埼玉県立浦和高校 人生力を伸ばす浦高の極意 (講談社現代新書)

  • 講談社
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レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062884709

作品紹介・あらすじ

あの佐藤優氏が、母校の生徒、父兄、教師に
高校時代の生き方・学び方、大学受験の極意を伝授

■生きるのに必要なのは受験テクニックよりも総合知
■受験に特化した高校は本当に「良い学校」か
■グローバル時代を生き抜くために必要な3つの教養
■大学新テスト導入で20年後に今の高校生は後輩に追い抜かれる
■受験失敗は「能力」よりも「適性」の欠如
■高校生の子を持つ親の本当の役割
■「後伸びする力」を育む伝統校の底力
■与件や制約の中で最高の力を引き出す
■文系・理系の区分けはナンセンス
■大学受験は一浪まで
■文系は数学を 理系は世界史を
■海外留学の高額化と裏技

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんが母校浦和高校で、2015年に生徒相手の講演と質疑応答、2017年には保護者に講演、その後二度にわたって校長と対談したものをまとめた本です。
    埼玉県公立トップの高校と、偏差値が高い大学、そしてエリートの世界がよくわかって、とても面白かったです。

    「高校生って、こんなに勉強するんだー」と知り、自分の高校時代のバカさを思い出し、「バカバカ」といいながら自分の頭をたたく映像が浮かびます。
    佐藤優さんの本を読み、最近のいろいろなニュースを見て、「官僚」がちょっとしたマイブーム。
    日本国内でも外交でも、大変なことがたくさんですよね。
    そういうことはもう、頭の良い官僚の皆さんにお任せします!
    私はビール飲んで税金を払いますから、有効につかってください。

    ちょっとタイムリーなので、ここに載せてしまおう。
    「たとえばですね、東大に超優秀な成績で入った田舎の秀才というのがいる。
    田舎の秀才っていうのは結構重要なカテゴリーです。
    開成や麻布や灘のような超名門から出てくるのと違って、数年に一回しか東大に入らないとか、そういう高校の出身でときどき、ものすごい成績のいい人がいるんです。
    だけど、そういう人は自分よりできる人間を高校卒業まで見たことがないから、たいてい「自分は宇宙で一番頭がいい」と勘違いしている(笑)。それで東大もそこそこ優秀な成績で卒業して、そのまま財務省や外務省に来る。つまり、勘違いを引きずったまま官僚や外交官になるわけです。
    ところが、役人になってからそれは通用しない。自分より優秀な人間はいくらでもいるし、権力者である政治家に対して尋常じゃない擦り寄り方をするんですね」

    うーん。それで、忖度しちゃうのかな?

    「中央官庁の官僚は行政職である以上、永田町の政治家には仕えなければなりません。
    頭の良さとは別に、権力の所在というものが政治家には明確にあるわけ。
    いまの総理大臣と官房長官の偏差値を足したって、たぶん100は行かないと思います(笑)。
    そうすると官僚のほうからすると、われわれは哺乳類なのに、なんだか爬虫類にコキ使われてるような感じがするんだよね(笑)。
    でも政治家というのは人事権を握っているから圧倒的に強い。
    官僚っていうのは、政治家なんて、みんなクソみたいなもんだと内心では思っているんだけれど、政治家にはどうしても逆らえない構図がある」

    そんな面白い本が本書でありますが、最後の校長との対談もなかなか愉快なんです。

    私はいままで佐藤優さんの対談本をいくつか読んできました。
    佐藤さんが自虐的なジョークを言うと、お相手は上手につっこむんですよね。
    でも、この校長はちがいます。
    やはり、こういう立場のかたは、言葉を慎重に選び、失言を避けていると思いました。
    たとえば。

    佐藤優さんが2017年保護者相手の講演をしたとき、講演後のアンケートで「大変よかった」が75%、「よかった」が23%だったそうです。
    でも同じ浦和高校OBの順天堂大学医学部小林弘幸教授の2016年の結果は「大変よかった」が94%だった!(私もこのかたの本は何冊か読みました)
    佐藤さんはそれについて悩んでいるわけでもないけど、校長が気をつかっている雰囲気が凄くあります。

    そして、こちらが顕著、面白い。

    校長「(彼は一年目、埼玉県の教員採用試験に受かったものの採用されなかった)なんで東大の教育で大学院まで出ているのに、現場の先生になるんだということだったそうです。警戒された面もあったようです」
    佐藤「特殊な思想を持っているか、逮捕歴でもあるんじゃないかと(笑)」
    校長「そうそう(笑)」
    佐藤「私は逮捕ありですけどね(笑)」
    校長「…………。」

    校長という立場でなければ、面白いお返事がきけたかも。
    浦和高校の校長という立場も、なかなか大変ですね。

  • タイトルは佐藤さんの母校である埼玉県立浦和高校での講演をもとに語られた内容。
    高校独自の校風やカリキュラムの特筆性が語られているかというと、そんなでもなく、佐藤さんの経験談もほとんどは高校卒業後を交えて(当然ですが)の内容でした。
    ただ高校時代の三年間は大事なんだよ、ということは良く伝わったかな。自分自身の通った高校は「現役合格」に拘りのあるとこでしたので、浪人してでも、というのは学校内では限られていました。
    高校生との質疑応答も含めて、丁寧な佐藤塾という感じでしたね。一度講演は聞いてみたいもんです。

  • たしかに素晴らしい教育方針と校風と思えるのだけれど、思うのだけれど!
    このメソッドが通用する、またこの本に書いてあることが理解できる、意味のあることだと認識できる、という層も、この浦和高校に通学するような知的レベルの、いわゆる一部のエリート、全国民の数パーセントなんじゃ・・・。

  • 専門家が書いて翻訳書が出ている思想や理論を2つは勉強しておくこと。
    すぐには役に立たない勉強をする。

  • 佐藤優氏、浦和高校出身なのですよね。
    学を積み上げる方法、それは読書を基点にすることなのかと思いますが、その学ぶ分野が、論理の上にリベラルーアーツの幅が広い。

    何のために、学ぶのか?
    それは人それぞれ答えが違うはずで、その自分自身の軸を持っていないと、こうした書籍はハウツー本のように使われがちなのではないかと思ったりします。

    しかし、人生を豊かにするために、自分では思いつかないような分野について触れるには、効率的なのかなと思います。

    おススメされていた以下の9冊。「なぜ、これらに目を通すのか?」 真理的なところは外さないようにして、時間があるときに手に取ってみたいです。

    1. 実務につながる数学 「高専の数学」(森北出版)
    2. 「論理トレーニング101題」(産業図書)
    3. 「民族とナショナリズム」 アーネスト・ゲルナー
    4. 「20世紀の歴史」エリック・ホブズボーム (三省堂)
    5. 「トランスクリティーク」 柄谷行人 (岩波現代文庫)
    6. 「世界史の構造」 柄谷行人 (岩波現代文庫)
    7. 「哲学の歴史」 (中央公論新社)
    8. 「東大の数学入試問題を楽しむ 数学のクラッシック鑑賞」 (日本評論社)
    9. 「大学基礎数学 キャンパス・ゼミ」 (マセマ)

  • ・歴史は「クロノス(ひたすら流れていく時間)」と「カイロス(出来事を境に物事が変わる)」の結び合わせでできている
    ・教育を目的でなく手段で語る
    ・自分が「世界のどこかを支えるんだ」という自覚と気概を持つ

  • 一見非合理と思えるような学びが、総合知を築く。その通り!今は、いかに効率的に学ばせられるかを考えてばかりいる学校が多すぎますね。むしろそれこそが諸悪の根源なのに。

  • やっぱり素晴らしい、もっと勉強しようという気力が湧いてくる

  • 2019/5/6
    ずっと前から気になってた浦和高校について書かれた本。書いてあることにはとても共感できる部分が多かった。自分が浦和高校と似たような高校出身で、浦和高校の内実とかなり共通して重なる部分が多く、現役時代、自分はその高校の仕組みを十分に活かしきることができていなかったんだなと、今更になって考えさせられた。
    この本曰く、受験型刑務所学校が増えて、受験産業も大学にこれくらい受かったとか現役合格が、とか大学進学に目的をシフトしていくところが多い中で、学校行事に重きをおく意味、その目的、本当に大切にしていきたい勉強のことなど、この本では教育を手段として考えるのではなく目的として考えることの重要性を訴えているように感じます。
    自分も数学や化学が苦手で、というか自分で見切りをつけて苦手意識を持っていて、今の今まで避けて生きてきたけど、この本でも繰り返し数学と英語が重要であり、そうである理由まで明確に述べられていて、過去の自分が恥ずかしくなりました。この本の中に出てきた大学基礎数学キャンパスゼミっていう本は読んでみたいなと思います。
    テレビで活躍してる林修先生も国語の先生でありながら、大切なのは数学であると言い切っていますし、そこにも何か共通するものを感じました。
    1つの正解にたどり着くのではなく、皆で納得解を考えていかなければならない世の中に変化していて、それに対応していく力をつけることが今後必要になるとのことですが、自分にどんなことが出来るのか考えていかなきゃいけないなーと思わされました。

  • 佐藤優さん、流石。
    とても後輩思いなんだね。
    中学生も読んで欲しいな。
    こんな高校生活もいいんじゃない。
    学ぶことは大人になってもできるけど、
    高校時代にたくさん勉強するのがいいよね。
    人生で貴重な時間だと思う。

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著者プロフィール

作家、元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。現在は、執筆活動に取り組む。著書に『国家の罠』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。おもな著書に『国家論』(NHKブックス)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『世界史の極意』『大国の掟』『国語ゼミ』(NHK出版新書)、『十五の夏』(幻冬舎)で梅棹忠夫・山と探検文学賞受賞。ほかにも著書多数。

「2020年 『人類の選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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