愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)

著者 : 堀井憲一郎
  • 講談社 (2017年10月18日発売)
3.43
  • (0)
  • (3)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :58
  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884013

作品紹介・あらすじ

あなたは、ふしぎに思ったことがないだろうか?

 「なぜ日本人は、キリスト教信者でもないのに、クリスマスを特別行事と見なして、毎年毎年、あんなに大騒ぎするんだろう?」


 本書は、「日本におけるクリスマス祝祭の歴史」を丹念に追いながら、この謎に迫ってゆくスリリングな教養書である。1549年のキリスト教伝来から始まる「降誕祭」の様子を、史料から細かく辿っていった。

 実際に辿ってみると、「クリスマスにおける狂瀾」は、明治時代から始まったことがわかる。現在の、「恋人たちのクリスマス」は、明治の馬鹿騒ぎの流れの末にある、と考えられるのだ。そしてその、恋人たちのクリスマスのルーツは、実は、日露戦争の勝利にあることにも気づくだろう。

 本書を読み進めるとやがて、「日本のクリスマス大騒ぎ」というものが、力で押してくるキリスト教文化の厄介な侵入を――彼らを怒らせることなく――防ぎ、やり過ごしていくための、「日本人ならではの知恵」だったのか! と納得するであろう。「恋人たちのクリスマス」という逸脱も、その「知恵」の延長線上にあったのである。

 さあ、キリスト教伝来500年史を辿り、クリスマスをめぐる極上の「日本史ミステリー」を味わってみましょう。


<目次>
序  火あぶりにされたサンタクロース
1章 なぜ12月25日になったのか
2章 戦国日本のまじめなクリスマス
3章 隠れた人と流された人の江戸クリスマス
4章 明治新政府はキリスト教を許さない
5章  「他者の物珍しい祭り」だった明治前期
6章 クリスマス馬鹿騒ぎは1906年から始まった
7章 どんどん華やかになってゆく大正年間
8章 クリスマスイブを踊り抜く昭和初期
9章 戦時下の日本人はクリスマスをどう過ごしたか
10章 敗戦国日本は、狂瀾する
11章 戦前の騒ぎを語らぬふしぎ
12章 高度成長期の男たちは、家に帰っていった
13章 1970年代、鎮まる男、跳ねる女
14章 恋する男は「ロマンチック」を強いられる
15章 ロマンチック戦線から離脱する若者たち
終章 日本とキリスト教はそれぞれを侵さない

愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 第一回毎週ビブリオバトル
    チャンプ本

  • なかなか興味深かった。何だ、昨今のハロウィーンの渋谷でのバカ騒ぎが巷間批判・揶揄されているが、1930年頃、また1950年頃に、当時の若者たちもクリスマスをネタに乱痴気騒ぎをしていたのか!というのは初めて知った。日本におけるクリスマスの大衆化は思っていたよりもずっと歴史が長いことや、時代により雰囲気の変遷を経てきたことも。(ちなみに私の世代はバブルの頃の、「クリスマスイブは恋人と過ごす特別な日」というイメージが強いと思う)

    しかし、このテーマ(=日本人とクリスマス)で1冊の本を書くのであれば、なぜに「アメリカには無い、クリスマスケーキというものが日本ではここまで定着したのか?」について全く触れられていないのは片手落ちだ。あるいは著者もクリスマスケーキが日本特殊なものだとは知らないのだろうか?あまりに浸透し過ぎていて…。(かく言う私もつい最近知った訳だが…(苦笑))

    ぜひ、日本人はなぜクリスマスにチキンとケーキを食べるようになったのか?も盛り込んで考察して欲しかった!

  • 1983年を境に日本が変わっていく、というポイントをほかの著書でも指摘していたホリイさん。今回はそのクリスマスをまじめに、ずんずんと調査していきます。
    クリスマスなんて、いちいちまじめに調べるほどのもの?とか、戦後になってアメリカ文化に染まったってことでしょ?というのがアリガチなイメージです。

    どうしてそういうイメージになるのか、そもそも、いつから日本のクリスマスはあるのか、などなど、歴史好きのオジサンたちにも面白い一冊になっています。

    全力でふざけることで、全力で相対化することで、大事なものを守る。無意識ながら、確かに。と思うところがいっぱいみつかります。

  • 東2法経図・開架 B1/2/2401/K

  • 《キリスト教伝来500年史から読み解く極上の「日本史ミステリー」》

    「日本」と「キリスト教」を対立するものととらえた論述に親近感と違和感のどちらをおぼえるか

全5件中 1 - 5件を表示

愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)のその他の作品

堀井憲一郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

愛と狂瀾のメリークリスマス なぜ異教徒の祭典が日本化したのか (講談社現代新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする