信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883467

作品紹介・あらすじ

普通預金はもったいないのか? 銀行員が勧める金融商品は信用してよいのか? 銀行員が教えてくれないお金の正しい運用法を明らかに

感想・レビュー・書評

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  • 良著。

    まえがきの4行目「とんでもない! 銀行員を信じる人になってはいけない」というのが本書のメッセージだ。
    とあるとおり、自分の資産は銀行に相談せず、リテラシーを身につけて、自分で考えながら実行すべきとする書。

    第一章の「お金の運用、7つのツボ」と第4章の「『普通の人』のための運用の簡便法7つのステップ」、「大人の投資教育で大事な10の考え方」を読むだけでも、十分元が取れると思います。

  • レビュー省略

  • 今すぐ投資信託を売りたくなりました。銀行員の給料にしてたまるか!

  • ・山崎氏の既読の本との差分を比較して、最も充実している本を購入する。
    ・個人向け社債は、機関投資家が魅力を感じないためリテールに回されてため購入しない。
    ・リボ払いする人は経済肝炎が弱いので結婚してはいけない。
    ・心理学的に、親切に話を聞いてくれたり、自分のために時間を使ってくれたりする人に、ある種の負い目を感じるため、無料のFP等に相談をするとその心理にはまってしまう(自動車セールスもその一環)。
    ・MRFも投資信託の一種なので、証券会社が倒産しても、MRF自体は全額補償される。
    ・銀行員の適正は、①大人になっても勉強が苦にならない、②出世を自分の価値観にできる、③ストレスに耐えられる自信がある。さらに、採用時の学歴等の序列がずっと付いて回る。
    ・お金の長所は後から使途を自由に決められること。効率よく増やしておいて、後から使途を考えれば良い。学費、医療費(保険)、老後資金等を分割してそれぞれに備えて別々に運用する必要はない。分割損が出てしまう。
    ・投資の判断(買い増し、売り)は、自分の買値に関係なく行わねばならない。自分の買値へのこだわりを捨てて、合理的な判断と行動ができるようにする。
    ・NISAは運用益が非課税になるので、運用全体の中で長期保有でかつ期待リターンの高い資産(株式ファンド等)の運用に使う。債権ファンド等には向かない。
    ・ドルコスト平均法の弊害は、①十分な運用資金がある場合、機会損失につながる、②売買手数料が余計にかかる、③分散投資でない場合はリスクが集中する(持ち株制等)。
    ・お金の運用で重要な原則の1つは、運用の相談相手と購入相手を一緒にしないこと。相談相手は有料のFPが良い(無料の場合は証券会社と何らかのつながりがある)。

    ・TOPIX連動ETFでお勧めは、ダイワ上場投信トピックス、TOPIX連動型上場投資信託、上場インデックスファンドTOPIX。
    ・運用商品のリターンは、①市場リターン、②運用者による運用スキルのリターン、③手数料、で決まる。②は予測不能(アクティブファンドは不採用)。①は全ての商品で同一条件。同じカテゴリー商品で③が最安値のファンドを購入すればよい(資産残高と推移も考慮する必要あり)。
    ・日本のような低成長な市場でも、既に市場価格がそれを織り込んでいれば、将来の成長率が現在の予測よりも上回ればリターンを期待できる(これまでの日本市場の低迷で既にこららが反映されたと考えられる)。
    ・要求リターンは「金利+リスクプレミアム」であり、リスクプレミアムは論争中だが、一般には5~6%とされている。
    ・長期投資ではリスクが小さくなるのではなく、大きくなる。「ウォール街のランダムウォーカー」でも小さくなると記述されている。実際には、既に数学的にリスクが大きくなることが証明されている。ただし、若い人がリスク資産に長期投資していい場合は、人的資本(将来の所得)が大きいことと、所有する金融商品が人的資本より小さいため。
    ・運用期間の長期化とともに、①運用資産額の変動幅は拡大する、②運用資産の期待額も拡大する、③株式リターンの現れ方がランダムであれば投資家が選択すべき最適なリスク資産比率は運用期間によって変化しない、④若者がリスク資産の比率を高めてよいのは人的資本が大きいため。
    ・長期投資と短期投資の違いは、売買コストの影響のみ。売買コストがかかる商品では、長期ほど売買コストの償却期間を長期化して期待リターンに与えるマイナス効果を抑制できることにある(つまり、ノーロード商品では違いはない)。
    ・購入時に損切、利食いの目標設定することは合理的ではない。損切、利食いする時は、購入時より市場は変化していて、情報も新しくなっているので、その情報に基づいて判断すればよい。
    ・テクニカル分析をプロが運用に活用することはない。検証を経て有効性が確認されたテクニカル分析手法は存在しないため。
    ・テクニカル分析よりファイナンス研究の知識を持つ方が有効。
    ・ヘッジファンドは詐欺まがいの商品なので手を出さない。
    ・過去の運用成績と将来の運用成績に相関関係はない。
    ・TOPIXは統計指標として株式による社会全体の富の増え具合を表す指標としては望ましいが、運用されるポートフォリオとしては「今一つ」。
    ・日経平均は、どの銘柄が何株で計算されるかがはっきりしていて、かつ銘柄数も225と少ないので、デリバティブの裁定取引に使うには大変都合が良いが、運用するポートフォリオとしては値高株のウェイトが異様に高く、バランスも悪く、分散投資効果が損なわれていて、かつ値高株の期待リターンが高いと判断する根拠もないので、こちらも「今一つ」。
    ・アナリストの分析情報を用いて平均的かつ安定的に利益を獲得することは出来ない。つまり他人を頼ってはダメ。
    ・手元に残す資産は支出の3カ月程度。残った当面使わない資産を運用する。
    ・運用資産のなかで、リスク資産は、1年で投資額の1/3くらい大損するかもしれないが平均的には銀行預金より5%利回りが高く、幸運なら大損と同じ確率で4割くらい儲かるかもしれないと考えて、金額を決める
    ・リスク資産は、50%をTOPIX連動型ETF(MAXISトピックス上場投信)に、50%を外国株式連動インデックスファンド(ニッセイ外国株式インデックスファンド、三井住友DC全海外株式インデックスファンド)の中で手数料が最も安い商品に投資。
    ・確定拠出年金とNISAには、リスク資産を集中し、足りない分はネット証券の口座を使う。DCで外国株式インデックスファンド、NISAでTOPIX連動型ETFに投資する。
    ・無リスク資産は個人向け変動金利10年満期型国債、MRF。
    ・まとまった資金があるならば、ドルコスト平均法ではなく、自分にとっての適正投資額を遠慮なく一回で投資する。
    ・毎月給与からの天引きでの運用ならばドルコスト平均法を採用する。この場合は、ノーロード商品に投資する。
    ・現在のような低金利では、今後の金利上昇による値下がりリスクがあるため国内債券はお勧めしない。長期金利が2%を超えたら国内債券をポートフォリオに組み込む。
    ・外国債券は為替リスクの沖差に比べて期待リターンが低いために除外した。さらに先進国の金利が低いことも原因。
    ・市場のチェックとして、TOPIX、米ドルと円の為替レート、ニューヨークダウ、長期金利は毎日チェックし、前日と比較してなぜそうなったのか1分でも考えてみると良い。
    ・資産の売り時は、①お金が必要になった時、②買った理由がなくなった時(持っている理由がなくなった時)。自分の買値に関係なく必要な額だけを売却する。
    ・運用の選択は、利回り(リターン)で判断する。インカムゲインとキャピタルゲインの両方を合わせた利回りで評価。複利効果も考慮する。「72の法則」とは、72を%単位の利回りの数字で割り算すると運用資金を複利運用した場合に運用資産が2倍になるのにかかる大まかな年数を計算できる。
    ・リターンの標準偏差でリスクを表し、平均からマイナス2標準偏差(起こりうるケースの悪い方から2~3%程度の事象)くらいで最安区のケースの見当をつける。内外株式のインデックスファンドを半々に組み合わせると、平均リターンが5%で、最悪のケースが1年で1/3のマイナスになる。
    ・機会費用とは、ある選択肢を取ることによって放棄した別の選択肢の潜在的利益の中で最大のものを指す概念(時間をお金に換算したり、娯楽のためにバイトをサボった分の収入源等がそのものの金額にプラスされる)。
    ・サンクコストとは、人が行動した結果、その際に生じたコストが後の意思決定に影響すること。現時点よりも後のコストとベネフィットのみで意思決定するべき(これまで30億円投入して、残り30億円の費用でビルが完成できる場合に、完成後のビルが40億円の価値を持つなら継続すべきで、20億の価値なら建設を中止する)。投資であれば、買値は過去の事象なので、現点で売却する判断材料にはしないこと。

  • 初っ端から書いてあるけど、書名の結論としては、「ダメ」とのこと。
    どちらかというと、マネー運用はこうしたらいいという話よりも、こういうことはしてはいけないという話が多かった。
    まあ、簡単にまとめると、自分のお金のことなんだから人に任せるなということかな。特に、完全にお金の運用を任せるラップ口座はダメだし、一見するとよさそうなバランスファンドもダメらしい(ただ、面倒くさがり屋な自分としては、ドルコスト平均法ぐらいは許してほしいところ)。
    顧客の側がリスクについて相談したいなら、運用商品の販売に関わっていないファイナンシャルプランナーの門を叩くべきだとのこと。どこにその門があるのか書かれてなかったけど、あちこちにあるもんなのだろうか。
    それと、株を売るタイミングについては、買値を気にするなとのことだ。まあ、自分が買ったときより安くなってたらどうしてももうちょっとあがってからってなるよね。
    それにしても、転職回数12回ってすごいな。正直、こういう人のほうが信じられないような気がする(本書にも、自分みたいな経済アナリストも信用してはいけないというようなことが書いてあったけど)。

  • タイトルに関して大雑把に言えば「銀行員は投資家側に有利な営業はしてくれないよ。運用する上で、投信を選ぶ上で大事なのは手数料であって、それは銀行側の利益と相反するものだよ」という内容。あの手この手で手数料を稼ごうとする銀行に強い口調で牙を剥く。

    合理性を追求した話には納得できる部分も多かった。
    期間や運用する商品のバランスでリスク管理しようとすることは間違っていると説く。
    「販売・運用手数料が安いシンプルな投信に許容できる損失を計算して金額を調整することでリスク管理をする」ことが肝要、というようなことを仰っている。

    1章と4章が初心者向けで読んでいて面白いけど、正直2~3章は中級者向けでは。そして良くまとまっているとは言い難いかも…
    オプション取引や理論株価、為替の金利裁定の話まで触れられるが、かなり飛ばして説明するので中途半端な上にわかりづらくなっていて、しかもずいぶん話を広げたなあという印象。(最終4章でちょっと気にしたのか「話を盛りだくさんにしすぎて読者が持て余す心配がある、反省」みたいなことがちょっと書いてある)

    まあ銀行員や証券マンに対しての心構えやインデックス投信の良さなど話のコア部分に関しては概ね良い内容で非常に同意できる。
    ただなにぶん話が広がりすぎてわかりづらいことや、テクニカル分析や運用報酬への批判は正直「屁理屈じゃね?」と思われる内容だったり、金利裁定の式を説明する本文では明らかに誤植(ただでさえ初心者にはわかりづらいのに説明に対応する文字式が間違ってるんですよ…)があったりしたので惜しいところ。


    個人的に2章のまとめ(おまけ?)部分での話が興味深かったので以下引用してメモして終わり。

    【金融工学も行動ファイナンスも、新しい理論の出現当初は、これを金融市場での運用やトレーディングに応用して儲けることができないか、というストレートで真面目な応用を試みられることがあったのだが、その後、「競争的な市場の世界にあっては、特定の理論で儲け続けることは簡単ではない」という当たり前の事実が知られるようになり、こうした応用は下火になった。
     代わって登場したのが、投資理論の金融マーケティングへの応用だ。たとえば、金融工学は、複雑な条件の仕組み商品を作り、実質的な手数料を見えにくくすると共に、顧客が魅力的だと誤認しやすい商品の設計に使われている。】

  • 銀行員の実態とそれを踏まえた上でどんな付き合い方をすればいいのかを説いた本。
    騙されそうになったら、正しい知識を武器にして戦えばいい。
    できれば付き合わない方がいいが、そうもいかないので実態を正しく理解し、こういう事情がありそうだなとそれとなーく匂わせて本音を誘って交渉するといいかもしれません。

  • ・手数料の低い投信が正義
    ・インデックスファンド〉アクティブファンド
    ・テクニカル分析は不要

  • 銀行で買ってもいい運用商品は個人向け国債変動10年のみ

    ドルコスト平均法は有利ではない
    ドルコスト平均法が「悪い」とはいっていない

    毎月分配型ファンドは買ってはいけない
    手数料が高い 毎月の分配金を複利で運用すべし

    アクティブファンドは買ってはいけない
    手数料が高い 過去の成績がよくても未来の成績がいいとは限らない

  • 「ところが、銀行には、この「お金がない」という言い訳が通用しない。」

    証券アナリストの知識を前提に話をしている。なので、内容は高度である。分かりやすく説明しようとしているが、前提知識がなければ突飛な考えにも思えるだろう。

    私は、ドルコスト平均法の否定、長期投資の否定については疑問を呈する。他の、著者の考えには基本的に賛同する。TOPIX連動ETFと個人向け国債変動10年を勧めいている点についても同意する。

    金融に携わる人、現に投資している人には必読の本であろう。

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著者プロフィール

1958年北海道生まれ。1981年、東京大学経済学部卒業、三菱商事に入社。その後、野村投信委託、住友生命保険、住友信託銀行、シュローダー投信、NBインベストメントテクノロジー、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一證券、第一勧業朝日投信投資顧問、明治生命保険、UFJ総合研究所に勤務。また、2016年まで6年にわたり獨協大学経済学部特任教授として教鞭を執った。現在は楽天証券経済研究所客員研究員をつとめつつ、精力的に執筆・講演を行っている。著書多数。

「2017年 『図解・最新 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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