- 講談社 (2018年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062884617
作品紹介・あらすじ
新自由主義の台頭で日本社会に格差が定着した。非正規労働者層が誕生し、人口の三割が経済的理由から家庭を持つことができないという、膨大な貧困層を形成した。人々は格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送る。豊かさの程度によって日本はすでに分断され、「新しい階級社会」が成立しているのだ。最新の調査データが物語る、現代日本の恐るべき現実!!
かつて日本には、「一億総中流」といわれた時代がありました。高度成長の恩恵で、日本は国民のほとんどが豊かな暮らしを送る格差の小さい社会だとみなされていました。しかし、それも今や昔。最新の社会調査によれば1980年前後、新自由主義の台頭とともに始まった格差拡大は、いまやどのような「神話」によっても糊塗できない厳然たる事実となり、ついにはその「負の遺産」は世代を超えて固定化し、日本社会は「階級社会」へ変貌を遂げたのです。
900万人を超える、非正規労働者から成る階級以下の階層(アンダークラス)が誕生。男性は人口の3割が貧困から家庭を持つことができず、またひとり親世帯(約9割が母子世帯)に限った貧困率は50・8%にも達しています。日本にはすでに、膨大な貧困層が形成されているのです。
人々はこうした格差の存在をはっきりと感じ、豊かな人々は豊かさを、貧しい人々は貧しさをそれぞれに自覚しながら日々を送っています。現在は「そこそこ上」の生活を享受できている中間層も、現在の地位を維持するのさえも難しく、その子供は「階層転落」の脅威に常にさらされている。この40年間の政府の無策により、現代日本は、金持ち以外には非常に生きるのが困難な、恐るべき社会になったのです。
官庁等の統計の他、さまざまな社会調査データ、なかでもSSM(「社会階層と社会移動全国調査」)調査データと、2016年首都圏調査データを中心にしたデータを基に、衝撃の現実が暴き出されてゆきます。
みんなの感想まとめ
現代日本における格差の実態とその構造を深く掘り下げた内容が特徴です。「一億総中流」と呼ばれた時代が終わり、階級社会への移行が進んでいることを、膨大なデータをもとに示しています。各章では中流の分解やアン...
感想・レビュー・書評
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「一億総中流」と呼ばれた時代は、もう終わった。日本では格差が広がり、新たな「階級社会」になっていると主張する。膨大なデータは示しているものの、因果関係が自らの思想信条に引っ張られすぎていることと、対策がありきたりな印象を受ける。
「格差社会」から「新しい階級社会」へ───序に変えて
第一章 分解した中流
第二章 現代日本の階級構造
第三章 アンダークラスと新しい階級社会構造
第四章 階級は固定化しているか
第五章 女たちの階級社会
第六章 格差をめぐる対立の構造
第七章 より平等な社会を詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SSM調査データを解析して、現代日本における格差の現状、格差容認状況などを分析しています。階級との関係性を中心にした分析で、データを理解するのは難しいですが、内容は納得できるものでした。格差を是正するためには、そうした指向性を持つ人たちが協力して取り組む必要があると書かれていますが、現在の政治状況を見る限り、望み薄だなと逆に感じてしまいました。失われた30年といいますが、格差を拡大し続けてきた30年でもあるのかもしれないですね。
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データやファクトを重視したい方にはおすすめ。やや冗長かつ重箱の隅をつつくような分析が多いため、論旨がぼやけてしまっているが、数字に基づいた議論がなされており、ともすれば感覚的、政治的な意見に傾斜しがちなテーマをうまく扱っている。
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いろんな階級(と思われる)の人のアンケート分析が中心。アンケートの分析と考察はこう書け!という見本のようなものなので、読んでいてもあまり面白みがない。各種データ、グラフから読み取れることを書き連ねているので、「だからどうなの?」となってしまう。最後の処方箋的なものもいまひとつだった。
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現在の日本社会に格差があるのは明らか。
それも結構細分化された階層構造になっていると思うのだが、著者は客観的なデータをもとに検証し、格差・自己責任論・所得再分配をどう統合していけばよいのか、あるべき国の姿を提唱する。
そも格差ひとつとっても、格差などないんだとする層も一定数存在するのが現実だ。すでに格差は再生産されており、このままでいいはずがない。 -
直接的なタイトルに手が伸びやすい一冊だと思う。最近出版されているこの類の例に漏れず、個別のサンプルデータを統計的に処理した結果から見える状況の説明である。
本書の特徴としては、階級社会への議論を導く印として、女性を17種類に分けて、それぞれの特徴を細かく分析していることにある。確かに、これらの分析を読んでみてよくわかることがある。ただ、その分類は配偶者の立ち位置に強く起因していて、少し運命論的なようなところもあり、本当にそうなのかと疑うぐらいがちょうどいいかもしれない。サンプルデータというのはその切り方でどうにでも見せることができるという一面があるからである。
問題設定そのものは、これからの日本社会にとって非常に重要である。比較的余裕がある専業主婦グループが、非正規・アンダークラスグループよりも人数が少ないということも驚きであり、かつて日本社会を構成していた勢力は既に主力の座にはいないのである。
本書が提示する対応策については、これらの現状認識の下、建設的な策を模索してはいるものの、現時点においては打ち手が少ない結果になっている。ベーシックインカムなど以外になかなかこれといった方策が見つけられないでいる。それだけ厳しいということである。 -
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格差を認識しているのは主にアンダークラス(負け組)であること。
“自己責任論”はアンダークラスが自分自身をさらに追い詰めてしまうイデオロギーであること。
“新中間階級”の親に育った子どもが“新中間階級”になれず、強い敗北感を感じていること。
女性は、結婚相手の階級に依存せざるを得ないこと。
書かれていた内容が、共感できることばかりで、
そして、誰にも言えなかったことばかりで、
言えたとしても、負け組同士で愚痴り合うことしかできなかったことばかりで、
なぜ、こんなに私たちのことをわかってくださるのだろう、と。
“アンダークラスの労働も評価されるべき。”
誰も言ってくれないことを、なぜ言ってくださるのだろう、と深く感銘を受けた。 -
「橘玲/言ってはいけない 残酷すぎる真実」を読んだ時と同じような気分になるが、良書、ただこれだけの分析が出来た上で、今後の対策がこれなのは現状の問題の深さをより深く感じました。
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格差の拡大、固定をデータで示す。
資本家階級、専門家・管理職、正社員の収入が増える一方、アンダークラスとされる非正規の収入は減少。かつての中間階級層であった個人事業主も、いまは貧困層に近い。だが時間の自由はあるので、生活の満足度は高い。
子は父親の出身階級になりやすい。
アンダークラスは親もアンダークラス、高等教育を受けず、学校でいじめられ、遅刻や不登校などの問題行動が多かった。そして支持政党もない。要するに、社会の動向に無関心。配偶者の有無や、夫の収入次第で、女性はとくにこの階級格差を受けやすい。
著者は解決策として、金融資産への資本税導入や、ベーシックインカムを推奨する。が、すでに手垢のついた解決策。
じつはこうした格差論が、階級出身者を見分けやすくしていて、高所得者層は低所得者層を遠ざけている要因になることもありうる。高価そうな車や服を着ているが、話したら教養がなくて幻滅されるなど。すでに中間層以上の親は、子どもに貧困層と接触させないために、公立の学校にも行かせず、エリート校が囲い込む。
この手の社会格差の論者は富の再分配を語るが、本当に必要なのは、高所得者にも気に入られる礼儀と教養なのである。その意味で教育は必要なのだが、教師の質が低いから駄目なんだろうな。 -
日本が階層社会になっていることを理解できた。また、各階層の特徴を政治的主張や支持政党という切り口で論じていることは興味深かった。格差拡大が日本人全体にとって不利益であるということは知識としてないことだった。
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データの羅列。
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階級ごとの特質が細かに分析されていたと思う。
専業主婦以外の無職のグループはどういう類型が出来て特徴はあるのかどうか知りたいと思った。
あと、最終章のところで自己責任論を乗り越えるためには階級というよりもリベラル派の結集が大事というふうにも読めた。 -
所得格差に触れる本はたくさんあるが、これは世帯所得に対して男女による分析行うなど詳細なデータがあり説得力があった。今日の日本の問題である累進課税や消費税に関する問題による階級の継続性の考察は他の本とあまり差はないが、政治的思想の分析は興味深かった。自己責任論と格差拡大の認識、この2つは重要なキーワードとなる。確かに自分も自己責任論は支持する傾向にあったが、格差拡大の認識でその意識も変わった。これを政治的に反映できる政党があれば。。。
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筆者は、資本家階級、旧中間層、新中間層、労働者層(うち正規労働者と非正規労働者が分かれる)に日本社会を分析して、資本階級、旧・新中間層と労働者階層の分断が、日本社会に深刻な断絶を生んでいるとしている。
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日本に現存する階級を,その定量的理由と共に定義し,それぞれの階級の内情を統計データとと共に詳らかにする.さらに,その結果を受け,将来的な方針案を提示する.日本の人という視点からの構造体がよく判り,この構造体が政治や経済といった現状をどのように醸成しているのかがよく理解できる.自分の立ち位置と将来ビジョンを考察する切っ掛けを与えてくれる,中根千枝女史“タテ社会の人間関係”以来の良書.
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アンダークラスは唯一激増している階級で構想に関わることができず労働に意味を感じること、やりがいを感じること、労働を通じて自己実現可能かが難しくなっている。
自分と違う立場にたってこの社会を見つめていきたい
著者プロフィール
橋本健二の作品
