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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784062883528
作品紹介・あらすじ
「このままでは警察国家が復活しかねない、市民はとにかく自衛するしかない」北海道警の方面本部長を務め、2004年に「警察幹部の裏金」を告発した著者が危惧するのは、警察の捜査権限が拡大しつつあること。治安維持という錦の御旗のもと、刑事訴訟法改正で司法取引の導入、通信傍受対象の拡大が進み、新しい科学捜査が次々導入される。だが法律に照らすと、あまりにも「グレーゾーン」が多いのが警察捜査の正体だ。
「このままでは大警察国家が復活しかねない、市民はとにかく自衛するしかない」
北海道警の方面本部長を務め、警視長で退官、2004年に「道警の裏金」の存在を告発した著者が、今危惧するのは、警察の捜査権限がなし崩し的に拡大しつつあることだ。
「検挙率アップ」「治安維持」という錦の御旗のもと、刑事訴訟法の改正で「司法取引の導入」「通信傍受対象の拡大」が着々と進み、防犯カメラ映像の活用、DNA捜査など、新しい科学捜査が次々導入される。
だが、刑事訴訟法などの法律に照らすと、あまりにも「グレーゾーン」が広がっているのが現在の警察捜査の正体なのだ。
警察組織に自浄作用がなく、チェック機能も働いていない現状では、「警察国家」が誕生しかねない危険もはらんでいる。
本書は、まず、警察の犯罪捜査をめぐる法律を徹底的に点検、幹部が増加し捜査能力が落ちている警察組織を検証する。心ある警察官と、平穏な生活を送り冤罪に巻き込まれたくない市民のための必読書。同時に警察の健全化、民主化、透明化をライフワークとする元警察幹部の集大成となる1冊である。
みんなの感想まとめ
警察の捜査権限の拡大とその影響を鋭く指摘する本書は、現代社会における市民の自衛の重要性を訴えています。著者は元北海道警の幹部として、警察組織の内部事情や法律のグレーゾーンを詳細に分析し、特にデジタル捜...
感想・レビュー・書評
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普段なかなか知ることのできない警察の本音や思考パターンが赤裸々に描かれている。文章もよくまとまっていて純粋に読み物としても面白い。
閉鎖的な権力組織である警察が腐敗したり、権益拡大を図ったりするのはまぁ理解できる。どこの国でも多かれ少なかれそんなものだろう。許せないのは、本来権力を監視し、不正を正す役割を担うはずのマスコミ、特にテレビ局が警察に利用されるのに自ら甘んじていることだ。『警察密着○○』のような番組で、本書で指摘されているグレーゾーンの任意捜査手法を問題視するどころか、逆に手柄のように賛美するのはいかがなものか。ほとんど製作費をかけず数字が取れる局側と、絶大な影響力を利用して世論誘導できる警察のWIN-WINのディールだが、ひとり権利をないがしろにされる国民(視聴者)だけがLOSERとなる。我々は知識と分別を持たなくちゃいけない、とつくづく思う。 -
警察のすることなすこととそれを取り巻く法律、組織、などなどについて、すべてに疑いの目をむけた、ネガティブな思考から考察する警察論。
著者は元警察の人間でいろいろとその裏事情を体験してきた方らしく、鋭い指摘満載である。
それで、結局一般市民がどうしたらいいの?という読者にとって最重要な事項は、『終章 市民のためのガイドライン』として7ページ分の記載がありました。
いやあ、久しぶりに読むのが苦痛な本だった。(どこを開いても、犯罪、捜査、冤罪、刑事、接見、被疑者、被告人、逮捕、留置場といったなんとなくイメージのよくない言葉だらけが並んでいるせいもあると思うし、何よりも文章がすんなりと頭に入ってこない) -
今日の書評は「警察捜査の正体」原田宏二著。原田さんは昭和57年に北海道警に採用後、札幌中央署、岩見沢署などで勤務し、その後、山梨、熊本県警で捜査2課長を経て、82年3月から道警に復帰、89年に警視正に昇任、旭川中央署、道警本部防犯部長などを歴任、95年に釧路方面本部長で退職といった素晴らしい肩書を持つ方なのだ。
本著はそんな原田さんによる、警察実務の意義や問題点を法的な観点から、つぶさに余すところなく詳述したご著書であり、警察官はもとより一般人で警察の事情に精通したいという方にうってつけの本である。
では早速レビュースタート。
まず原田さんは、2004年に記者会見を開き、北海道警察の裏金システムを告発、北海道議会でも証言された。原田さんが拝命した釧路方面本部長とは、いわゆるノンキャリアとしては、階級的に最高のポストで、そんな道警の元幹部が裏金システムの存在を明らかにしたのだから、全国の警察で裏金システムが存在することが明らかになり、道警からも「裏切り者」のレッテルを貼られることになった。
そんな、道警をかつてこよなく愛していた原田さんが告発したのは、いくつかの理由があり、その一つに一人の部下の存在があった。
1992年5月から始まった拳銃摘発の全国キャンペーン「平成の刀狩」で原田さんは北海道警の責任者となった。
しかし、原田さんが退職後かつての部下の警部が覚せい剤を使ったとして逮捕された。原田さん曰く、彼は「平成の刀狩」にはなくてはならない捜査員として、原田さんが銃器対策室の一員として選んだ人物であった。
彼の覚せい剤使用の遠因には、人事管理や裏金の問題もあった。心優しい原田さんは何とか彼を救いたいと考えたが、道警の横やりもあり、彼は悪徳警官の汚名を着たまま服役することになった。
彼を救えなかったことが、裏切り者と原田さんが罵られても、北海道警の裏金問題を告発しようと考えた大きな要因であった。
そんな原田さんは、「警察の改革」を訴えるべく「市民の目フォーラム北海道」を立ち上げ、全国各地での講演、警察に対する苦情等の相談受理、国家賠償請求訴訟の支援活動、大学での講義を行ってきた。
しかし、多くの市民は警察に関する関心は薄く、警察の犯罪捜査に関する認識は、テレビの刑事ドラマの影響もあるのか、実際の警察の犯罪捜査とは全く異なるものだった。
ある程度、警察に関心を持っている方々にも、現在の警察が抱えている様々な組織的な問題はほとんど知られていないようだと原田さんは論ずる。
そうしたなか、最近の警察の犯罪捜査は、監視カメラ映像、スマートフォンのGPS機能、あるいはDNAデータの捜査への利用など、いわゆるデジタル化の傾向が顕著である。
しかし、犯罪捜査がいかにデジタル化されようとも、最後の決め手になるのは、捜査の端緒を得るための情報収集、旧来から行われてきた伝統的な、聞き込み、張り込み、尾行、取り調べといった、人による捜査手法であることに変わりはない。
デジタルデータ等の過信により誤認逮捕が続く一方で、旧来の捜査手法による捜査の不徹底や不手際から重要事件の重大な生じた例も後を絶たない。
警察の犯罪捜査には刑事訴訟法(以下刑訴法)をはじめとする法律上の根拠が必要とされるところだが、警察は法的な整備を怠ったまま「デジタル捜査」を定着させようとしている。
また「強制にわたらない程度の実力の行使も必要によっては許される」とされる最高裁の決定を論拠に、令状主義を逸脱した事実上の強制捜査、いわゆる「グレーゾーン捜査」も当然のごとく行われている。
警察に逮捕されると、必ず、弁護士はどうするかと問われるはずだ。多くは「後で考える」と答える。その様な場合、いち早く地元の弁護士会か人権派といわれる弁護士に相談することが肝要だ。
しかし、人権派と言われる弁護士はさほど多くはない。今、市民に必要なのは、日ごろから警察の犯罪捜査に関する実態を知るほか、任意同行に対する拒否、供述拒否権など自らが持っている最低限の法律上の権利を知り、実践することだ。それが冤罪被害にあわないための方策であり、警察の犯罪捜査の適正化を実現する道である。
有罪率99%、数字の上ではほぼ完ぺきに見える我が国の刑事司法、その入り口にある警察捜査で何が起きているのか。その一助として本書が読者の皆さんにとって「市民のためのガイドライン」を知るきっかけとなることを原田さんは願ってやまないそうだ。
詳しくは本書で。 -
兎に角「警察官には掛り合いにならないこと」これ教訓
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元北海道警のノンキャリ警察官による、現在の警察の問題を指摘した解説書。
まあなるほどなという程度の内容でした。 -
警察に逮捕されたら、いち早く地元の弁護士会か人権はと言われる弁護士に相談すること。
監視カメラの設置の届け出や官吏のあり方を条例で定めている自治体は杉並など一部にとどまる。監視カメラの設置、管理、運用基準に関する法律もいまだに制定されていない。 -
「テロの防止、凶悪犯人逮捕という大義名分のもと、
『警察国家』への道が強化されつつあるように見える」(はじめに)
警察による犯罪捜査の現状を報告し市民に警鐘を鳴らす
著者は北海道警の裏金問題を告発した元道警幹部 -
道警OBによる、痛烈な警察批判。
警察ばかりでなく、日本の刑事司法全体への批判と言っても良いだろう。
刑事司法やマスコミ報道のレベルの点において、日本は「後進国」と言って過言でない。 -
北海道警に勤務して、退職後に裏金システムを告発、道議会で告発した筆者が、警察の実態を教えてくれる。道内のマスコミは、道警が怖くて筆者に取材することがタブーになっているという。
警察に対して感じていることが、すっきり説明されたと感じる。
警察の三大特徴: 裏金、冤罪、警察官犯罪
ほとんどの警察官が、法に則っていないばかりでなく、法を知りもしないことがわかった。自分が若い時に、交通規制に沿って走っていて、反則切符は切られなかったものの不当な指示を受けた時に、規制内容に合致していることを理路整然と説明したら相手が引き下がったこととも整合すると感じた。
それは危険な賭けであったと思う。相手が無法集団であることをよく知って行動しないと危ない。
刑事訴訟法は読んでおく必要を感じた。
終章「市民のためのガイドライン」は有効。
「任意」と称される同行、職務質問、検問等の違法性、監視カメラや GPS 発信機を使った捜査の違法性についても触れている。敏感でいないといけない。 -
2016年3月新着
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仕事柄よく知っていることも多かったが、ここまで詳しく警察内部の事情を書いている本はないと思います。
興味を持たなければ、知らず知らずのうちに、警察の権限が拡大し、僕らの生活に悪影響を及ぼすことになる。そんな現状に警鐘を鳴らす一冊でした。 -
著者は1937年生。1957北海道警察採用、1995年釧路方面本部長(警視長)で退職。ノンキャリとして階級的には最高のポストについて退官。2016年現在79歳。
人生のすべてを捧げてきた警察組織を告発するには相当勇気がいったに違いない。自分の過去を否定することになるからだ。それでも(失礼ながら)残り少ない人生を振り絞って警察を正しい方向へ変えていきたいという著者の気概だと思う。 -
著者の原田宏二氏は、北海道警察で警視長・釧路方面本部長まで勤めあげ、その後裏金問題の告発を行った人物である。本書は、その裏金事件にも触れられているが、主には警察捜査一般についての構造的な問題を指摘するものである。具体的には、職務質問/事情聴取/任意同行などの捜査手法の合法性、DNA採取や監視カメラなどのプライバシー、マスコミとの関係、検挙率などのノルマの合理性、などについての問題が挙げられる。実際に重大事件において多くの冤罪事件を起こした自白偏重の人質司法の問題、被疑者として報道される影響と名誉回復の困難性などが実際の問題として起きている。また、幹部枠を拡大したことなどによる資質の低下なども問題として挙げている。確かに犯罪認知件数が減っているのに対して検挙率が下がっているのは犯罪の質が変わったということを差し引いても問題なのだろう。
本として面白かったかと言われると、法律の条文を引いた説明的な記述もかなり多いこともあり、正直な評価としてはいまいちだった。主張もあまりにもアンチ警察によっており、いささか公平性と建設性を欠くようにも感じた。また、裏金を内部の事情を知るものとして告発をした人の著者としては、もう少し道警と北海道新聞とのスリリングなやりとりが読めると期待していた。道警と北海道新聞のやりとりは、告発のきっかけとなった元部下の覚せい剤事件も含めて、高田昌幸『真実 新聞が警察に跪いた日』に詳しいが、内側から見た別の角度の観点からの事実を読むことができるのかなと思っていた。そのあたりは、もしかしたら、著者の別の著作(『警察内部告発者』や『警察vs.警察官』など)で語られているのかもしれないが。
『真実 新聞が警察に跪いた日』のレビュー
http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4041013232 -
「あの」北海道警ウラ金問題を内部から告発した当事者の原田さんによる「今現在」の警察捜査の実態を判りやすく解説した一冊。
一部では職務質問、任意同行、事情聴取、取り調べ、さらには街頭の防犯カメラやメール、web等の通信傍受までの根拠法規を逐一解説し現状捜査がいかに法律のグレーゾン、あるいは憲法違反に近いものかを明らかに。
二部では警察組織の構造について言及して冤罪発生のメカニズムを。
三部では一部・二部を受けて市民と警察のあり方、冤罪を防ぐ方法について書く。
刑事ドラマの殆どが違法捜査に近いことに驚く。
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