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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062883245
作品紹介・あらすじ
世界中に衝撃を与えた「パナマ文書」。だが、そこで暴露された内容も、超富裕層の税金逃れの実態の、ほんの一部分にすぎない。タックス・ヘイブン、秘密口座・・・「パナマ文書」をも上回る、巧妙で驚くべき手口とは? 衝撃の事実が明らかに!!
世界中に衝撃を与えた「パナマ文書」。だが、そこで暴露された内容も、超富裕層の税金逃れの実態の、ほんの一部分にすぎない。タックス・ヘイブン、秘密口座・・・「パナマ文書」をも上回る驚くべき手口とは? 衝撃の事実が明らかに!
税金は、誰でも払いたくはないものです。しかし、税金という財源がなければ、当然のことながら国家は立ち行かなくなります。道路などの社会インフラの整備から、警察、消防、国防に至るまで、国が担当する職務はすべて税金によってまかなわれているのですから。したがって、誰がどの程度までこの負担をするのか、その公平、公正さが長い間議論されてきました。少なくとも民主主義国家における負担の大原則として、金持ちも貧乏人も完全に同額を支払うのではなく、金持ちは金持ちなりに、貧乏人は貧乏人なりに相応の金額を支払うことが基本的なルールとされてきました。ところが最近、様々ないわゆる「改革」なるものによってこの前提が崩れています。あからさまな富裕層、大企業優遇の流れができているのです。
さらには、グローバル企業の中には、各国間の税制のズレを利用して、どこの国にも税金を払っていないものが数多く存在しています。タックス・ヘイブンにトンネル会社を作り、それらを幾つも経由した複雑なスキームを組めば、どこにも税金を払わないでも済むのです。もちろん、これは違法ではありません。「脱税」ではなく、単なる「税金逃れ」であり、ムダな支出を避けるという純粋な企業の論理として行っていることで、何らやましいことはない、というのがそういった企業の言い分です。しかしそうした企業も、その国その国において、国が整備したインフラを利用しているわけです。それも、おそらくは一般の国民などよりはずっと大規模に。つまり彼等は、国というシステムに「ただ乗り」しているのです。そのために、現在、国際協調によってさまざまな是正策が着手され始めています。例えば厳密な秘密主義を誇っていたスイスの銀行も、国際的なプレッシャーにより、今や口座名義の公開を余儀なくされています。またトービン税の導入により電子金融取引に薄く課税し、そのことによって過剰な取引を抑制しようという動きも始まっています。本書では、富裕層、グローバル企業によるさまざまな税金逃れの手口を紹介しながら、今後のあるべき税の形について考察してゆきます。
みんなの感想まとめ
税金逃れの実態とその影響について深く考察した本書は、現代の税制における問題点を鋭く指摘しています。特に、タックス・ヘイブンや租税回避の手法が、富裕層やグローバル企業によってどのように利用されているかを...
感想・レビュー・書評
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租税回避について丁寧にまとめられており、深いところまで知識を整理することができる良書
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近年話題となったタックスヘイブンを含め、国際的な課税逃れに対する警鐘を鳴らしている本。
租税回避は法律上認められた行為ではあるが、格差拡大を助長する倫理的には問題のある行為という認識で、租税回避の問題点とそれに対する対応策について解説している。
新自由主義的な流れやビジネスのグローバル化に伴って、税の累進性の軽減や国際的な租税回避が加速しているそうだ。
新自由主義のトリクルダウン理論とやらは実際には機能していないようで、格差は拡大していく一方である。
著者は倫理的な面から格差拡大は好ましくないという立場だが、経済的な格差の拡大が経済成長の妨げになっているという研究にも言及する。トービン税や貯蓄税などの導入で、課税逃れに対抗していくべきだとの見解である。
たしかに、富裕層が過剰な課税逃れをしながらも自国の社会インフラを享受するフリーライダーとなるのは許されないというのは分かる。
自分の子孫に財産を残すためだけに課税逃れをするのは、あまりかっこいいことでもないだろう。
ただ、その税金の使い道が本当に満足のいくものであるかは微妙な場合もあると思う。
財団を作って自らの資産を管理することは、単なる課税逃れだけではなく、より良い資金の使い方をしようという意思の表れでもあるように思う。
個人的には、自分なりに世界を理解して税に頼らない公平性の実現をしていきたい。 -
【目次】
目次 [003-005]
はじめに──トマ・ピケティの議論から 006
一つのグラフの衝撃/ルソーに還れ/税の公平をないがしろにするフラット化/「無国籍」企業/現代の「逃散」/われわれ全員の問題
第一章 租税回避はどこから生まれるのか 019
平等と公平/金融立国ルクセンブルクが象徴するもの/ルーカス・パラドックス/反攻を開始する国家──日本人議長によるチャレンジ/国際課税の枠組み/租税回避行為の合法性/イギリスの租税法律主義/日本の租税法律主義/武富士事件/最高裁のジレンマ/法の抜け穴は法で塞ぐしかない
第二章 税金は誰が負担するのか 059
税金は何のために使われてきたのか──戦争と税の生い立ち/迫り来る高齢化と社会保障/負担を避ける富裕層──国を支える気概の喪失/富裕税の現状/トリクル・ダウンに期待する経済政策は成立するのか?/よみがえる格差/法人に対する見方と二重課税への対応/法人税における税の帰着/法人税の実効税率とは/法人税の実負担率/日米の大手企業における法人税の実負担率の状況/世界の法人税実負担率/日本IBM事件
第三章 租税回避の構成要素 109
租税回避区/国および地域/租税回避の類型/導管国/信託/秘密口座
第四章 タックス・ヘイブンとは何か 139
タックス・ヘイブンはどこにあるのか?/多国籍企業における国際的租税回避の現状/移転価格税制に大きな影響を与えた事件/世界最強のタックス・プランニング/地下経済の規模推定/日本における公的個人情報の実情/FATFによる日本の現状評価/日本はタックス・ヘイブンなのか?
第五章 税は国境を越えられるか 171
インターネット国際取引の消費税問題/時代遅れになった課税権に関する規準──レベニュールール/国際課税としてのトービン税/これまでのトービン税に対する批判/トーピン税はグローバル・タックスなのか?/グローバル・タックスの先行事例──航空券連帯税導入の波及効果/個人情報の多国間共有──FACTA/税務調査情報の共有と税務執行の相互扶助制度
第六章 国民福祉国家の再創造に向けて 201
今日の税制の特徴── 一般庶民への課税強化/日本における貧困問題/富裕層や多国籍企業はフリーライダーなのか?/新しい税の方向性
おわりに──「公正・公平な」真のグローバル時代の始まり [226-229]
【抜き書き】
租税回避の類型
国際的な租税回避の典型例であるダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチは、八○年代後半にAppleによって開発されたと言われている。G20の要請に基づきOECDは国際的な租税回避への規制強化に着手した。それでも租税回避は進化を続けるだろう。
租税回避スキームはさまざまなタイプが存在している。二○一三年一○月の内閣府税制調査会の国際課税ディスカッション・グループで配布された資料では、検討事例として、ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチの他に、スイス・トレーデイング・カンパニーとハイブリッド・ポンドの二つのスキームを取り上げている。
租税回避スキームにはさまざまなバリエーションがあり、このような概括的な分類しかできない。
租税回避の形態を合法的なものから順に並べて類型化してみる。
1.租税特別措置法や相続税法の特例などの優遇税制を利用する租税回避
2.タックスシェルターと呼ばれるような金融商品を利用する租税回避
3.移転価格での価格差を利用する租税回避
4.オフショア市場やタックス・ヘイブンを利用する租税回避
5.移住などによる租税回避
1の租税回避は政策的な優遇税制で、国が認めたまったく合法的な租税回避である。法人向けの租税特別措置法は、これまで設備投資を促す上で珍重されてきた、プラントなどの装置産業で、設備投資を促進するための割増償却がその代表例である。また個人向けでは、一定面積以下の居住用の宅地の相続税評価額に八○パーセントなどの著しい控除を認める小規模宅地の特例などがある。
2のタックスシェルターにもさまざまな種類があるが、パッケージ化された節税商品と考えればいい。典型的には、この種の節税商品を購入することで、課税の繰り延べが実行される。商品は、動産・不動産への投資、パートナーシップによる所有権の移転などさまざまな組み合わせによる。第四章で触れるアメリカ政府から問題視された、UBSなどプライペート・バンクによるオフショア資産運用はタックスシェルターの進化形といえる。
3の移転価格は、第四章のダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチの例でも見るように、4の一部を構成する場合があるが、最もシンプルな例は、子会社による国外での生産、親会社による本国での製品の引き取りと販売のケースである。グループ会社間での内部取引であるため、海外工場からの親会社の引き取り価格は、通常親会社の意向で調整可能である。生産する国外の方が低税率であれば、引き取り価格をできるだけ高く設定することで国内の高税率を回避することができる。これは多段階に拡大することが可能で、これによって利益をさらに拡散させることが可能となる。
4は、タックス・プランニングと呼ばれるオフショア市場を利用した規制回避にはじまり、パス・スルーやメールボックス・カンパニーなどの特殊な税制や法人形態とタックス・ヘイブンを組み合わせて利用するもっとも複雑に進化した租税回避である。このケースでは、第四章で見るアドピのように世界規模での組織再編を利用するもの、ダブル・アイリッシュ・ダッチ・サンドイッチのように海外各地に点在する子会社間での取引を通じて租税回避を行うものなどがある。
最後に5は、文字通りの課税からの逃避である。要するに高税率国に居住するから高い課税が行われるわけだから、居住地を低税率国に移動すれば課税を低くすることができる。このような理由から海外へ移住する例は非常に多い。これについては、第二章でIKEAの創業者イングバル・カンプラード氏などいくつかの事例を挙げた。日本でも東南アジアで老後を過ごそうという人が増えているが、これもその一例だ。たとえば、アジアにもまったく税金がかからないブルネイのような国が存在する。武富士事件も一時的に海外に住居を移すことで贈与税を免れた事例であり、この類型の一種と考えられる。 -
速読で読了。論点が広がりすぎだったが、税が取れないと社会の仕組みが上手くいかないという危機意識は共有。
知ってはいたものの、日本では、銀行や商社、自動車産業の税の実負担率は低い。99頁の個別企業の実負担率の表で、改めて分かった。
本書では、分析が足りなかったが、日本企業は欧州企業に比べて、社会保障負担も低い。
利益に課税する法人税より、経済活動の対価として払わせる外形標準課税の方が、良いのだろう。
本書で指摘するように、無国籍企業への課税は全世界的な課題。
160頁の地下経済で失われた税収の国際比較も面白い表。
やはり、マイナンバー等で不正を働きにくくする仕組みを入れていくしかないのだろう。 -
税の公平をないがしろにするフラット化の問題について書かれてある。
・その中でに気になったのが、日本の信託制度がその利用方法によってはスイスの秘密口座に勝るとも劣らない強力な魔法陣としての役割を果たすことになるということだ。日本にもタックスヘイブンへの入り口があるというくだり。
・最後216ページに著者の強い怒りが感じられる。
「富裕層の多くは、幼くして安全な環境に暮らしその後、充実した高等教育を受けられたからこそ現在の地位があるはずで、多国籍企業も、社員とその家族が安全で豊かなインフラを享受することで、初めて企業経営が維持継続されているはずである。
<途中省略>
国民国家、すなわち民主的福祉国家の維持にはすべての階層の参加が絶対条件だ。そのことに納得ゆかない富裕層は故郷を捨てる覚悟をもつべきである。」
正直税金についてはほとんど関心はなかったが、
大いに考えさせる内容だった。 -
2015年9月新着
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8.22
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345.1||Fu
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