様式として登場するプラグマティズムの土台となった -
突っ込みどころは満載と思うが、網羅的で、一つの叩き台としては面白いまとめと思う。あとがきで「未来」について、future の語源がラテン語であり、to be (成ろうとするもの)であるのに対し、日本語は「未だ来らざるもの」で、まったく思想が異なるとの指摘は面白い。
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『ソーシャル以後、ウェブ上で様々なコミュニケーションが可能であることを、世界中の人々が経験した。そのため、それ以前に比べて人類のレベルで幸福を想像することが容易になったことは確かなのだろう。
ウェブ企業における地球規模のユーザー数の多さが、そのような発想を自然なものにする。この段階になるとおそらくは、人類の幸福を扱う世界観(=宗教観)の下で世界を解釈してきた文明的記憶の有無や程度が、そもそもの発想に影響を与えることだろう。キリスト教を始めとする普遍宗教への関心が高まるのもそのためだ。
なぜなら、極めて個別的な体験が、ウェブという地球規模のコミュニケーション回路を通じて瞬時に世界に行き渡ることで、いつの間にか、世界的なもの、見かけだけならば普遍的なものになってしまうような時代に人々が居合わせているからだ。
個別の出来事が短期間のうちに世界化/普遍化するのであれば、確かに人々の意識とともに世界のイメージも書き換えられてしまうことだろう。』
チャラい作品かと思ったら、途中から、パース、ジェイムズ、デューイとプラグマティズムの議論になり、「二周目の近代」論は濃厚だった。
近代化の焼き増しというか、近代の再生産というか、素晴らしい近代論で、もう少し周辺の補習が必要だと感じた。
特にプラグマティズムへの理解がもっと必要だと痛感した作品。 -
アメリカがなぜウェブ時代の強者となったのか。
組織、制度に対する考え方が特異的である。
例 企業と市は組織として並列、営利が一番でないけどNPOでもない新しい組織が最近できた
各州で法律が違うので企業が登記したがる州、とかがある
州ごとに制度が違うことで遺伝アルゴリズムみたいなことになって進化が進む
科学と技術の関係が科学から技術、という第二次大戦でバネバーブッシュが提案した流れから技術から科学へに揺り戻されている
例 グーグル、スペースx
技術を制度化する流れ西から東へ
write and build
プラグマティズム 実験によって仮説を確かめる
未来を語るのは投資家 -
知り合いからの課題図書だったのだが、少々内容が薄いような印象。
カーツワイル『シンギュラリティは近い』とピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン』の内容のいくつかをつまんで他のアメリカのベンチャーの状況を少し足して混ぜ合わせたような感じ。
帯の「イノベーションの聖地からウェブ文明の根源を問う混信の論考!」というのはちょっとオーバー。 -
前半は面白かったが、後半ダレた。
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シリコンバレーを中心とした、アメリカについての本。未来のつくり方についてはよく分からなかった。
アメリカという多民族国家だからこそ、ウェブ企業がたくさん生まれたのかもしれないと思った。日本も少子化で移民が増えていくと聞くけど、何か変わっていくのだろうか(アメリカの場合は、日本と違って歴史が浅いからできたことかもしれないけど)。
Mosaicを開発したマーク・アンドリーセンは1980年代後半、日本の家電業界の攻勢を見て、キャリアのために日本語を学ばなければならないと考えていらしい。そういう時代もあったんだなぁ。今、アメリカ人で日本語を学ぼうと思う人ってオタクぐらいなイメージ。
ところで、アメリカの企業の登記先のほとんどはデラウェア州という州らしい。どこにある州なんだ? -
2015年7月新着
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