情報参謀 (講談社現代新書)

  • 講談社 (2016年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784062883771

作品紹介・あらすじ

これが新時代の情報戦だ! 2009年の下野からわずか4年で政権を奪還した自民党。その水面下では、テレビとネットのメタデータを縦横無尽に駆使した政治情勢分析会議が行われていた。1461日間、自民党をデータ分析で導いた人物が初めて明かす、政権奪還の深層に迫る。


これが新時代の情報戦だ! 

2009年の下野からわずか4年で政権を奪還した自民党。その水面下では、テレビとネットのメタデータを縦横無尽に駆使した政治情勢分析会議が行われていた。1461日間、自民党をデータ分析で導いた人物が初めて明かす、政権奪還の深層。

・政敵の悪評を逆利用し、政党CMの効果を極大化させる方策を練り、尖閣ビデオの流出のような危機管理の失着があれば24時間体制で即応する。
・ツイッターやニコニコ動画など新しいチャネルで果敢に情報発信を仕掛け、リスク要素は事前に調べ上げる。
・初ネット選挙の参院選では候補者全員がタブレットで勝つためのデータを共有した――。
政治はカネや情実ではなく情報で動く。政治とネット、テレビが手を結ぶ新時代の情報戦略を描く!

みんなの感想まとめ

情報戦略の重要性を深く掘り下げた本書は、2009年に自民党が政権を失った後の復帰過程を、データ分析とメディア戦略を通じて描いています。著者は、政党がどのように新しいテクノロジーを活用し、情報を駆使して...

感想・レビュー・書評

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  • 情報参謀
    著:小口 日出彦
    講談社現代新書 2377

    自民党政権奪還のための情報参謀の話
    生きたデータ分析基盤と活用の教科書のような書
    おもしろかった

    気になったのは以下です

    自民党大敗の総選挙結果をデータだけで80%超的中させた分析がきっかけに、自民党本部の情報分析会議が始まる

    メタデータとは、ある情報の構成要素となっているデータのことを示す。
    データのデータである。SNS上での「安倍晋三」が、メタデータである

    情報の趨勢を分析していればきかなくても、政治的情勢がわかるーこれはきわめて当たり前の古典的な原則だと思う

    民主党は、昼間の時間帯を中心にCMを流した。昼間のターゲットは、主婦や老人を入った層が中心となる
    一方、自民党は、旧来の常識にしたがって、夜の時間帯にCMを流していた

    悪名は無名に勝る

    茂木氏の新たなリクエストは、「過去の分析はもういい。これからどうなるのかを見えるようにしてほしい」

    ほどほどの努力ではほどほどの幸せもつかめない。一生懸命頑張って、一生懸命働いて、豊かな国をつくりましょう
    私はこれだ!と感動した。
    私は、努力至上主義者である、もう一つ加えるなら、「希望を捨てない主義者」である

    もはや、ネットの情報を軽視することはできない

    このとき、痛感したのは、不信任や問責よりも、政治は真っ当なことをやらなければ国民の支持を得られない、というある意味、当たり前のことだった。

    キャッチコピーは、ブレずに繰り返す

    慌てて動いて得になることはほとんどない。選挙のときはなおさらである

    選挙の全候補者にはアップルのタブレットを支給して、コミ選が作成したリポートをリアルタイムで共有できるよう、選挙におけるあらゆる情報を発信した

    不安な時代、ちゃんと取り組んでほしい政策の分野のトップは、いつも、景気・雇用か、社会保障だ。
    いまもかわらないとおもう。
    給料があがらない、惨めな老後になったらどうしようという不安の増幅だ

    筆者の最後の一言「野党時代の自民党と働いた4年間は、掛け値なしにおもしろかった」

    目次
    はじめに
    第1フェーズ(2009年秋~2010年7月参院選) 野党転落―報道分析から復活への手がかり
    第2フェーズ(2010年秋~2011年夏) 膠着停滞―テレビ+ネットデータで精密度アップ
    第3フェーズ(2011年秋~2012年12月衆院選) 政権奪還―ネット積極活用で注目を集める
    第4フェーズ(2013年1月~7月参院選) 完全勝利―IT全面武装で選挙に臨む
    終わりに(2016年5月) 情報の結節点に網を張る

    ISBN:9784062883771
    出版社:講談社
    判型:新書
    ページ数:224ページ
    定価:840円(本体)
    2016年07月20日第1刷発行

  • 自民党が野に下ってから政権を取り返すまでの間、テクノロジー(と人海戦術)を活用した世論分析において自民党をサポートした会社(パースペクティブ・メディア)の社長さんが書かれたもの。面白かった。
    今となっては政党がネットメディアをフルに活用しているのは普通だけど、野に下ってゼロベースで色々考えねばならぬ立場に自民党がなったからこそ、ここまで民間の力を活用できたのでしょう。実際、民主党の方がメディア戦略については先行していた時期もあったようだし。

    この本を読むと、政治家が選挙でいかに勝つかを常に考え、有権者が何を望んでいるかを把握することに全力投球していることがわかります。
    まぁ、それが必要なのは否定しませんが、自分の信念に基づく政策立案もやってほしいよねぇ。
    ・人海戦術でかき集めたメタデータを元にした分析
    ・「悪名は無名に勝る」。認知されていないのが一番ダメ
    ・ほどほどの努力では、ほどほどの幸せもつかめない

  • 09年に自民党が政権を失ってから13年の参議院選まで、同党のネットを含めた情報分析、メディア戦略がテーマ。著者は情報分析のベンチャー企業の経営者で、この情報戦略を担当していた。
    TVでの報道やネットでの書き込みを分析、速やかに対策をとって次の発信に活かしていく。TVでは分かり易いワンフレーズが繰り返し報道され、一般人がネットで簡単に書き込みができる時代には、必至の動きなのだろう。確かに政党のネットの使い方・情報の発信は大きく変わっている。
    本書は政治を舞台にしたケーススタディなのだが、一般企業が置かれた状況も同じだと感じた。

  • やれビッグデータだ、IoTだとバズワードが飛び交う世の中ですが、データは使いこなしてこそ意味がある。2009年に下野した自民党が与党に復帰するまでの4年間を「情報参謀」としてサポートした記録であるこの本を読んで、まず感じたことです。
    情報を使いこなして、政権政党への復帰を果たすまでの流れはキャッチーで、かつ普段触れることのない政党の内輪の光景を覗いているようで新鮮で、そういう意味でも面白かったです。

    4年間を選挙などの節目で4つのフェーズに分けているのですが、フェーズ毎に実際の情報分析の手法が徐々に進化していくのが面白いです。佳境の第3フェーズや第4フェーズでは、イベントを企画したり、議員の言い振りにも影響を与えたり。
    とは言え、ここまで本で書いてしまうのは、イマイチ失点が多い野党に「これくらいやってみたら?」と敢えて手の内をチラ見せしているのかな、と思ってしまうくらい。
    個人的には、ニュースやデータは切り取り方やモノサシ、見せ方が大事なんだろうなぁと思っているので、一例として非常に勉強になりました。例えば、政治ニュースだけに特化して分析するのではなく、報道全体の中での位置づけを知る/予測することは、文句なしに重要なこと。

    ちなみに、手動でテレビ映像のメタデータを入力する、というのを読んで「その仕事大変そうだなぁ。。」とちょっとゲンナリしました。AIがもうちょっと賢くなればいけるんだろうか。
    ITが変えていく政治の世界。ひょっとすると、汗をかいて、たくさんの人と会って、という昔ながらの選挙戦のスタイルも、今後ネットワークが変えていくのかもしれない、なんて思いました。

  • 自民党の裏側と、メディアとインターネット世論を通した分析とその打ち手を明快に示していて面白かった。

  • テレビ時代の戦略

  • ここまで赤裸々に裏側を明かしてくれるのかというのが正直な感想。あれだけ高齢者が多い(失礼!)政党において、SNSをこれだけ重視して、戦略的にアプローチしていたという事実は恐るべきものがある。
    政治というものが、程度差はあっても一つの劇場であることは間違いのないことなのだと思う。舞台の上にたつには演出家による振り付けと、役者自身の鍛錬が必要である。橋本元大阪市長が、政治家時代はどんなに酔っていても、夜中の2時でも横断歩道を青信号になってから渡ったというエピソードを話していたが、まさにそうした意識が求められるのだと、この本を読むとまざまざと感じさせられる。恐ろしい監視社会になったものだ。

  • 自民党が民主党に政権を取られたときから政権奪取を実現するまでの4年間で自民党の広報戦略を参謀さながら陰から支えたよという本

    テレビやネット、SNSの情報を人力・システムの両面で総チェックをかけ、報道やネットの話題を逐次追跡。自民党の広報戦略として深い分析や示唆を与え続ける。

    平田、小池、平といったなんとなく見聞きしたことある政治家の方もちらほら。

    インプット、プロセス、アウトプットの全肯定にビジネスの特異性・専門性を感じるセクシーさがある。
    ・あまりにも泥臭く他では入手できないデータ生成(交代制で担当者をつけてテレビを24時間ウォッチ)
    ・過去のデータ収集・分析結果の蓄積で醸成された分析パターン
    ・多忙な政治家のニーズに応える臨機応変さ、意思決定を後押しするエッジの効いた示唆


    "ほどんどの不安は、情報的な自分の現在地がわからないことから生じている"
    "「わからない」ときは、なぜ「わからないのか」と一歩引いて考えてみること。これはメタデータの考え方"

  • 加藤陽子「歴史の本棚」より

  • 野党時代の自民党のメディア分析と戦略を綴った手記。マスメディアの内容分析とインターネットの検索結果などを分析し、政治戦略に繋げた事例を垣間見ることができる。

  • いやぁ、面白かったなぁ。
    あとがきにもあるけど、これはプロジェクトに関わった事自体がとてつもなく面白かったろうなぁ。

  • 政治の世界で、タイトルに相応しい仕事をして来た著者の
    回顧録かな。
    書いてあることを見ると確かに自民党が野党に下ってから
    野党に返り咲くまでの期間に政局においても情報戦略の比重がだいぶ変化したと感じた

  • 自民党が野党になった際に、どうやったら自民党が政権与党になれるのか、について情報面から支えた人の話。現代においては、選挙に勝つのは情報戦だという認識はあったけど、思った以上に情報を活用して選挙戦を戦っていたんだな、というのがよく分かって面白かった。この当事のノウハウが未だに使える面もあるだろうし、今現在においては全く使えないノウハウもある気がするし、この手の話は日々進化しているんだろうな、と言うことを考えたりした。

  • 自民党が野党だった4年間、情報、特にマスメディア、インターネットにおける情報を自民党に提供していた著者の本。自民党の茂木氏、平井氏、世耕氏らと共に活動していた。テレビ番組をテキスト化するにはまだまだ人力での作業のようだ。

  • 【流れを読み作る人】自民党が野に下ってから党勢を改めて軌道に乗せるまで,党の「情報参謀」として汗を流した著者の経験を記した作品。世論を味方につけるためにはいかなるデータを集め,それをどう活用すれば良いのかを徹底的に考え抜いた日々が綴られています。著者は,日経ベンチャー編集長,日経E-BIZ編集長等を歴任された小口日出彦。

    映画化もされた『マネーボール』の政治・選挙版といった印象を受けた一冊。勘や経験がモノを言わせていた選挙の世界に,データや統計といった乾いた情報を持ち込み,それらがいかに影響を与えたかを考察する上で欠かせない作品だと思います。

    〜支持するか支持しないかは別として,世論は「前提となる事実を知っているから支持にも批判にも回る」ということだ。〜

    それにしてもここ数年の情報文化の移り変わりの早いこと☆5つ

  • ◆本書が雄弁に語るのは、政治家の言葉から「真」と「誠」の喪失した要因、言葉や約束・公約が軽くなった要因。かような戦略が駆使されるなら、真の情報リテラシーが求められているのは我々選挙民。こう読み解くべき書◆


    2016年刊。著者は元日経ベンチャー、日経E-Biz編集長(現情報分析・情報表現コンサルティング業)。

    ◆自民党の下野時代に、民主党から政権を奪うべく、所謂SNSといったネット口コミ情報、インターネット情報媒体への露出度と、TVを中核とする既存媒体との関係性をかみ合わせて練り上げた、自民党の好感度上昇・支持率上昇戦略、そして民主党攻撃戦略。
     これらを、時期を追って、その中核を担った人物が解説する書である。

     こんな戦略に晒されていたのかと些かげんなりするが、SNS等から広がりを見せるキーワード・重要トピック抽出。それらに関するポジ・ネガ分析。これらを日・週・月単位で分析して、爾後の方向性に結び付けていった。その作業そのものについては、注視すべきものとして本書を読む意味があったと感じさせられる。

     しかしながら、有体に言えば、政治家の言葉に「誠」とか「真」はなくなってしまい、つまり、票を獲得するための言葉の使い方ばかりに意識を回している存在に、政治家(特に某党)が堕してしまった。だからこそ、何を実行するか、何を約束するか。これらの言葉が上滑りし、また何ができないかということを隠蔽し、表層を飾り立てるだけの政治家の発言が軽く薄っぺらになっていく。これも宜なるかな。
     正直こんな戦略に踊らされたくはない。そうだとすれば、個人的には、小さなことでも、自分の頭を使って考えるクセ、(簡単でもいいので)裏取りをするクセ、情報の出所を把握して真逆の立場から見るクセが重要だなと感じさせられた。

     そして、TV報道は殆どダメだということにも気づかされる(二か国語放送で英語のヒアリング学習に使えるくらい)。

  • 自民党が大敗して政権を失った2009年夏の総選挙直後から、2013年夏の参議院議員選挙に勝利して政権を完全に奪還するまでの4年間、同党の「情報参謀」役を務めた著者が、自民党が政権奪還に向けて行った戦略的な情報分析活動について、政権奪還にいたる4つのフェーズ(第1フェーズ(2009年秋~2010年7月参院選)、第2フェーズ(2010年秋~2011年夏)、第3フェーズ(2011年秋~2012年12月衆院選)、第4フェーズ(2013年1月~7月参院選))に分けて、その全貌を明かしている。著者は、本書で明らかにしたいことは、「政治に、テレビやネットの情報の分析が組み込まれ、人びとの小さな行動の集積が大きな政治活動の結果に結びつけられている、その最新の事実と仕組み」だとしている。
    自民党政権奪還の裏側でこのような戦略的な情報分析活動が行われていたということ自体が非常に興味深かった。データ分析の威力というものを感じた。そして、著者のようなスキルを持った人材が、生のデータをいかに意思決定者にわかりやすく加工するかということの重要性も感じた。今後も、政治の世界で情報分析・発信の重要性(それは今般の衆院選でSNSを効果的に活用した立憲民主党の躍進にも表れていると思われる)はますます高まっていくのだろう。
    著者から見た茂木敏充氏などの自民党政治家や民主党政権の3総理などの政治家評も実感のこもったものでとても興味深かった(特に、野田前総理が地味で真面目だからこそ一番戦いにくいという点)。

  • 自民党惨敗からの復活、第二次安倍政権までの情報戦略を担った民間人の一冊。一言の重みがあるからこそ緻密なデータ分析とあんにゅいな戦略が必要。

    思っているよりも自民党の党員や議員は優秀だなと。
    あと、自民党の外部業者への予算は少なそうだから思想が無いとアプローチしても損しそうだな。

    エム・データの社員は3交代制でテレビを見てメタデータを取得して販売している。

    <登場人物>

    茂木敏充
    平井卓也

    <登場企業>
    株式会社パースペクティブメディア
    株式会社エム・データ
    株式会社ホットリンク

  • 情報を報道で知って、ネットで検索し、ブログ等で自分の意見を書き込むという流れになっている。

    3章途中まで。

  • 陸軍中野学校の書籍を検索する中で出会った本書。自民党が下野してからの巻返しにITを活用すべく、著者のベンチャー企業に目を付けた。最小不幸社会を党公約にしてしまった民主党よりも、自助・共助・公助を前面に出す自民党にシンパシーを抱く著者。個人的には理解できるが、現在の政権与党が進める国民不在の政治運営には肯けない。インターネットとSNSが政治と政治家に及ぼす影響がたいへん大きくなった現代の情報戦略を考えさせられる一冊だった。

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著者プロフィール

一九六一年生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社コスモ・エイティ、日経BP社ニューヨーク支局特派員、日経E-BIZ編集長、日経ベンチャー(現日経トップリーダー)編集長などを経て、二〇〇七年、株式会社パースペクティブ・メディアを設立。代表取締役となり、現在に至る。情報分析と情報表現のコンサルティングを手掛ける。ほかに株式会社エム・データ取締役など複数企業の役員を兼務。

「2016年 『情報参謀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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