京都のおねだん (講談社現代新書)

著者 : 大野裕之
  • 講談社 (2017年3月15日発売)
3.30
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  • 本棚登録 :89
  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884198

作品紹介・あらすじ

なぜこれがこんな高いのか、あんな安いのか、なんで無料なのか、そもそもあんなものになんでおねだんがつくのか――
大学進学以来、京都住まい二十余年。往々にしてそんな局面に出くわした著者が、そんな「京都のおねだん」の秘密に迫る。
そもそも「おねだん」の表示がされていない料理屋さん、おねだん「上限なし」という貸しビデオ屋、お地蔵さんに生ずる「借用料」。
そして究極の謎、花街遊びにはいくらかかる?

京都人が何にどれだけ支払うのかという価値基準は、もしかしたら京都を京都たらしめているゆえんかもしれない。
京都の「おねだん」を知ることは、京都人の思考や人生観を知ることにつながるはず。
2015年サントリー学芸賞芸術・文学部門を受賞、気鋭のチャップリン研究者にして「京都人見習い」を自称する著者による、初エッセイ。

京都のおねだん (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • チャップリン研究者による京都本。柊屋の茶室にチャップリンが宿泊した話から始まる。
    葵祭の学生バイトが1日1万円だとか、京大の折田先生像の制作費が3万円だとか、舞妓遊びが24万円の請求書が来たとか、小話が続く。

    映画人が集った祗園の板前割烹「浜作」や、檸檬に出てくる鍵屋の分家が河原町荒神口で、レモンケーキを作っているとか、出町柳の名曲喫茶「柳月堂」、名作レンタルビデオの「ふや町映画タウン」紅葉の季節の相国寺北の鞍馬口「閑居庵」のバーなんかは興味引かれた。

    初めて知ったのは寿司の項。鮓(大阪、なれずし、魚を酢でしめる保存食)、鮨(江戸前、鮮度が命)、寿司(京都、御所への献上物)と各地の業界が使い分けているのは面白かった。

  • 摩訶不思議な京都のねだんについて,精力的な調査に基づく事実を披露している好著だ.第3章の「絶滅危惧種のおねだん」が面白かった.確かに旦那,公家,仕出しなどの価値は何物にも代えがたい重要なものだと感じた.第4章の舞妓や芸妓のおねだんはなかなか公開されないようだが,ここでは事例紹介がある.面白い.

  • チャップリンの愛した味
    しゃべってはいけない喫茶店
    抹茶パフェ発祥の地
    レンタル地蔵で作るお祭り
    水にこだわる美容室

    こんな旅行プログラムがあったら心躍ってしまう人も多いだろう。

    通常、旅行をする時に参考にするのは、旅行雑誌やウェブサイトが中心である人も多いと思う。本書は、隠れた魅力を見つける京都観光ガイドとなりうる1冊である。

    著者はチャップリン研究の専門家で京都大学出身だ。生まれは大阪の茨木なので生粋の京都人ではない。

    本書はその題名の通り、京文化の「おねだん」を知ることで京都への理解を深めていこうという内容の1冊である。抹茶パフェの値段から少し敷居の高い花街の値段まで、京都の様々な文化が紹介されている。

    各章のテーマについても興味深いものが多いのだが、特筆すべきは、随所に紹介されるこぼれ話である。

    チャップリンが宿泊した柊家の女将の心遣いやしゃべってはいけない喫茶店、地下水を超音波で見つけるビジネスが実は発達している。などなど。

    知れば知るほど奥深い京都が見えてくる。

    文化というものはつくづく、歴史的背景を持ち、人々が大切に守り語り継がれてきたものに宿る本書を読んで思う。

    そして、つい人に言いたくなる魅力を備えている「文化」こそ、あってもなくても困らない無駄なものということもできると思う。

    この「あってもなくても困らない」というのが、実は奥深い魅力をかもし出す最大の要因なのではないだろうか。

    またあってもなくても困らないものを許容することが文化レベルを測る上でのバロメーターになるのかもしれない。とかく批判的言説にまみれやすい昨今だが、一呼吸置いて、対象を許容、肯定する度量を持っていたいものだと改めて思う。

    優れた書籍は、一流のブックガイドにもなりうるものであるが本書もまさにそうである。
    本書でも様々な先人の著作が紹介されているが、さらに京都への理解、日本文化への理解を深める上で、参考になるものが多い。

    本書は読み通すことで、次に読むべき本まで見つかってしまう素敵な1冊だ。

  • 満喫しました。

  • ちょっと盛り気味の内容。

  • 京都の値段の謎を、京都の隠れた名所を紹介しながら、コラム形式で紹介しています。
    大分著者の趣味的な話に流れているので、その辺が我慢できれば、そこそこ面白い本だと思います。

  • 住んでみないと分からないことを、多少の自慢話を交えながら整理している。

    周囲からは、見えてこないことも多く、それなりに為になった。

  • 京都のことを「おねだん」という観点から知ることができる。京都を詳しくなるためにおすすめ。

  • <目次>
    プロローグ
    第1章   食のおねだん
    第2章   季節のおねだん
    第3章   絶滅危惧種のおねだん
    第4章   舞妓・芸妓のおねだん、すなわち京都のおねだん
    エピローグ

    <内容>
    大阪生まれ、京都の大学を出てそのまま京都に住む、脚本家・プロデューサーの方の本。芸術系の人で京都住まいが長く、著名になると、京都でも「顔パス」に近づくらしい。
    それはともかく、あったようでなかった本。タイトルを真に受けてはいけない。お値段のこともあるが、京都の文化論になっている(と言っていいのだろうか?)。「レモンケーキ」と梶井基次郎の『檸檬』の関係、抹茶パフェの由来、柊屋とチャップリン、紅葉の隠れスポット=閑臥庵、舞妓と安く会う方法、京都大学の遺伝子…。なかなか面白いエッセイとなっている。

  • 京都という独特の土地柄を、「おねだん」という視点から、著者の言われるRPGという感覚で体験するように読むことができます。体験するようにすっと一気に楽しく読むことができました。京都に来て感じた違和感は、排他的だったり妙に優しかったりとありますが、その理由の一部を知ることができるのではないでしょうか。具体的に値段を知ることができる内容ではなく、京都でのいろいろな買物を体験できるという着眼点で、なるほどと思いながら読ませていただきました。いろんな京都本はありますが、それらとはちょっとずれた視点からの書き方であり、それゆえよりディープに京都を知ることができるのではないかと思います。

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