幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884068

作品紹介・あらすじ

本当の幸福とは何か? どうすれば、人は幸福になれるのか? 母親の突然の死、父との不和、自身の死の淵からの生還の体験など、生と死をめぐる様々な体験を契機に、著者の岸見一郎氏はこの問題について、永らく考えをめぐらせてきました。もともとギリシア哲学の研究者であった著者がアドラー心理学に出会ったのも、この問題の追求の途上のことでした。

 本書は、そのような著者の個人的な体験と、ギリシア哲学、アドラー心理学など、人間の幸福に関する歴史上の深い考察を総合した結論としての本格的な幸福論です。

 さまざまな哲学書を渉猟した結果、哲学者で幸福な生涯を送った者は、ほぼ皆無であることに著者は気づきます。そして思いました「よし、では自分が幸福な哲学者になろう」その結果については、ぜひ本書をお読み頂きたいと思います。

 幸福であることを願わない人はいないはずなのに、なぜ、ほとんどの人は幸福感を得ることができないのでしょうか? この問題について長く、深く考え抜いた上で、あるとき、ふと著者は気づきました、幸福になるための鍵は、ちょっとした気づき、視点の転換にあるのではないか、と。著者の考えの道筋をたどりながら本書を読みすすんでいけば、あなたにも、幸福はどこか遠くに探しに行かなくても、初めからここにあったことがわかるでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • ●アドラーとプラトンは何が善なのかを知ることが、幸福になるためには必要であると考えた。しかし、プラトンには具体性が欠けていると思われた。それでアドラーがこの知の内実を対人関係に求め、目的論を教育や臨床の場面で実践的に応用している点に興味を覚えたのだった。
    ●人は何かの出来事を経験するから、不幸になるのでも幸福になる男でもない。目的論を採ることで、不幸に、そして幸福の原因になるのではないかと考える。人は幸福になるのではなく、もともと幸福であるのだ。
    ●「人生の意味はない」「人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ」
    ●木の枝に五羽の雀が止まっている。そのうちの1羽を撃ち落とした場合、後に雀が何羽残るかと言う問いに対して、算数は5 − 1で四羽。実際は音に驚いて一羽も残らない。このように具体的に考えるのが哲学。一面だけを切り取って抽象的に考えるのが数学。
    ●「人生は限りのあるものだが、生きるに値するものであるには十分長い」
    ●三木清によれば、幸福は質的なものであり、成功は量的なものである。お金を得ることや出世をすると言うことであれば、イメージするのはたやすい。ところが幸福は質的なものであり、しかもその幸福は「各自においてオリジナルのもの」なので、他者には理解されないことがある。成功が一般的であるとすれば、幸福は個別的である。
    ●一時的に親子の間に軋轢が生じることになったとしても、最終的にあなたが幸福になれば、それが究極の親孝行だと。子供が親を喜ばせるために犠牲になる必要は無い。親は子供の選択によって心が折れるような思いをすることがあっても、その事は親が自分で解決するしかない。

  • アドラーで有名な岸見一郎氏の本。基本路線はアドラーの今までの本と同じ。いい意味でブレがない。

  • 作者の考えというのがほぼない。
    過去の人の文の引用と、たとえ話のオンパレード

    これが哲学の本のあまり好きになれないところだろう。一般化しすぎていて結論がないようになる
    「一見こうだけど、こういう場合ではこういう見方もある。古くではこういう考えがあった。なぜこう考えるのかを深掘りしよう。」ばかりである
    「勉強の哲学」で言うアイロニーを進めるだけで無限につなげているだけ、書きたいために書いてる。

  • 「嫌われる勇気」の岸見一郎先生の本。
    タイトルの通り、古代ギリシア思想とアドラー心理学を拠り所に幸福とはなにか、どうすれば幸福なれるか、といったことを考察する。
    アドラーはフランクルの師匠の一人なので当然なのかもしれないが、苦悩や葛藤を抱えながらでも生きていくことが幸福だという実存主義っぽい方向に向かう。
    他者と比較せず、他者からの評価に縛られず、自分が美徳と感じられることをなす、それで良いのだと。

  • 幸福は空気のようなもの。なくならないとわからない。
    人生に意味はない。意味を与えるのは自分。

    幸福と幸福感とは違う。他人から幸せそうに見られることを目指さない。

    課題の分離=自分ができることと他人ができることを分ける。

    愛とは育てるもの。人から愛されることを待っていては育たない。

    どう思われるかを気にすると、行動の自由が制限される。他者が自分の決定権を持つようになる。

  • 「嫌われる勇気」のアドラーの思想とギリシア哲学をベースにした人生論。幸せになるかどうかは自分の考え方次第。何度も読み返したくなる1冊です。

  • 岸見先生ご自身もたいそうな逆境を経て来たことがわかりました。

    結論としては幸福はなるものでなくあるもの気がつくもの。
    そう思います。

  • 「初めから哲学に関心を持たない人、若いころ少し興味を持っていても社会に出るとたちまち見向きもしなくなる人は生きていくときに考えなければならない多くの問題に気付いていないか、それを棚上げしている」この文を見て、やっぱり哲学書をこれからも読んでいこうと思った。

  • 哲学の見方が変わった。

  • ベストセラーになった「嫌われる勇気」、『幸せになる勇気」はアドラー心理学としてはかなり異端なのであるが、それは著者がギリシャ哲学をベースにアドラーの著書を解釈していたからなのだと、この本を読んで理解できる。

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著者プロフィール

1956年、京都府生まれ。哲学者。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。専門はギリシア哲学、アドラー心理学。主な著書に『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』(以上、古賀史健氏と共著、ダイヤモンド社)、『老いる勇気』(PHP研究所)、『プラトン ソクラテスの弁明』(KADOKAWA)、『幸福の哲学』(講談社)、『よく生きるために働くということ』(KKベストセラーズ)など多数。

「2019年 『「今、ここ」にある幸福』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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