京都のおねだん (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 92
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884198

作品紹介・あらすじ

なぜこれがこんな高いのか、あんな安いのか、なんで無料なのか、そもそもあんなものになんでおねだんがつくのか――
大学進学以来、京都住まい二十余年。往々にしてそんな局面に出くわした著者が、そんな「京都のおねだん」の秘密に迫る。
そもそも「おねだん」の表示がされていない料理屋さん、おねだん「上限なし」という貸しビデオ屋、お地蔵さんに生ずる「借用料」。
そして究極の謎、花街遊びにはいくらかかる?

京都人が何にどれだけ支払うのかという価値基準は、もしかしたら京都を京都たらしめているゆえんかもしれない。
京都の「おねだん」を知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。
2015年サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞、気鋭のチャップリン研究者にして「京都人見習い」を自称する著者による、初エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 人によってはものすごくノスタルジーをくすぐる本。ただ、おねだんを探るというコンセプトが途中から崩れているのと、紹介されているのはあまり一般的に縁のある「京都」ではない気がしないでもない……もっとも、そういう細かいことはあまり気にせず読む方が面白いと思います。

  • 京都人ではない京都大学出身の映画演劇プロデューサーが様々な京都の風習、「おねだん」を明らかに。京都が大好きで何回も訪れている私にとって、非常に面白い読み物であった。なんと言っても、イケズな京都人が書いているわけでないから、面白いのかなぁ。
    お地蔵さんの貸し出し、旦那さんや舞妓さんの名前話し、僕の大好きな長竹さんの話しとか、興味深い話しが多かった。

  • チャップリン研究者による京都本。柊屋の茶室にチャップリンが宿泊した話から始まる。
    葵祭の学生バイトが1日1万円だとか、京大の折田先生像の制作費が3万円だとか、舞妓遊びが24万円の請求書が来たとか、小話が続く。

    映画人が集った祗園の板前割烹「浜作」や、檸檬に出てくる鍵屋の分家が河原町荒神口で、レモンケーキを作っているとか、出町柳の名曲喫茶「柳月堂」、名作レンタルビデオの「ふや町映画タウン」紅葉の季節の相国寺北の鞍馬口「閑居庵」のバーなんかは興味引かれた。

    初めて知ったのは寿司の項。鮓(大阪、なれずし、魚を酢でしめる保存食)、鮨(江戸前、鮮度が命)、寿司(京都、御所への献上物)と各地の業界が使い分けているのは面白かった。

  • 摩訶不思議な京都のねだんについて,精力的な調査に基づく事実を披露している好著だ.第3章の「絶滅危惧種のおねだん」が面白かった.確かに旦那,公家,仕出しなどの価値は何物にも代えがたい重要なものだと感じた.第4章の舞妓や芸妓のおねだんはなかなか公開されないようだが,ここでは事例紹介がある.面白い.

  • チャップリンの愛した味
    しゃべってはいけない喫茶店
    抹茶パフェ発祥の地
    レンタル地蔵で作るお祭り
    水にこだわる美容室

    こんな旅行プログラムがあったら心躍ってしまう人も多いだろう。

    通常、旅行をする時に参考にするのは、旅行雑誌やウェブサイトが中心である人も多いと思う。本書は、隠れた魅力を見つける京都観光ガイドとなりうる1冊である。

    著者はチャップリン研究の専門家で京都大学出身だ。生まれは大阪の茨木なので生粋の京都人ではない。

    本書はその題名の通り、京文化の「おねだん」を知ることで京都への理解を深めていこうという内容の1冊である。抹茶パフェの値段から少し敷居の高い花街の値段まで、京都の様々な文化が紹介されている。

    各章のテーマについても興味深いものが多いのだが、特筆すべきは、随所に紹介されるこぼれ話である。

    チャップリンが宿泊した柊家の女将の心遣いやしゃべってはいけない喫茶店、地下水を超音波で見つけるビジネスが実は発達している。などなど。

    知れば知るほど奥深い京都が見えてくる。

    文化というものはつくづく、歴史的背景を持ち、人々が大切に守り語り継がれてきたものに宿る本書を読んで思う。

    そして、つい人に言いたくなる魅力を備えている「文化」こそ、あってもなくても困らない無駄なものということもできると思う。

    この「あってもなくても困らない」というのが、実は奥深い魅力をかもし出す最大の要因なのではないだろうか。

    またあってもなくても困らないものを許容することが文化レベルを測る上でのバロメーターになるのかもしれない。とかく批判的言説にまみれやすい昨今だが、一呼吸置いて、対象を許容、肯定する度量を持っていたいものだと改めて思う。

    優れた書籍は、一流のブックガイドにもなりうるものであるが本書もまさにそうである。
    本書でも様々な先人の著作が紹介されているが、さらに京都への理解、日本文化への理解を深める上で、参考になるものが多い。

    本書は読み通すことで、次に読むべき本まで見つかってしまう素敵な1冊だ。

  • 満喫しました。

  • ちょっと盛り気味の内容。

  • 京都の値段の謎を、京都の隠れた名所を紹介しながら、コラム形式で紹介しています。
    大分著者の趣味的な話に流れているので、その辺が我慢できれば、そこそこ面白い本だと思います。

  • 住んでみないと分からないことを、多少の自慢話を交えながら整理している。

    周囲からは、見えてこないことも多く、それなりに為になった。

  • 京都のことを「おねだん」という観点から知ることができる。京都を詳しくなるためにおすすめ。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。京都大学入学を機に上洛、以来京都(ただし洛外)在住。京都大学大学院人間・環境学研究科後期博士課程所定単位取得。専攻は映画・演劇・英米文化史。著書に『チャップリンとヒトラー――メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店、第37回サントリー学芸賞)、『チャップリンの影――日本人秘書 高野虎市』(講談社)など。日本チャップリン協会会長、脚本家、映画・演劇プロデューサー。劇団とっても便利代表。脚本・プロデュースを手掛けた映画『太秦ライムライト』は、第13回ニューヨーク・アジア映画祭最優秀観客賞、第18回ファンタジア国際映画祭シュバル・ノワール賞、京都市文化芸術表彰「きらめき賞」などを受賞。

「2017年 『京都のおねだん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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