未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

著者 : 河合雅司
  • 講談社 (2017年6月14日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884310

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  • 本書では、人口減少に向かっている日本の現実を、最新のデータを用いた「人口減少カレンダー」から予測している。
    日本社会は少しずつだが確実に変化しており、このまま手をこまねいていると、「静かなる有事」として、人口減少と高齢化に耐えられず、社会が破綻する日がくる可能性はゼロではない。

    第一部では「人口減少カレンダー」として、高齢者が激増する「2042年問題」、国立大学倒産の危機、IT技術者不足、人件費増による経営の圧迫、輸血用血液の不足、火葬場不足、自治体の半数が消滅、世界的な食糧争奪戦、無人の国土が占拠される等といった事象が、いつまでに何故発生するか、経緯を追って説明されている。
    第二部では日本を救う10の処方箋として、コンパクトシティ化、高齢者の利活用、地方移住の促進などの提言が示されている。目新しい施策はないが、今まで議論されてきた施策を地道に確実に、そして早急に実行していくことが必要だということだろう。

    私が気になったのは、「2019年にはIT技術者が不足し始め、技術大国の地位が揺らぐ」ということ。2015年時点で既に約17万人不足していたのが、市場拡大に伴い、2030年には59万人が不足するという。
    また、水道やガスなど社会インフラ設備の老朽化も進むが、それらを支える技術者の後継者が不足し、特に人の少ない地域においては社会インフラサービスが成り立たなくなる懸念がある。
    その後、「2030年には百貨店も銀行も老人ホームも地方から消え」、「2039年には深刻な火葬場不足に陥る」という。
    いずれも、サービスの供給側も需給側もいなくなるために、社会基盤が成立しなくなってしまうということである。

    一般のサラリーマンに身近な問題としては、「2021年には介護離職が大量発生」し、「2023年には企業の人件費がピークを迎え、経営を苦しめる」ということがある。
    本書の性格として、どちらかといえば社会構造の分析など、大きな話に陥りがちだが、一般の人から見れば、介護離職が大量発生し人材不足が顕著になる2020年頃までには、東京に住み続けるのか、地方の親や家族の近くに移住するのか、今後の仕事をどうするのか、方向性を決断する必要があるかもしれない。
    また、企業の経営層にとっても、人材確保と、これから需要のある(需要のなくならない)サービスへの投資などの決断を、2020年頃までに行う必要があるかもしれない。
    いずれにせよ、あと数年が勝負の時だろう。

    これから、危機しかない時代に突入するのかもしれない。その中で、何を考えどう生きるかは別の問題として、危機の事実を直視して、考えるための材料として有効な一冊。

  • 少子高齢化による日本の人口減についての啓発書。
    政府や各研究機関が発表している将来の人口推計を元に
    ①2065年までの間に日本社会に起こる(悲惨な)変化
    ②いま出来る解決策の提示
    を行なっている。

    将来推計が発表される都度、断片的な情報は新聞などから入ってくるが、それを総合し、順を追ってこのまま行くと日本はいつ、どのようになってしまうのか?
    が大変簡潔で分かりやすい一冊。

    少子高齢化による人口減を「静かなる有事」と捉える著者の、政府や我々の無関心・不理解に対する静かなる怒りすら感じる。
    政府官僚は勿論、国民一丸となって乗り切るべき深刻な事態ということが伝わった。

  •  内閣官房有識者会議委員経験もある河合雅司氏による、少子高齢化が進む日本の人口将来推計に基づいた未来の諸現象予測、そして日本を救うための手立てを論じた新書。
     著者は少子高齢化とそれに伴う人口減少を「静かなる有事」と呼ぶ。これはもはや止めることのできないものであるとし、「2025年問題」よりも実は「2042年問題」の方が更に深刻な状況に陥ると論じる。
     本書は二部で構成され、第一部では日本の少子高齢化問題が引き起こす深刻な問題の本当の姿を2017年から約100年後の2115年まで、年代順に示す。そして第二部では「日本を救う10の処方箋」という国が取り組むべき対策、国作りが提案される。
     世間では不安を煽ったり根拠のない気休めの希望を語ったりするだけの少子高齢化の未来予測が多いが、本書はかなりリアルに、そして残された日本の生き残る道を明確に示す。

     第一部を読んでいる間は、とにかく絶望が深くなるばかりだった。輸血用血液が不足、空き家の激増、火葬場の不足、自治体の半数が消滅などなど…枚挙にいとまがないとはまさにこのこと。解決策の見えない課題が次から次に立ち上がり、ダメ押しはそれを解決するための要となる労働人口が激減するという点…。
     東京に住んでいると少子高齢化をそれほど実感することはない。しかしこの問題って、こんなに深刻な事態を招くことなのか…退職金も年金もない、明るい未来なんてやってこないんじゃないか…本当に暗鬱とした気持ちになってしまう。
     しかし、しかし!著者はきちんと一筋の光を用意してくれている!第二部の10の処方箋は、国が本気で取り組めば可能なのではないかと思えてくるものばかり。実現できれば、もしかして日本の未来もそれほど悪くはないかも?というかこれ以外に日本に残された道などないのではないかとすら思ってしまった。

     本当は目をそらしたい。でも背けても全ては自分たちに跳ね返ってくる。本書を多くの人、できれば国を動かす力を持った偉い人たちに読んでもらって、日本が侵されている病の存在とその対策を本気で皆で考えたい。
     我々の世代が知らなければいけない現実と、胸に灯すべき小さくも強い光を、本書は与えてくれる。

  • 2020年:女性の半数が50歳越え
    2024年:全国民の3人に1人が65歳以上
    2027年:輸血用血液が不足
    2039年:火葬場が不足
    2040年:自治体の半数が消滅
    2042年:高齢者人口がピークを迎える

    特に2042年は危ないらしい。
    少子化対策しても、高齢者人口は減らないし・・・
    少子化対策と高齢者が増えることは問題として別物というのは目から鱗
    火葬場も病院も不足する:
     解決策は 健康で長生きして 問題の先送りしかなさそう!
     私も80歳だ どうしよう!

  • 勉強になった。子供のことを考え、自分にできることを考える。

  • 「静かなる有事」という言葉がぴったりの、なかなか衝撃的な内容。自分ができることってなんだろうなぁ。
    とりあえず、もっと若い政治家が増えて欲しいし、税金の使い方も考えてほしい。
    若い世代を中心に、たくさんの人に読んでほしい本。

  • 本書は少子化・高齢化が激化する日本の課題と解決するための処方が記載されている。各課題は表面化する各年ごとにまとめており、大変読みやすい。

    日本の人口減少に伴う課題から、想定される日本の未来を描いたものになっている。かなり悲惨な未来となっている。
    それも、突飛な空想ではなく、各省庁の白書/報告書や統計データをもとに描いた"日本の将来像"である。

    皆様の関わっている業務や地域を想定しながら読むと、より現実味を感じながら読めると思います。

  • 読み進めていくと日本の将来に暗澹たる気持ちにさせられる。それだからこそ、今の若い世代に読んでもらって、危機に対する高い意識を持ってほしいと感じた。

  • <目次>
    はじめに
    第1部  人口減少カレンダー
    第2部  日本を救う10の処方箋
    おわりに~未来を担う君たちへ

    <内容>
    日本の将来の人口減少を、割合ではなく、「実数」で示し、その危険性を未来の年代別に指摘する。例えば、「2018年には国立大学が倒産の危機へ」など。日本がなくなる危険性が高いと著者は指摘する。しかしこの本は、その上で10の処方箋を示し、「小さくても輝く国」造りを指南する。そこでわかるのは、無能な政治家・官僚のすがた。これくらい大胆な改革を示せる人間が日本にいるのか。民間人には難しいだろう(著者は、”人口減少対策会議”という常設諮問機関の設置を提案しているが…)。

  • 少子高齢化が進む日本でこれから具体的に何が起こるか。年表でリアルで語られる内容が、想像以上に深刻で読んでいて辛くなる。けれどこれが現実。かつてドラッカーも人口構成を見れば、未来は予測できると言っていましたね。
    最後に、実は東京がこれから一番大変になる、という指摘には驚かされました。人口が多いだけに高齢者数が急増し、さらには地方から高齢者も移住する。しかし、高齢者向けの医療機関や施設は不足している。(火葬場さえ足りなくなる)言われてみれば、たしかに。。
    厳しけれど、現実と向き合うために、読むべき1冊と思います。

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