健康格差 あなたの寿命は社会が決める (講談社現代新書)

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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884525

作品紹介・あらすじ

低所得の人の死亡率は、高所得の人のおよそ3倍―――。
「健康格差」は、健康に対する自己管理能力の低さが原因ではなく、生まれ育った家庭環境や地域、就いた職業や所得などが原因で生じた、病気のリスクや寿命など、私たち個人の健康状態に気づかぬうちに格差が生まれてしまうことを指します。
私たちは不健康・不摂生な人々に対して安易に「自己責任論」を振りかざしてしまいがちですが、現在ひそかに進行しているのは、所得や家庭環境などにより自らの健康を維持する最低限の条件すら蝕まれつつあるという異常事態です。まさに《命の格差》とも言うべき「健康格差」の危機的な実態に、NHKスペシャル取材班が総力を挙げて迫ります。
「健康格差」を放置していると、将来的に社会保障費が爆発的に増大していく。私達が「健康格差」に無関心ではいられないのは、膨張する社会保障費への対策は喫緊の課題だからです。そして、私達の誰もが健康を損なう事態になりかねないからです。  
たとえば、都道府県別に見ても平均健康寿命は最大で3歳以上違う。地域差に着目するだけでこれほどに人々の健康に差が出ていることに驚きます。本書では、イギリスや足立区で「健康格差」是正のために取り組まれた効果的な対策が紹介されています。イギリスでは、わずか8年間で心疾患と脳卒中の死亡者数が4割も減少したそうです。しかも、私たちでも実践可能な目からウロコの対策で。
年金・雇用・介護・少子化など、NHKスペシャル取材班は様々なテーマを取り扱ってきましたが、「健康格差」はこれらのすべての根本に結びつく問題であることがわかりました。社会と健康の問題を深く考えるうえで必携の1冊です

感想・レビュー・書評

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  • 健康格差は自己責任か?社会の問題か? 努力して健康を保っている側からすれば不摂生による不健康は自己責任に見える。しかし、自助努力ではどうにもならないケースがありだれもが困る側になる可能性があるとするとセーフティネットは必要。不況が続く中他人を思いやる余裕がなくなっているなあと感じる。

  • NHK取材班による日本における健康格差について取材をして報道番組をおこなったものを書籍にまとめたもの。
    WHOによると4つの健康格差をうみだす要因として「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」があげられている。そのなかで、日本の特徴としては、世界に類を見ない速度で高齢化社会が進んでいること、また、「失われた20年」によって雇用形態が急激に変わってしまったことにある。
    地域によってうけられる医療などが異なることは知っていたが、非正規雇用などの問題が健康問題に直結しているとはまったく知識がなかった。1993~2004年は就職氷河期といわれるが(本書でいう「失われた20年」もこれにかかわる事柄だが)、単に所得が少ないというだけではなく、単に貧困というだけではなく、健康問題にも直結しており、それが将来的な医療費や社会保障費の問題となって跳ね返ってきてている。読んでいて、健康格差で苦しんでいる所得が少ないひとたちにも、そして、国の行く末としても、背筋か凍るような思いを読んでいて感じた。

  • 日本の健康格差について、データに基づいて現状を把握した上で解決策になりうるものを提案するところまで書いている。特にポピュレーション・アプローチの考え方は健康格差の是正に限らず大事な考え方だと感じた。
    ただ、繰り返し同じことが書かれている印象も受けたため、星4つで。

  • 第5章、第6章が深く考えさせられる。健康格差を考えると、自己責任論に行き着く。しかし、自己責任論は生活習慣病についてなみ論じられるべきだろう。努力しなければ得られない社会になりつつあるが、努力しても病気になり得る。
    144頁、行動経済学の「ナッジ効果」に興味を持った。

  • 身近な話題とても怖い…健康大切…

  • そうだった!
    日本国憲法第25条にきちんと書かれているのだ!

  • 疾病や寿命の格差を調べると、所得・地域・雇用形態・家族構成に相関がある。個人の意識や努力だけに頼るのではなく、社会として底上げできるような仕組みの構築が必要だ。

    昔はよかった・なかった問題ではなくて、それが問題として見えるほどに社会が進んだといえるのだろうけど。

  • 都道府県別で、3歳の平均寿命の差が出ている。
    これは、結構、衝撃的な数字ではないだろうか。
    日本では、地域・個人レベルでの「健康格差」が広がっている。

    WHOは健康格差が生まれる要因を、所得、地域、雇用形態、家族構成と指摘している。
    ぶしつけに言えば、所得が低く、地域GDPも平均より低く、雇用形態も非正規・無職、
    家族もいないならば、短命になるということだ。

    最終章は、「健康格差」は、「自己責任か」というテーマで、
    一般人や俳優、専門家の意見交換がある。
    いまだに、健康は、自己責任によるものだと意識が強いと感じた。

    健康格差が広がると、社会保障費が増えるということは、
    想像がつく。これは財政問題として国が解決しなければいけない。
    なぜなら、今でも社会保障費は、膨れ上がっているからだ。

    ただ、「今あなたの状態は、全てあなたの責任です」という、
    冷酷な意識が日本を支配している。
    税金を投入しての健康格差対策は、国民の支持を得られるのは、
    かなり難しいだろうと思う。

    この本では東京都の足立区の例があるが、
    これから、地域の財政は間違いなくひっ迫する。
    特に東京は、この20年で140万人高齢者が増加する。

    その中で、「地域の健康」にどれくらい優先順位があるのか、
    指導者達は、よくよく考えてもらいたい。
    なぜなら、現在の健康格差は、ある面では、国が作り出したからだ。

    経済格差が広がっている現在の日本は、
    健康の格差も、急速に進んでいる。

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著者プロフィール

キラーストレス(PART.1)監修。ストレスが原因の突然死、慢性病、精神疾患の増加が注目を浴びる中、ストレスに苦しむ人たちに有効な対処法を伝えようと企画を立ち上げる。2016年にNHKスペシャル「シリーズ キラーストレス」を放送、大きな反響を得た。

「2017年 『「キラーストレス」から心と体を守る! マインドフルネス&コーピング実践CDブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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