2025年 日本の農業ビジネス (講談社現代新書)

制作 : 21世紀政策研究所 
  • 講談社
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本棚登録 : 152
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884181

作品紹介・あらすじ

低迷する日本経済復活の切り札は「農業輸出大国化」だ!
経済・IT・農政のプロたちが描く、新たな農業のビジネスモデルと力強い未来像。

【担当者挨拶】 

「もっと大規模化、もっと企業による組織化が進まなければ、日本の農業に未来はありません」。最初、研究会のメンバー――いずれも農業・農政の専門家――が口々にそう主張するのを末席で拝聴しながら、正直な話、私は強い反発を覚えていました。「じゃあ、安い輸入品に押されながらも、なんとか細々と続けている小規模農家はどうするんだ」と。元来、私は疑り深い性格なので、話を聞いているうちに、「経団連のシンクタンクで行われている研究会だから、はじめから企業寄りのスタンスで結論を出そうとしているんじゃないか」と勘ぐったこともありました。しかし、あるメンバーの次の一言が耳に刺さりました。「日本は農業を守ることにこだわりすぎて、結果的に農業を衰退させてしまったんだと思います」。それから、約半年にわたって、メンバーの皆さんの話を聞き続けました。「日本の農産物の中には、海外で人気が出そうなものがたくさんあるのに、制度やシステムの不備によって『農業輸出大国』になりきれずにいる」「これまでの日本の農政が農業を衰退させてきただけでなく、消費者に高い負担を強い続けてきた」「ITや農政改革、国家戦略特区の創設によって、新しい農業のスタイルが少しずつ日本にも誕生しつつある」……。こうした話を聞き、そして実際に自分でも調べてみることで、「なるほど」と思うことが次第に増えていきました。日本の農業の未来について書かれた本は、いくつか存在しますが、「制度」や「構造」といったマクロな視点から、「何が問題で」「どうすればいいのか」をしっかり論じた本は意外とありません。本書は、農政・IT・経済そして農業の専門家が、それぞれの分野から「日本農業の未来」を分析した真面目でかつわかりやすい本です。日本の農業の未来を案じる方、そして以前の私のように「農業の組織化・大規模化」に対してなんとなく警戒心や反発を感じる方にこそぜひ読んでいただけたらと思っています。ちょっと制度や仕組みや考え方が変われば、すぐに日本農業の明るい未来が見えてくるはずです。(HA)

感想・レビュー・書評

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  • 最近流行りの『実は日本農業はすごいんだぜ』系の内容だが、前半は机上の空論が多くて萎えた。

    まず輸出戦略に関しては、陸続きで国境管理もない大陸ヨーロッパと島国日本を比較するのはフェアじゃない。その証左に農業国の島国イギリスは輸出上位国に入っていない。香港まで海上輸送で5日、シンガポールまで10日。気温の高さを考えるとこれに耐えられる青果は多くない。島国には輸出は難しいのだ。

    これもよくあるテクノロジー活用も、進捗は捗々しくない。農家は投資回収や減価償却の概念が希薄で、リスクを回避する性向も強いため、設備投資に極めて慎重である。それゆえメーカーの開発意欲が削がれ新しい技術が導入されにくい現実がある(自分はその当事者である)。筆者は技術的に可能なことと、ビジネスとして実現できることを混同していてお話にならない。よく引き合いに出されるオランダ型農業も、近年過当競争でトマトの価格が暴落し、採算割れするケースが出てきている。盲目的なオランダ崇拝は危険だ。

    一方で4章以降は至って正論で大変参考になった。
    山下氏の持論である農家への直接補償も説得力があるし、6章のフードチェーンの概念も秀逸。政府もこういうスケールの大きな構想に人とお金をつぎ込むべきである。

  • 日本の農業の問題点、展望が描かれている
    理想論かもしれないが実現してほしい
    日本という国は農業の分野でも既得権益層のせいで衰退しているのだな

  • オランダなどは農協組織がマーケットイン型のビジネス
    日本の米は強い。戦える。
    株式会社が農地を持てれば最強
    大型農家の登場が鍵
    フードチェーン。

  • 法人農家が増える未来を予測していてびっくり。自分の仮説と同じ。
    また、現代既に活躍している法人農家を5つ以上紹介していて、情報を知れた。しかもその法人農家の多くは平成初期ぐらいに生まれており、今形になってきている。とっくに法人農家増加の流れは出来ていたことを知った。更なる予測を建てなきゃ勝てない。

  • けっきょく、マーケティングという商売の基本をおさえないとどんな商いも立ち行かなくなるということだと思う。プロダクト先行ではなく、マーケットインでニーズを捉えて商売をすること。そういう努力をしている農家が紹介されているが、全体の1%程度らしい。農業はまだまだ開拓の余地があるのか、それとも死んでいるのか、ますます興味は尽きなくなる。

  • 農業の現状と可能性を伝えてくれた本でした。
    作る→後は農協任せ、という農業から、売れる作物を調査し、それを作る、という流れは商売の基本だと思いますし、
    そのための努力を重ねているファームの紹介がされています。
    ヨーロッパの卸市場、補助金行政、岩盤規制の現状、AIを駆使した市場調査、栽培物決定などを紹介しています。
    章ごとに執筆者が違うので、重複している内容もありますが、日本の農業が持つ可能性を感じました。

  • 経団連に連なる団体による農業政策パンフレット。版元サイトに詳しい紹介がある。

  • 2025年というタイトルと、21世紀政策研究所という編者の名前が良いのだと思う。
    内容は、大規模化とか輸出とか、うーんそれは分かってるんだけどという話だった。

  • 「作りやすい」プロダクトアウト農業から
    「求められる」マーケットインのフードチェーン農業へ。
    現在1%。

    コメ
    生産量世界10位。
    米国コメの2倍の価格。4割コストダウン必要。
     技術:「乾田直播」種もみを直植え。苗になるまで時間がかかる。 
     効率化:農地集約。

    牛肉
     交雑種F1、値が張らず、味が輸入牛より良い。
     富裕層から中間層へ。中級ブランド。

  • Yotsuya

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