- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062883818
作品紹介・あらすじ
「われわれは、どんな過去にさかのぼっても音楽に出会う」。
ビッグバンから始まった「宇宙の音楽」の歴史では、ベートーヴェンもビートルズもちっぽけな砂の一粒に過ぎない。鳥や鯨の「作曲術」から人体という「楽器」が奏でる音楽まで。ピタゴラスの天球の音楽からアボリジニのソングラインまで。「音」と「調和(ハーモニー)」をキイワードに壮大なスケールで描く、これまでにないユニークな書。
感想・レビュー・書評
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「振動」、天球の音楽、「礼楽」、ラーガ、ピュタゴラス、リベラル・アーツ、ケプラー、アウシュヴィッツ…。宇宙の開闢から音楽の起源を説き起こす、驚くべき博識に裏打ちされた、壮大なスケールの音楽史。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40241434詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
水は答えを知っているという話が出たときはえ?と思ったけど、圧倒的な知識を背景に音楽とは何なのかということを書いていて大変勉強になった。宇宙、神、政治、権力、感情、理性、芸術、大衆、自然、人間のそれぞれという音楽。
自分にとって当たり前になっているCDなどのメディアを通じて音楽を聴くことが最近になってのことであって、歴史の中ではほんの少しの期間でしかないこと。 -
vol.337 圧倒的教養としての驚きの書。誰かと差をつけたいならこの一冊で決まり。http://www.shirayu.com/letter/2016/000743.html
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【由来】
・図書館の新書アラート。講談社からのメルマガでも。
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【期待したもの】
・面白そうじゃない?
【要約】
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【ノート】
・82ページに「神々の沈黙」が!
・【内容紹介】
人類の歴史も超え「ビッグ・バン」から音楽の起源を説き起こす、壮大なスケールの音楽史。
【担当者コメント】
「われわれは、どんな過去にさかのぼっても音楽に出会う」。音楽は、ビッグ・バンによる宇宙の振動から始まったのではないか。本書では、そんなユニークな仮説から音楽の歴史が説き起こされてゆきます。
最近の「スーパーストリングス理論」でも、宇宙を構成する無数の紐状の構造体は常に振動していると考えられています。原初の振動が互いに響き合い、「ハーモニー」となる。事実、人間も、古えには音楽とは秩序だった響きのことだと考えてきました。ギリシアの哲人ピタゴラ
スは、天をめぐる星々は妙なるハーモニーを奏で、その大宇宙の響きは小宇宙である人間に深い影響を及ぼしていると考えました。孔子も政治を司る手段として音楽を重視しました。なぜなら音楽とは、秩序だった世界のあるべき姿そのものだったからです。
じつは音楽が個人の感情の表現と見なされたのは、ごく最近、近代になってからのことに過ぎません。音楽と人間の関わりは、普段われわれが考えているよりも、はるかに広く深いのです。
ビッグ・バンから始まったこの音楽「全史」にあっては、ベートーヴェンやビートルズといった偉大な芸術家でさえ、ちっぽけな砂の一粒に過ぎません。もしかしたら、鳥や鯨の「作品」のほうが、この二者のものよりも、はるかに複雑かつ高級なのかも知れないのですから。
本書は、「音」と「調和(ハーモニー)」をキイワードに、宇宙のはじまりから音楽の歴史を説き起こした、これまでにないユニークな書です。(YH)
【目次】 -
2016-8-24
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宇宙が誕生した瞬間から、「原大気」というべきものがあり、音が存在していた。
だから、人間だけが音楽を生み出したと考えるのは傲慢ではないだろうか、という問いかけから、この本は始まる。
なんとも壮大な話。
古今東西のさまざまな音楽と社会について、神、政治、権力、理性、芸術、大衆、自然などを切り口に俎上に載せていくのだが…。
例えば、音楽と政治。
取り上げられたトピックを拾ってみよう。
古代中国の「風」、つまり、民謡の採集と、そこから為政者が世情を読み取るという思想に始まり、西洋中世の軍楽隊、古代ギリシャの劇場文化、旧ソ連の音楽家の政治利用、現在のショパンコンクールの政治性、そして平安貴族の「楽」のたしなみ。
個々の話は興味深いものもあるけれど、話が拡散していくばかりで、音楽への理解が深まっていく感覚が得られない。
きっと著者の本領は、西洋近代の芸術概念の発生とその変遷のあたりではないかと思う。
そのあたりだけを、もう少し深く、体系的に書いてくれたほうがうれしかったのに。
江本勝の『水は答えを知っている』が、特段の注意もなく、無批判に引用されていたりするのをみると、他の部分の記述の信頼性についても不安になってくる。 -
古今東西、音楽にまつわるエトセトラ…逸話のオムニバス…というか寄せ集め。
まあ、宇宙の波動や分子の運動など、振動である以上は「音」に置き換えられる、すなわち「音楽」であるという発想(筆者のアイデアというわけじゃないけど)は面白い。 -
新書に「圧倒的教養」とか、このタイトルとか、見た時点で地雷かなと思ったら、思った以上に地雷だった。ここまで参考文献を書くなら、挙げ方が残念だし、ここまで調べたら代替医療を安易に肯定しないで欲しい。