我が詩的自伝 素手で焔をつかみとれ! (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 137
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062883641

作品紹介・あらすじ

吉本隆明はかつて言いました。
「現在、日本に詩人と呼べる存在は3人しかいない。田村隆一、谷川俊太郎、そして吉増剛造だ!」。
現代日本を代表する先鋭的な詩人として、国際的に高い評価を受けている吉増剛造。詩の朗読パフォーマンスの先駆者として海外で「KAMIKAZE GOZO」とセンセーションを巻き起こした若き日から、パノラマカメラや多重露光を多用した写真表現、オブジェ作品、映像作品の制作に至るまで、他ジャンルと積極的に横断した多彩な創作活動を展開しています。
詩人としては稀有なことですが、本年6月からは東京の国立近代美術館で、その芸術活動を俯瞰する大規模な「吉増剛造展」が開催される予定です。
戦時下に多感な幼年期を過ごした「非常時の子供」が、その傷を抱いたまま詩人となるまで。郷里の多摩川の冷たい水の底の記憶。進駐軍の「オンリーさん」と、米国人牧師の「聖書」の言葉の響き。戦後の混乱期の渋谷でのキャバレーバーテン生活と関西への放浪。詩壇へのデビュー。アメリカ、ブラジルなど海外体験。南島、北方など「辺境」への偏愛。ジョナス・メカス、ジャン=リュック・ナンシー、中上健次など内外の芸術家、哲学者、小説家たちとの交流。
本書は、一貫して「市井の人」として筆一本で歩んできた一人の詩人が、自ら内面の軌跡を縦横無尽に語り尽くした驚きの「詩的自伝」です。

感想・レビュー・書評

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  • 一度だけお会いした印象から、吉増剛造は、かげろうのような、すごく繊細な詩人だと思っていた。ところが違った。
    印象あらため、つる植物のような強靭さと柔軟性をそなえた詩人なんだということがわかった。

  • 借りたもの。
    詩人・吉増剛造氏が語る、自身の半生と、生まれた詩作が織り成す本。
    大戦が始まり、敗戦と戦後復興の空気を生々しく語っている。時代の暗い雰囲気が自身の創作(変人気質の性格?生きづらさの正体?)の根幹にあることを強調する。
    それを払拭するかのように?欧米の文化――聖書体験と洗礼が節目として語られ、そこから得たインスピレーションが、暗い雰囲気に紅一点のような、花を添えたのかも知れない。
    ナルシズムと思える、自身の根暗な部分?を気取って語り、酒と女と声へのフェティシズムを惜しげも無く詩と言葉で語る。(アーティストとは皆そういう者なのかもしれない……)

    インターネットの網・その弱い繋がりの無い時代、精力的に人と関わる詩人や周りの人々の活力に圧倒された。今を生きている私には未だ得られていない感覚だった。

    詩というもの――
    言葉から得られる音・響きと表記の形状が織り成す象徴的・抽象的な世界は、詩人の個人的な体験と、それに触れた人々が想起する、集合的無意識のようなものかもしれない。

  • 大学で教わっている先生いわく、マラルメ以来の狂人という吉増剛造の語り下ろし自伝。戦中の体験、非常時の思考から現在の破格の活動の謎に至るまで語り尽くす。しかし、語っていることを読んでも理解し尽くせないというのがまた計り知れないんだよなぁ。

  • 【献本+招待券プレゼント】"GOZO"読んで美術館へ行こう!2016年6月7日-8月7日東京国立近代美術館『声ノマ 全身詩人、吉増剛造展』豪華献本+招待券15名様プレゼント!【2016年5月30日まで】
    http://info.booklog.jp/?eid=904


    吉本隆明はかつて言いました。
    「現在、日本に詩人と呼べる存在は3人しかいない。田村隆一、谷川俊太郎、そして吉増剛造だ!」。
    現代日本を代表する先鋭的な詩人として、国際的に高い評価を受けている吉増剛造。詩の朗読パフォーマンスの先駆者として海外で「KAMIKAZE GOZO」とセンセーションを巻き起こした若き日から、パノラマカメラや多重露光を多用した写真表現、オブジェ作品、映像作品の制作に至るまで、他ジャンルと積極的に横断した多彩な創作活動を展開しています。
    詩人としては稀有なことですが、本年6月からは東京の国立近代美術館で、その芸術活動を俯瞰する大規模な「吉増剛造展」が開催される予定です。
    戦時下に多感な幼年期を過ごした「非常時の子供」が、その傷を抱いたまま詩人となるまで。郷里の多摩川の冷たい水の底の記憶。進駐軍の「オンリーさん」と、米国人牧師の「聖書」の言葉の響き。戦後の混乱期の渋谷でのキャバレーバーテン生活と関西への放浪。詩壇へのデビュー。アメリカ、ブラジルなど海外体験。南島、北方など「辺境」への偏愛。ジョナス・メカス、ジャン=リュック・ナンシー、中上健次など内外の芸術家、哲学者、小説家たちとの交流。
    本書は、一貫して「市井の人」として筆一本で歩んできた一人の詩人が、自ら内面の軌跡を縦横無尽に語り尽くした驚きの「詩的自伝」です。

  • 白状するとゴーゾーさんの詩は苦手で、どこがどうしてなんだか突き止めてやろうと、そんな不純な動機で読み始めました。たいへん面白かったです。口述筆記による自伝ですね。途中で急に記憶が蘇るし閃くしでとにかく熱い。そしてアクティブ、でも冷静な人ですね。文明とかメディアとか政治とか宗教とか興味を示しても溺れることなく絶妙に距離をとる。よほど自分に芯がないと保てないバランス感覚です。でも私は偏ってぐだぐだになっちゃう人が好きなのですね。嗜好の問題です。それを差し置いても、人生を創作にかける意志の強さに感服しました。

  • 2016/9/27購入
    2018/3/7読了

  • すごくおちゃめな人。根底に流れているのが人間肯定の気持ちだから、この人の詩は心に明るく残りつづけるのだと思う。

  • 東京国立近代美術館にて回顧展が開催中の詩人が語る自伝。戦時下に生まれ戦後混乱の中さまざまな経験を重ね詩人となる。時代時代において交流する内外の芸術家とのエピソードや随所に散りばめられた代表的な作品は刺激的である。

  • 2016年6月新着

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著者プロフィール

戦後日本の現代詩において、1960年代から現在まで、常に第一線で活躍してきた、世界的な詩人。他の追随を許さないパフォーマンス、写真、映像表現でも知られる。代表的な詩集として、『黄金詩篇』(1970)、『熱風』(1979)、『オシリス、石の神』(1984)、『螺旋歌』(1990)、『花火の家の入口で』(1995)、『The Other Voice』(2002)、『怪物君』(2016)などがある。

「2019年 『裸のcommonを横切って』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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