ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える (講談社現代新書)
- 講談社 (2015年10月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062883405
作品紹介・あらすじ
放送・通信の黒船がやってきた! 2015年9月に上陸したネット配信の覇者ネットフリックスと、それを迎え撃つHulu、dTV 、アマゾンなどの巨人たち。
動画配信された作品を「イッキ見」するという新しい波は、テレビのビジネスモデルを、私たちの生活をいかに変えるか、最前線からの報告。
・「レコメンド機能」など、「ネットフリックス」の世界有数のデータ解析力。
・日本型動画配信を拓いたNTTドコモとエイベックス「dTV」。
・日本テレビ傘下「Hulu」のコンテンツ戦略。
・ネット配信を迎え撃つディスクの巨人「アマゾン」、「TSUTAYA」。
・民放キー局の「見逃し配信」サービス。
「テレビの前のお茶の間」という習慣が失われた時代の新しいコンテンツ消費の姿を、第一人者が描く!
感想・レビュー・書評
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文字通りNetFlixとそれを取り巻くSVODの未来について書いた一冊。
2015年出版であるものの、概ね著者の言う通り時代が推移しているように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
Netflixもまだニッチな存在であると思うし、無料が当たり前の若い世代にどうやって根付くんだろう これからが面白い
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テレビとネットの関係。
スマホ時代の映像配信では、端末を選らばず、(番組の)続きが見られるサービスは有効である。
テレビを見ない世代では、「イッキ見」をする環境があれば、視聴率はあがる。
音楽ネット配信で(買う)状況が変わった。
ビッグデータがテレビを変える。
放題≒フリー? -
身近にHuluのユーザーがいる。地上波テレビもTVerなどで見られるようになってきた。また、音楽の世界でもネット配信はポピュラーになった。そうなると、テレビや映画といった映像も、ネット経由でオンデマンドで見ることが普通になってくるのかもしれない。そんな問題意識をくすぐる本に出会った。
本書は、アメリカにおけるネットフリックスの興隆を含むSVOD(有料で見放題のビデオ・オン・デマンド)の普及、日本におけるSVODに関する各供給主体の動き、音楽分野における流通経路の変遷などをバランスよく紹介している。
日本でSVODが普及するかどうかについての見通しは、必ずしも明らかでない。マスコミは、新規性の強いものを過剰に報じるので、近いうちにテレビが廃れてSVODが一般化するかのような雰囲気もあるが、筆者はやや慎重に考えているように見受けられる。それでも、映像の流通チャネルは確実に変化しつつあり、キー局のコンテンツを流すことが主体の地方テレビ局などその存立基盤が危うくなっていることにも警鐘を鳴らしており、大変説得力がある指摘が多い。中々有益な一冊であった。 -
ネット配信ビジネスの「覇者」と迎え撃つ「巨人」たち。「テレビの前のお茶の間」が失われ、「イッキ見」という視聴習慣が生まれつつある時代の「コンテンツ消費」最前線を紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40232011 -
2022年7月~9月期展示本です。
最新の所在はOPACを確認してください。
TEA-OPACへのリンクはこちら↓
https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00520127 -
2022/02/13
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・視聴率1% →関東18万世帯(関東世帯数1,800万世帯)
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2015年と少し古い本なので、さすがに事例は昔話の感がしてしまうが、テレビ、コンテンツ販売、ストリーミングのビジネスモデルの変遷について、あらためて全体像を振り返ることができた言う意味では価値ある1冊でした。
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配信ビジネスの巨人!ネットフリックスについて解説!
ネットフリックスによって、ビジネスがどう変わるか?と言うよりも、今社会で何が起こっていて、生活がどういう形で変化しているか?を追っている。
音楽ビジネスを例にとって、「所有する必要がない時代が来た」ことを示している。
動画の世界はいったいどうなっていくのか?
広い視野で見ないと絶対に見えてこない世界。
当社の経営陣にはそれが見えるのか?見えてないのか?
(2015/11/30) -
2019年7月30日読了。
●「SVOD」
→サブスクリプション(定期購買)型ビデオ・オン・デ
マンド
●「マルチデバイス」戦略
→従来のVODは、テレビならテレビ、パソコンならパソ
コンでしか視聴できないものが多かったのだが、ネッ
トフリックスは、同じID・パスワードでアクセスする
限り、どの機器から見てもOK。どの機器でも「さっき
見ていた続き」から見ることが可能。時間の有効活用
という意味で実に画期的。
●ネットフリックスに代表されるSVODでは、映像をダウ
ンロードせず、遂次送信する「ストリーミング形式」が
使われる。
●Hulu
→NBC、FOX 、ABCというアメリカのメディア大手が共
同出資して生まれた配信事業者で、2011年8月に日本
参入。元々はYouTubeの対抗として2008年にスタート
した。
●アニメ「妖怪ウォッチ」が、マルチメディア展開で大ヒ
ット。Huluでも猛烈な回数、視聴されたが、実は子供だ
けでなく、その親が喜んだ。夕方の家事の忙しい時に見
せておけば手が空いた。
●「キッズアニメ」
→従来のビジネスモデル。
「深夜アニメ」
→権利者や関係企業が枠を買い取って放送。
「見せることが最大の広告」と捉え、さらにマルチ
メディア展開していく。
●ドラマの見逃し配信が最終話に向けてどんどん上がって
行った作品の最終話の配信量は減少。これは皆、最終話
をテレビで生視聴したから。
最終的には、「生視聴」が強い。
●ネットフリックス日本法人、ピーターズ社長
「Binge Wacth(一気見)出来ることに大きな価値があ
るのではない。好きな時に好きなように見れる事が重
要。そこに、我々が“コンシューマ・コントロール”と呼
ぶものがある。我々は、皆さんに自分のペースで見る機
会を提供したいのだ」
●音楽ビジネス
「所有するものを買う」→「聴くための権利を手に入れ
る」
Spotify…2008年にスウェーデンでスタート。
ストリーミング・ミュージックを広めている。
会員になると同社のライブラリーに登録された
曲から、好きなものを選んで聴ける。
創業2年を待たずに、ヨーロッパで800万人の顧
客を獲得。2011年にアメリカに進出し、2015年
現在、ユーザー数は全世界で7500万人超。
●映像ビジネス
→「同じ映像を一回しか見ない人が大半」
「愛着を持ったコンテンツを何度も消費したい人向
け」
→音楽とは真逆の性質。
●ネットフリックス社員2000人のうち、半数は技術系
これは、巨大なタグ情報と行動履歴解析に携わる。
つまり、世界有数のデータ解析企業でもある。
●収益を多角化し、その効果測定を行う手法があるから
ハリウッドなどは、予算割けるという部分もある。
●ネットフリックス大崎氏
「幸いにして我々のコンテンツには、映画と違って、劇
場公開の収益のような厳しい縛りがない。より長期的
な視点で収益を判断する」
●「勇者ヨシヒコ」(テレビ東京)
日本のネット配信、最大のヒットという声も。
低予算であろうが、マニアックであろうが、コンテンツ
の中身がしっかりしていて、それが顧客にリーチ出来れ
ば、長期的に収益が生まれる好例。
●「ウインドウ戦略」
コンテンツを公開する順番をうまくコントロールし、
収益機会の最大化を狙う。
古典的なもので言うと、映画。
映画館→ディスク→レンタル→有料放送→地上波
SVODにおける同戦略も一番上に配置されるのが
「映画」から「SVOD」になっただけ。
●↑に続くが、昨今、その後の動きには強いこだわりは
持たない。(P208)
ウインドウの流れや独占をスクラップし、新たな価値観
と戦略が重要。
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ネットフリックスのことは、まったく知らなかったので読んでよかったが、
途中まででなんとなく先が見えた感じがして 終了。
今でも TVと 録画を見るのに精いっぱい。
それ以外に 有料コンテンツを見る時間はないが、
特にこれっ!といったものがあれば見るだろう。
→ URLはこちら https://www.netflix.com/jp/ 『Netflix (ネットフリックス) 日本 - 大好きな映画やドラマを楽しもう! 』 :
→ URLはこちら https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9 『ネットフリックス - Wikipedia 』 :
2017/07/20 予約 7/26 借りて読み始める。8/22 途中までで読み終わる。
内容・著者は
ネットフリックスの時代 配信とスマホがテレビを変える (講談社現代新書)
内容 :
ネット配信ビジネスの「覇者」と迎え撃つ「巨人」たち。
「テレビの前のお茶の間」が失われ、「イッキ見」という視聴習慣が生まれつつある時代の「コンテンツ消費」最前線を紹介する。
著者 : 西田 宗千佳
1971年福井県生まれ。ネットワーク、IT、先端技術分野を中心に活躍するフリージャーナリスト。
著書に「漂流するソニーのDNA」「スマートテレビ」「世界で勝てるデジタル家電」など。 -
https://youtu.be/7cM7wUsdYsM
こちらの動画と併せて読みたい本 -
サブスクリプション型のサービスが増えてる中で、テレビでは実現できなかった利便性、新たなニーズの開拓の草分け的存在であり、これからもこの業界のトップリーダーであり続けるための挑戦がよくわかりました。
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ネットフリックスを代表とするSVODの登場によってテレビの在り方、変化について書いた一冊。
ネットフリックスやHuluを代表とする定期購読型のビデオオンデマンドであるSVODの登場によってテレビの業界やまた音楽の業界が従来から大きく変化していることを本書を読んで感じました。
お茶の間で何となく点けて見ていたテレビという時代ではなく、いつでも好きな時に見たいものを見るという配信サービスが私たちの生活に徐々に浸透しつつある中で、SVOD事業を行う各社がオリジナルコンテンツの充実や先行配信などの戦略で競い合っている現状や視聴率の概念を覆すレコメンドの存在とそこから予算編成などコンテンツの製作に変化が起きうることなど本書を読んで知ったことも多くありました。
本書を読んでSVODがテレビの存在を脅かすものと捉えらていますが、むしろ共存するためのいちツールではないかと感じました。
従来のテレビや映画館など単一的に発信されるだけのコンテンツが映画やアニメ作品の先行配信やオリジナルコンテンツの配信などを行うことによって、コンテンツの発信方法が多様化し、そこからファンが共有するイベントなどのコト消費へと発展したりとSVODから新たな可能性も感じました。
ネットやスマホが大衆のものとして普及し、従来の私たちの生活に変化が生じていること、そしてその変化を受け入れることが私たちにとって重要であることを感じさせられた一冊でした。 -
日本のサービスだめだよね!Netflix最高!という内容。本書の内容は、なんてことないのだが、かつて国内で期待された「アクトビラ」の失敗と対比しながら読み進めると興味深く読めた。同社は PanaとSONYを中心に、TVに標準装備されるサービスだったが、鳴かず飛ばず。サービススキームを作って、あとは放置というパターンは、箱物行政にも通じる日本の失敗パターンか。
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メディアレンタルも国が変われば事情も異なる。日本であれば学校帰りや仕事帰りにちょっと駅前で、というノリだが、米国はそうはいかない。最寄りのショッピングセンターですら週末マイカーで1時間かけて、の世界。ネットフリックスが米国で誕生したのは、ある意味必然であり合理的な時代の流れ。ゆえにそれ自体は大したことではない。ネットフリックスの凄いのは、オリジナルコンテンツをネット配信に組み込んだこと。なんとそれだけでTVという巨大メディアの放送モデルの対抗馬になってしまった。まさにゲームチェンジャーのポテンシャル。第4次産業革命に匹敵するメディア革命といえる。
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レビュー省略
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アメリカで成功を収めているVOD(ビデオオンデマンド)大手のネットフリックスの発展とそれに伴うテレビなどの既存メディアの関係性を映画や音楽と言った視点から解説してある。日本ではまだまだテレビが強いものの将来的にはVODにかわられるのではないかと思った。録画して見る人が大勢いる中で、未だにリアルタイムに観てる人のみを対象にした視聴率という数字に縛られているテレビ業界。映画やドラマの番宣のためにテレビに出まくる俳優さん達に辟易しつつある。その点VODは見たいときに見たいものを観れるし、リアルタイムに視聴数が多いコンテンツが分かるらしく、広告出す側も効果的にうてるのではないかと思った。良書。
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SNSからの伝播も多いが、まだ番組はテレビでの宣伝が今も一番効果的。
暇つぶしの機器のファーストチョイスがスマホになった。
ネットでのSVODはイッキ見が増加した。
週に1話というテレビの世界を崩壊させた。 -
丁寧な取材に基づいた良書。SVODの現在、変遷とその潮流について深く知ることができる。
・Netflixの成り立ちがネットでのディスクレンタルから始まった
・2012年にオリジナル路線を強化し、オリジナルコンテンツであるハウスオブカードにハリウッド並の100億円をかけ、エミー賞を受賞するレベルのクオリティまで仕上げて大ヒットした
・Huluは海外ドラマフックで始めたがパイが小さいため苦戦→日本テレビ資本で日本のドラマコンテンツを充実させて再チャレンジしようとしている
・テレビはSVODに食われると思って毛嫌いするが実は消費者行動を調べると補完的な役割。見逃し配信が宣伝になってテレビに戻ってくる(だから最終回に近づくと見逃し配信再生数は減る)
・アニメはネット配信に向いている。権利が自社に固まっているため配信までのコストが小さいから利益が得やすいため
・NetflixでもdTVでもコンテンツにタグをつけてリコメンデーションしている。監督名などのメタタグだけでなく、恋愛、身分違いの恋などのレベルで人海戦術でつけている。それが、イッキ見につながる
・Netflixはデータドリブン。ただしコンテンツ制作はクリエイターに任せ、そのコンセプトで当たるのかという市場調査に金と時間をかける。巨額の投資を確実にするためにここに最もかける。(ハリウッドと一緒)
・SVODはとちゅにCMを挟まないため、尺に制限がない。よってコンテンツとして放送でできないことが生まれてくる可能性がある
・バンダイが大作アニメでとるウィンドウ戦略が面白い。プレミア上映、同時に高額ネット配信する -
SVOD(定額ビデオ配信サービス)の時代がきた。
Netflixの強み、あるいはSVODの強みとして、レコメンドエンジンの効果、イッキ見の中毒性、テレビ放送エリアの問題など書かれているが、結局一番はどこまでコンテンツを充実させるかにかかっていると思う。
本著の中でも権利問題についてアメリカと日本の違いが書かれている。
イッキ見は英語でBinge Watching というらしい。(p105)
文章は平易で、さらっと読める。
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memo
88
アメリカでは、出版でも映像でも、製品化する際には、製作者・出演者等と企業とのあいだで、包括的な契約を交わすのが一般的だ。要は「著作権や肖像権はあなたのものだけれど、あらゆる形で製品化する際の判断を企業が行う」といった契約が交わされるわけだ。日本の場合違う。(略)特に日本の場合には、芸能プロダクションの力が強く、彼らが「ビジネスとしてクラスである」と言う判断を下さないと、権利処理がままならない場合も多い。(略)アニメは権利者が集中しており、実写と違い出演者も少ない。
101
見逃し配信は日本のなかならばどこからでも見られる。自県で放送していない番組でも、だ。 -
ネットフリックスというより、SVOD(定額制動画配信サービス)についての本。
SVODというと自分はHuluを思い出すのだけど、アメリカではHuluよりネットフリックスのほうが人気なんだとか。日本にも流行の兆しがあるらしく、中にはテレビのリモコンのボタンに『NETFLIX』なんてボタンがあるテレビもあるそう。そこまでの存在なのか。個人的には、TVerを気軽に見れるテレビがあればうれしい。
動画配信というと、よく動画が止まるんじゃないかと思うのだけど、『適応型ストリーミング』といって、回線速度によって画質を変更する技術を用いているらしい。理論は分かるけど、どういう仕組みなんだろう。
何気にこの本を読んで驚いたのが、『dTV』というサービスが、ドコモよりもエイベックスのほうが出資比率高いという話(エイベックスが7割だそう)。もはや、ドコモのサービスというイメージが強いけど、むしろエイベックスのサービスだよなぁ……。
それと、日本における見逃し配信の筆頭は2002年に放送された、『機動戦士ガンダムSEED』らしい。そんな前からアニメの動画配信があったことに驚き。ただし、フレッツ利用者限定のサービスで、地域によって見れないようにしていたんだとか。なんじゃそりゃ。
なお、日本において優良音楽配信は2009年をピークに下がっているのだとか。なぜ、2009年にピークだったかというと、フィーチャーフォン向けの着うた市場が強かったかららしい。確かに、今はCDレンタルしてコピーしたものをスマホに簡単に入れれる時代になったしね。なお、CDレンタルというビジネスは日本特有らしい。何でなんだろう? -
ネットフリックスに代表されるストリーミング型のVODサービスについて、現状が上手くまとまってます。
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コンテンツ業界における革命とも評されたNetflixに関して、ユーザーの姿勢における登場前後を比較して論じた書。
ユーザーがコンテンツに求めるものがガラリと変容してしまったのだと改めて感じた。 -
詳細なレビューはこちらです↓
http://maemuki-blog.com/?p=7575 -
初めて知る内容が多く興味深かった。
業界トレンドや各社の戦略について深く分析されている -
ネットフリックスなどのネット配信ビジネスが世の中に与えてきた影響についてコンパクトにまとめた本。
よくまとまっているが、今後の方向性については特に示されていない点が残念。
・ネットフリックスはAWSをフル活用している
・ネットフリックスはじめネット配信事業者はレコメンド機能の開発にしのぎを削っている
・レコメンド機能の元データになる、タグ付けは人海戦術で行われている
・ネット配信事業者はアンケートはしない。タグ付けデータと視聴者の行動をもとに解析を行い、レコメンドを提供する -
良く解りました。
TV業界も胡座掻いてたけど、これからは変わるのかな? -
2015年12月新着