食魔 岡本かの子食文学傑作選 (講談社文芸文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062900409

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  • 情念であるが、何に対する情念であるかと言えば
    食うもの食われるものにある溝、
    かつはその食事の現場においてそれらが合一するという
    そのゆくえについての情念であるように思う。

    これはエロティシズムの隠喩であるように思われるが
    そうではなくて、エロティシズムがこれの隠喩なのだ。

    だから、後半のエッセイにある男へのまなざしは
    愛おしさもありつつ、しっかりとした距離感が感じられる。

    各地の料理も紹介され、満腹感はあるが
    不思議と胸焼けはしない。懐石のような文章かもしれない。

  • 岡本かの子の「食」観は官能的だ。
    食べることが、生きることへと直結している。本能的なのに、節度が保たれている。

    後半の食エッセイ(特にヨーロッパでの生活)はただ単においしそうと思うだけでなく、日常生活や文化への深い洞察が感じられる。

著者プロフィール

おかもと・かのこ
1889年に生まれ、
1953年に没した、日本の小説家。
代表作に
『母子叙情』
『老妓抄』
『生々流転』など多数。



「2019年 『美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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