技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883221

作品紹介・あらすじ

アベノミクス、円安などで一息ついたように見える日本経済。しかし実際はどうだろうか? 
食料・エネルギーなど、海外に頼らなくてはいけない日本。そのためには外貨を稼ぐ産業の強さは日本の生命線であることは日本の変わらぬ条件。
しかしグローバル競争が激化したここ20年、日本が競争でなかなか勝てないのはなぜなのか?

日本を代表する工学者で失敗学・創造学の権威として知られる著者は、長年日本の産業の現場を見続け、さらに10年は海外の現場にも足を運び、産業の激変を見てきた。

その著者が感じた日本の行き詰まりの原因、
それは「技術では世界でいちばんになった」という思い込みだった。

そもそも日本は自分たちが思っているほど、技術が優れているのか?
傲慢の裏に隠れていた日本の弱点とは?

日本のいままで得意だと思ってきた品質・機能がもはや競争力にならなくなった時代、
いま求められるのは、消費者の価値観を深く追求すること。
そのために必要な技術とはなにか?
日本にあって他国にはない良さとはなにか?

これからの日本の産業の方向性を考える渾身の論考!

感想・レビュー・書評

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  • 日本の製造業の現状や問題点を指摘する本…かとおもいきや、実際は少子高齢化や環境問題などどこでも聞くような内容が散発的に並ぶのみで、その後の分析でも思いつきを並べているにすぎない。
    新書だから、ということなのか(悪い意味で)極めて平易な内容になってしまっており、ビジネス書として10分で読み流せば良い程度のものだった。

  • 三現 現地、現場、現人

    日本 技術立国と位置づけあぐら 傲慢さ→原発輸出を韓国に負けたが原因分析は嫉妬ばかり

    原発事故 独自の解析システムがない

    戦後の成功体験50年(戦争なし、大きな災害なし) 何をするか分からない20年(サリン事件、阪神大震災)

    原発停止 二酸化炭素の排出量増加を誰も言わなくなった
    震災前 原発で発電→夜間は電気自動車の充電

    米 年間850万トン生産 米だけ食べれば2,000万トン必要→4割しか生産できていない

    中国のGDP 2011年日本超え 2014年2倍
    中国の海外進出→日本の10倍の人口を養うために奔走

    1707年宝永地震 1854年安政東海地震・南海地震 富士山噴火

    明治維新の頃北海道は稲作できず→今は産地 温暖化の影響 ☆本来米は東南アジアでは?矛盾あり?

    職人の技→工作機械で置き換え可能
    日本企業の消費者を無視した製品開発 過剰な機能、品質 ☆サービスも過剰ではないか?

    なんちゃってSEが多い 従来型の大型コンピュータを入れている企業が顧客

    ジャストインタイム→トヨタのような強い企業のみ可能

    価値はお金で表現できる 実験機器製造者が神社で孫の手の高さに驚く→価値は消費者が決める

    プリウス→運転する楽しみを感じたことなし

    アイフォンの入っている紙箱のコストに600円→デザインに対するこだわり 消費者も価値を認める

    中国での自動車販売 現金持参、乗って帰る客→販売方法は日本と異なる

    インフラ輸出 鉄道会社が中古車両(どうせスクラップにするもの)を輸出

    ベトナム 女性労働者 妊婦が多い・出産当日まで働きたい→トラブルにならずうまく対応☆システムを学ぶべき

    日本 地方でも水、電気、ガス、安全のインフラは当たり前

    中国 富裕層が1割→1億人いる

    アイフォンを分解してみた→秋葉の職人 ハンダはない・金型ではなく工作機械でつくっている部品あり

    インフラのメンテナンスをどうするか?→世界中で問題

    後進国 固定電話でなく携帯が普及 電話線のインフラ整備は不要 技術のジャンプ

    高齢化 高齢者が住みやすい街 街の電気屋

  • 筆者の原子力政策については、正直賛同しかねるが、「技術大国」幻想の下に「世界に冠たるニッポン」と幻想に浸っているうちに、国際競争力は落ち、この様である。

  • 失敗学で多くの共感を集めた畑村先生だが、これは一体どうしたことか?
    フクシマ事故でエネルギー獲得の外貨が必要になったと言うが、ウランは日本で採れるの?再処理は日本でできるの? 原発を続けたって外貨が必要な状況は変わるまい。
    また環境問題について、CO2より遥かにタチが悪い高レベル放射性廃棄物について何も言及がないのは何故?10万年も管理できるの?
    所得の二極化については、単純労働と知識労働の二項対立を前提にしているが、労働者同士の所得差なんて大したことなくて、会社を所有する資本家と労働者の二極化ではないの?
    畑村先生ともあろう知性が、こういう誰でもわかることを敢えて言わないのは何か裏があるのかと勘ぐってしまう。
    海外進出や商品開発のあり方を始めとする他の主張も、とても2015年に発行されたとは思えない陳腐なものばかりで呆れる。せっかく三現主義で色んな所を見て回っているんだから、もう少し気の利いた考察があっても良いだろう。
    とにかくがっかりした。

  • 日本の技術開発・製品開発の欠点と、その解決法を説いた書。技術偏重、高機能化、高品質化か一辺倒で、消費者ニーズを掴んでいない等、言われ続けて久しいことばかりで、特に目新しい事は書いてなかった。

  • 技術に抜きんでていた日本が,世界の潮流を読み間違えた(読むことに目をつむっていた)ということか...。う~む。

  • わかりやすく、リスク管理と日本の課題を明記

  • 価値を考えること、脳天気ではなく、自ら考える人であること、また自ら考える力を持つ人材を教育すること。御意である。

  • 新聞の書評欄にあり、「日本の技術は世界トップレベル」に疑問を呈しているところに興味があったので。

    以下、気になった内容抜粋
    ・残念ながら日本の制度は、まだまだ遅れている部分があります。・・・完璧な状態が与えられることを与条件と考えて文句をいうことにエネルギーを注ぐよりも、遅れている部分や悪い部分の解決に力を注ぐほうがより建設的です。
    ・…目の前で起こっている事実を科学的に説明できる言葉を持っていることです…しかしすべての職人がこうした真のベテランではありません。実際の職人の仕事には、日本人でなくても三年くらいまじめに修業すればできるようになるという仕事が少なくありません。だから「日本の職人がスゴイ」と板ズレに持ちあげるのは、ギャウにものづくりに対する誤解を増長させるだけのような気がします。
    ・そもそも「品質が良い」というのはどういうことでしょうか。一番大切なのは、品質とは、あくまで消費者の要求に応えているかどうかで決まってくるということです。
    ・…品質の良さなどは、今でも日本の技術のアドバンテージです…過剰なまでの品質チェックを含め、形を整えることばかりを考えているという特徴に現れています。もちろん品質チェック自体はするべきものですが、その過剰さが高価格につながって競争力を落としているとするとやはり問題でしょう。
    ・先行組と後発組にはやはり歴然とした差があるのです。この差は非常に小さなものの用に見えますが、ほんとうの意味で後発組が先行組のレベルにまで追いつくには多くの努力と時間が必要です。それはつまり、先行組が自らの優位性を認識して、その部分でえいえいと泥y串続けていれば、技術レベルの差が埋まるような自体はなかなか訪れないことを意味します。
    ・GDPが一万ドルをコスト、二輪車から今度は四輪車、すなわち自動車が求められるようになるようです。ちなみに二万ドルを越してくると、物質的に必要な物がある程度行き渡った社会になり、人々の考え方が変化してきます。
    ・人の考えや行動には階層性があります。この階層の上位にあるのは、考えるのは大変だけれど本当にやらなければならないことです。一方、階層の下位にあるのは、あまり深く考えずにやることができる決まりきったことです。
    ・どのような方向に進むにせよ、結果を出し続けるためには、常に進化し続けることが求められています。
    ・技術にせよ、社会の仕組みにせよ、最初は何も整備されていないうちは試行錯誤しながら自分たちで作っていきます。しかしそれがうまく行ってマニュアルが整備されるようになり成熟化が進むと、自分たちの頭では考えないけれど、うまくいく方法をなぞることで、効率的な運用ができるようになります。それがさらに進むと、誰かが決めたんだからその通りにやろうということになります。そうなるとなんのためにやるのか、という肝心な部分が抜け落ち、その結果、だれも考える人がいなくなる・・・・。やっている当人たちは大真面目ですが、実際は主体性も責任感もない思考停止状態でことは進んでいきます。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授、工学院大学教授、工学博士。東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会・元委員長。消費者安全調査委員会・委員長。1941年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京大学教授を経て現職。専門は失敗学、創造学、危険学、知能化加工学、ナノ・マイクロ加工学。著書に『失敗学のすすめ』(講談社文庫)、『直感でわかる数学』(岩波書店)、『未曾有と想定外』(講談社現代新書)など多数。

「2017年 『まんがでわかる 失敗学のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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