ニッポンの文学 (講談社現代新書)

著者 : 佐々木敦
  • 講談社 (2016年2月17日発売)
3.63
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  • 23レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883566

ニッポンの文学 (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  •  プロローグによると「『文学』と呼ばれている小説と『文学』とは見なされてはいない小説を、同じ視座のもとにあつかう」「『文学』と『文学以外』という区別を越えた『日本現代小説史』を提示する」とある。
     そして「文学」「文学以外」は「芥川賞」に絡むか、絡まないか、で区別している。
     つまり本書でいう「文学」とは「純文学」とイコールである、と明記してある。
    「純文学」以外の小説は「文学」ではない、と日本では見なされている、と筆者は断定しているのだが、僕はこの考えに凄く違和感を覚える。
     確かに「芥川賞」の影響力は小さくはないだろうし、最近では(著者も指摘しているように)一種のお祭り騒ぎ的なイヴェントになっている感もある。
     でも、それだけで「純文学」以外の小説は「文学」ではない、と言えるかどうか。
     突き詰めてしまえば「じゃ、「文学」って何? 「小説」って何? 「純粋な文学」ってどういうこと?」という面倒臭いことにもなりそうだけれど。
     著者は「純文学」も「ミステリ」や「SF」のように「ジャンル小説」の一つと見なせばどうか」と提案しているが、僕は最初から「『純文学』ってジャンルの一つだよな」と思ってきたのだから、何をいまさらって気もするし、「純文学」がそんなに偉い存在だとも思っていないし、そもそも「純文学」なんてそんなに面白いジャンルでもないじゃんとも思っている(勿論、凄く面白い「純文学」もあるが)。
     まぁ、それはそれとして、違和感を覚えながらも、本書は割と面白く読み進めることが出来た。
     好きな作家が多く取り上げられてもいるし、今まで知らなかったけれど面白そうな作家や作品を紹介してくれてもいるし、難しいことを語っている訳でもない。
     帯に書かれている「『文学』がわかる! 『日本』がわかる!」「本当におもしろい小説とは何かを問う」という宣伝文句には疑問だけれど、ある程度の歴史を顧みることは出来ると思う。
     それにしても、本書で紹介されている本の中には、既に絶版になっているものがかなりある。
     それだけ本が売れていないのだろうな、と淋しい思いに駆られたりもした。

  • 1番良かったのは高橋源一郎論。そしてここ30年ほどのSF史を過不足なくまとめたところである。これは、佐々木敦の講談社現代新書『ニッポンの--』のシリーズの第3弾、順番は《思想》、《音楽》、《文学》。次は《映画》だろうか。そのテキストは評者自信の生(なま)の声(好悪の感情)を抑えて綴られているけれど、それは若い読者への啓蒙的な使命を胸に秘めているのだろう。

  • 本が好きで、小説が大好きだと伝わってくる本。
    時代と共に文学が変わっているのか、
    文学が時代を変えているのか。
    好きなメフィスト賞作家たちや村上春樹、綿矢りさ、金原ひとみが出てきた。
    又吉直樹への期待はとても共感できる。

  • 「佐々木敦」という著者を知らなかったのだが、これまで「ニッポンの思想」、「ニッポンの音楽」の2冊を下記連ねてきて、本書は第三弾らしい。

    80年代からの(純)文学の系譜を論じながら、その筆はエンタメ系であるはずのミステリーやSFを論じる時に最も熱を帯びる。

    それぞれの作者や作品に対するコメントは簡にして要を得、かつ語彙が適切に選択されており、同感できるものが多い。

    芥川賞がある限り「文学」は存在すると言いながら、「文学」と「小説」の融合を夢想する著者ではある。(ただ、文学はかつて小説、詩歌を含む上位概念であったような..)

  •  北上次郎さんの書評の対象になる、エンターテイメント小説。時代小説。
     そういうものが、多分、70年代とは異なる。

  • 作者の文学愛が伝わってくる一冊。
    読みたい本がたくさんになった。

  • 「ニッポンの思想」、「ニッポンの音楽」に続く日本現代小説史。村上春樹登場以降の小説を純文学から日本のミステリとSFの歴史も日本の現代小説として再検証。芥川賞=文学という呪縛(記号)が未だ日本の文学の優位性であることに未来はあるのだろうか。

  • 2016/2/24

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