死ぬ力 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883573

作品紹介・あらすじ

「余生」などいらない!
長生きが簡単な時代だから、いい死に方を真剣に考える

長寿社会にあって、人生の円熟期を私たちはどのように生きていけばよいのか。何を考えながら、余生を過ごせばよいのか。
著者は、何が長寿社会を生み出したか、長寿社会は果たして幸福かを分析したうえで、自然に生きること、仕事は年老いてもずっと続けること、書く人間になること、つねに締め切りを設定して生きてゆくこと、がんばらないこと……など様々な提言をしてゆく。

だらだら長生きしているだけでは、年老いるごとに生きる力が失われ、自分で自由に死ぬ力も失ってしまう。
気づけば「老害」のように社会からお荷物扱いされる。では、死ぬ力=生きる力、つまり人間力を保ちながら年老いるにはどうするべきか。

自身の「人間学」の総まとめにすると決めた70代の著者が、読みやすく、そして滋味深く、より幸福な定年後の生き方を指南する。

<目次>
第1部 長生きは簡単だ
人間は長寿に生まれついている/長生きはさいなむ/書斎の死体
第2部 ゼロに向かって
そして誰もいなくなった/ゼロ地点に向かって/象たちの記憶
第3部 長生きは難しい
人世は難業だ/死へのステップ(旅)/第三の死/復讐の女神

<著者紹介>
わしだ・こやた/1942年、北海道札幌市生まれ。66年、大阪大学文学部哲学科卒業。72年、同大学大学院文学研究科哲学・哲学史専攻博士課程満期退学。三重短期大学教授を経て、83年、札幌大学教授。2012年、同大退職。札幌大学名誉教授。専門は、哲学・思想史。著書は、『大学教授になる方法』『漱石の仕事論』『欲望の哲学』『定年と幸福』『シニアの読書生活』など、200冊を超える。

感想・レビュー・書評

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  •  陸、海、空の最長寿命動物は、ゾウ、シロナガスクジラ、イヌワシで、ともに食物連鎖の頂点に君臨し、ともに80年。人間の120年はすごいこと。人間の長寿の最大の要因は、自然治癒力を持っていること。学校は自力で学ぶ力を弱め、車は自力で歩く力(体力)を弱め、そして病院は自然治癒力を弱めるので要注意! 鷲田小彌太「死ぬ力」、2016.2発行。

  • 長生きは簡単。むしろ、死ぬことこそ難しい。そんな長寿社会にあって、人生の円熟期を私たちはどのように生きていけばよいのか。いい死に方を真剣に考える。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40236682

  • タイトルにインパクトがあり借りた。

    本についてある一文
    わたしの最大の幸福のひとつは
    35歳で独立した書庫、書斎をもつことができた。
    そこに本が徐々に埋まってゆく。
    ただもうそれだけで快感であった。
    本を処分しない。

    わぁ、その感覚、似てる、と思った。
    どうしても捨てられないものは本。
    それ以外は気にせず捨てる。
    本は自分の血肉になっていてそれは分身でもあり
    自分自身だからなんだな。

    そのあと本を処分せざるを得ないことになり
    体の一部を失ったようなやりきれない思いが残った、
    と。

    『人間はコトバだといった。
    人間は生物だが、その基本的部分はコトバで
    できあがっている。
    歴史とは記録されたものでありコトバなのだ。
    本とは、まぎれもなくコトバでできあがっている。

    一冊も本を読んだことのない人でも始終本を読んでいる。読まされているのだ。
    人間はコトバでできているのだから、
    人間は、即、本であるといって何の問題もない。』

    人間はほんのようなものだ、とはずっと
    考えていたが、人間は本であると言い切ってる
    ところがまた潔い。

    人生の起承転結についても
    また考えさせられた。

  • 題名をそのまま表した本ではない。
    酒に酔ったおじさんが、勢いよくしゃべっているのを聞いているような気分になる本。結論に対する根拠のつながりが読み取れない部分や、何度も同じフレーズがでてくるところもある。読んでいくうちに著者の人柄がわかってきて、親しみをもって読めるようになった。豊富な情報が興味をそそる。
    ○気になったフレーズ
    ・「自殺」はほとんどが事故だ。(この根拠がわからなかった。)
    ・人間が共同体を営む上で規定した3大タブーは殺人、近親相姦、人肉食
    ・墓は不滅の魂を封じ込めるための仕組み。いやな奴がいつまえも世にさまよっているのは困るので。
    ・都市は生命力(エネルギーに満ちている)。都市では共同、競争(人間力を刺激し、高める)
    ・老後は自由、だが期限がないのでアウトプットが中途半端になる。同人誌なども1年間単位で出版していて中途半端になる。

  • 書かれることで初めて歴史になる。歴史が生まれる。したがって人間にだsけ歴史がある。
    人間が記すから馬にも歴史が生まれる。

  • 2016/5/13読了。

  • 長生きは簡単。むしろ、死ぬことこそ難しい。そんな長寿社会にあって、人生の円熟期を私たちはどのように生きていけばよいのか。いい死に方を真剣に考える。との書評で読むがタイトル通り禅問答で哲学っぽい。いきなり、人肉食・近親相姦・殺人は、最も効果的で最上の「食・性・権力」欲を満足させる。

  • 志事こそ、生きるチカラなのです。
    大学、地域、スポーツ、この3つの領域で、志あるメンバーと共に生きていきます。

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著者プロフィール

1942年、札幌市生まれ札幌大学教授『大学教授になる方法』『大学教授になる方法・実践編』『日本資本主義の生命力』『クロネコBOOK倶楽部』『書解・現代マルクス主義』『大学<自由化>の時代へ』『大学は変わります』『現代知識人の作法』(ともに青弓社)、『増補・吉本隆明論』『知的生活を楽しむ小論文作法』『昭和史思想全史』(ともに三一書房)ほか多数

「年 『クロネコBOOK倶楽部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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