食魔 岡本かの子食文学傑作選 (講談社文芸文庫)

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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062900409

感想・レビュー・書評

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  • 情念であるが、何に対する情念であるかと言えば
    食うもの食われるものにある溝、
    かつはその食事の現場においてそれらが合一するという
    そのゆくえについての情念であるように思う。

    これはエロティシズムの隠喩であるように思われるが
    そうではなくて、エロティシズムがこれの隠喩なのだ。

    だから、後半のエッセイにある男へのまなざしは
    愛おしさもありつつ、しっかりとした距離感が感じられる。

    各地の料理も紹介され、満腹感はあるが
    不思議と胸焼けはしない。懐石のような文章かもしれない。

  • 岡本かの子の「食」観は官能的だ。
    食べることが、生きることへと直結している。本能的なのに、節度が保たれている。

    後半の食エッセイ(特にヨーロッパでの生活)はただ単においしそうと思うだけでなく、日常生活や文化への深い洞察が感じられる。

著者プロフィール

東京都生まれ。跡見女学校卒。1906年与謝野晶子に師事し「明星」に投稿。のち「スバル」同人として活躍。1910年画学生岡本一平と結婚、翌年太郎を出産。1929年から7年間渡欧。帰国後、1936年に芥川龍之介をモデルとした『鶴は病みき』で作家デビュー。以来、短編を中心に多くのすぐれた作品を残した。1939年没。

「2019年 『越年 岡本かの子恋愛小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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