- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062884129
作品紹介・あらすじ
これからの時代、知的財産の世界をどこまで知っているかどうかが、企業や個人が生き残る決め手となる!!
知的財産権には、小説・絵画・音楽などの著作物に関する「著作権」、発明に関する「特許権」、物品の形状や構造などの考案に関する「実用新案権」、物品のデザインに関する「意匠権」、商品・サービスに付ける営業標識に関する「商標権」などがある。
これらについて、「具体的にどんなものなのかよくわからない」「自分の仕事や生活と関係ないから別に知らなくてもいい」という方は多いのではないだろうか?
だが、悠長なことなど言っていられない。たとえば、パソコンやスマートフォンの爆発的普及と通信網の発達によって、私たち自身も、他人が創作したコンテンツを自分のコンテンツに取り込むことで、無意識のうちに他人の知的財産権を侵害している可能性もある。
現代社会において知的財産権に関する知識をしっかり身に付けることは、企業や個人が生き残るために必要不可欠となっているのだ。本書は、知的財産権を本格的に勉強したことのない一般読者の方々に、知らないでは済まされない「知財」について理解してもらうことを目指した。
そのために、次のような面白くてためになる具体的事例を、ふんだんに取り上げている。
●佐野研二郎氏の「東京五輪エンブレム」は何が問題だったのか?
●エコハちゃんはピカチュウの著作権侵害ではなかった?
●槇原敬之氏と小保方晴子氏が『銀河鉄道999』をパクった?
●「ファイトー、イッパーツ」も登録商標!?
●なぜ「どこでもドア」は登録OKで、「お魚くわえたどら猫」は登録NGだったのか?
●「1・2・3・ダァーッ!」と叫んだら商標権侵害なのか?
●鳩山幸氏が発明したキッチンパーツの特許出願の行方
●メリー喜多川氏の考案した「早変わり舞台衣裳」の秘密
●孫正義氏が特許を取ったゴルフシミュレーションゲーム環境装置とは?
●「自撮り棒」と「3Dプリンタ」の特許出願は早すぎた?
●スーパーカブの権利とヤクルト容器の権利が突然復活したワケ
●東京ドームを勝手に撮影したら肖像使用料を取られる?
知的財産の世界が、大笑いできるほど面白かったなんて!
感想・レビュー・書評
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「普通の新書」みたいな知的財産法の本。
学問の特性上、法学、特に実定法には新書が少ない。たまにある新書も、神田秀樹『会社法入門』や水町勇一郎『労働法入門』、そして本書の類書といえる小泉直樹『知財法入門』など、教科書の章立てを抜粋したような無機質な本が多く手に取りづらい。
その中にあって、通勤通学の行き帰りに読んで数日で読み終わるような、無類の手軽さを誇る本書は貴重といえる。もちろん教科書のような体系だった知識が身につく訳ではないが、一定のイメージを得られるところにまず意義がある。
そして内容についても、著作権と特許権に加えて商標権についても扱っており、意外とカバー範囲は広い。
個人的な感想としてはすごく面白かったという訳ではないが、それでも非法学徒に向けた入門書としては充分だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著作権・特許等の実例を用いて、分かりやすく、面白い内容だった。エッ~!そうやったんや~と、ちょっとビックリな事も満載。タイトル通り「楽しく学べた」一冊。
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知財の入門書
体系的ではないが筆者が印象的に思った知財の案件のストーリーが綴られている -
題材は入りやすかったが読みやすいところとそうでないところがあり全体的には入門としては難しかったと感じました。楽しく学べはしませんでした。自分にとってあまり興味のある分野ではなかったのか?諦めずに他の知財入門書も読んでみようと思います。その後、読み直したい。
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507-I
閲覧新書 -
せっかく知財の勉強も力を入れてきたところだったのに異動先は全然違う部署。
でも、知財の知識は決して無駄じゃない。
勉強し続ける、これって、とっても大事なこと。なぜなら。
著作権で多くの場合に問題になるのは、依拠性、類似性。
アイデアだけでは著作性はない。
例えば、未来から来たロボットが男の子を助ける話と言うだけなら法律的には問題ない。
だが、多分、いや、今の世の中間違いなくパクリと言われるだろう。
シャーロック・ホームズも「相棒」もみんなエドガー・アラン・ポーのパクリになっちゃうだろ、
と説いたところで、炎上は間違いない。
法律上のOKと、感情論(一般的な心情)でのOKにはだいぶ乖離がある印象だ。
また、著作権侵害と言っても、実損害が出ていなければ、いくらTwitterで騒いでいたって意味をなさない、のだが。
企業としては「やっちまった……」のであれば経営上の問題が大きい。
だから知財は皆が知っておくべき知識なのだ。
簡単でいいからね。
知財もどきと著者が言う、建物やパブリックドメインとなったはずの絵画。
これは本当に難しい!
契約上の問題なので、と言われてしまうとどうにもならない。
守りたい側の気持ちもわかるし、使いたい側の気持ちもわかる。
うーむ…
私は建物に著作権は一般的に発生しないが、使用方法を定めているところがあるので安易に使うな、と社内に知らせてきた。
訴訟リスクや金銭支払いリスクを考えての対策だ。
法律上は問題なくても、と言うことはザラにある。
だから複雑で、面白くて学び続ける必要がある。
巻末の参考図書も役立ちそう。知財に関心のある方はぜひ。 -
知的財産についてほとんど知識を持っていなかったので、全体像を知るにはとてもわかりやすい本だった。
一度読んだだけでは理解しきれないけれど、なんとなくわかったような気になれた。
とはいえ、何かトラブルに巻き込まれそうになったりしたらしっかりと調べる必要があることは理解できたし、何か戦略的に必要性があるときは専門家を頼ることがベストだとも思った。 -
誰でも見たことのある商標やキャラクターなどをネタに、知財価値を争う場合の論点が、どういうところにあるのか、さりげなくわかるように書かれている。
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実際のアウトセーフ事例で楽しく学べる