日本近代文学の起源 原本 (講談社文芸文庫)

  • 講談社 (2009年3月11日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784062900416

作品紹介・あらすじ

「歴史主義的普遍性」の基盤を大胆に覆す鋭い知性。新たな思考の視座を極めて丹念に布置・構築して行く、最も現代的な「知の震源」柄谷行人の、鮮やかにして果敢な挑戦。名著『マルクスその可能性の中心』につづく柄谷思想の原点となる歴史的快著。

みんなの感想まとめ

鋭い知性が織りなすこの作品は、戦後日本文化における権力と内面の関係を根本から問い直し、深い思索を促します。権力や内面が社会によって形成されるとの視点は、文学が日本人の「内面神話」を強化していることを明...

感想・レビュー・書評

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  • 「権力」も「内面」も社会が生み出したものに過ぎず、その二項対立に悪/正義の構図を当てはめてきたのが戦後日本文化だという鋭すぎる視点変換。
    「内面」そのものが権力だ。そして日本文学が日本人の「内面神話」をより強固なものにし続けている。「宗教」「資本主義」ではなく「心(内面、風景)」が自我を形成する権力の存在。批評としての圧倒的破壊力は21世紀の今こそ読まれるべき。

    文学を読んで「深い」と感じることそのものが作られた権力の構造。「深さ」とは何か?

    ◯谷崎潤一郎の言う日本の物語における「建築的構成力」の欠如は戦後エンタメの発展によって問題ではなくなった感がある。何より「機動戦士ガンダム」は恐らく古今東西問わず最も物語の構造を練り抜いた奇跡の神話だろう。源氏物語と同等に語り継がれる国宝。「薬屋のひとりごと」「冴えない彼女の作り方」「リゼロ」「俺ガイル」などのライトノベルの構成力、ロングコートダディや令和ロマンの構成力→世界最高基準の構成力(構成力の欠如うんぬんを柄谷行人は論じたいわけではないので余談程度に)

  • 朝日新聞の本人の連載記事で参考としてあげられていた本である。文学史ではないのでとりとめのない項目がまとめられている。風景の発見、内面の発見、告白という制度、児童の発見、構成力についてである。こうした項目で過去の文学作品が分析されている。

  • 【メモ】
    文庫は二種類ある。

    [原本]講談社文芸文庫、1988年(改版2009年)
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000167421

    [定本]岩波現代文庫、2008年。
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b255833.html

    【書誌情報】
    製品名 日本近代文学の起源
    著者:柄谷行人
    発売日 1988年06月06日
    定価:1,034円(本体940円)
    ISBN 978-4-06-196018-3
    判型 A6
    ページ数 270
    シリーズ 講談社文芸文庫

    【目次】
    序文( 二〇〇九年二月)

    風景の発見
    内面の発見
    告白という制度
    病という意味
    児童の発見
    構成力について

    あとがき
    著者から読者へ

  • 書きたい人のためのミステリ入門で照会されており読んでみた。文学批評など普段読まないが、知っている作品について新しい視点を得られたと思う。

  • フーコー的な問題意識によって日本近代文学と、「近代」の成立の関係を描く批評。骨太で非常に面白い。僕たちの想像力のあり方すでに世界観の「転倒」の中にあるという指摘は重要。また、それでも近代化されていない形式としての「私小説」を論じるというのはとても刺激的です。

  • 近代日本文学史の本は意外にも数が少ない。それも戦後から現在に至るまでを扱ったものはほとんどない。この本も明治維新から戦前・戦中までが対象だ。分析の切り口は思いがけないと言えるほど特異で、それはそれで興味深かった。記述の文章は章によって随分印象が異なり、わかりやすい部分とわかりにくい部分がはっきりと分かれている。わかりにくい部分は使用語彙が評論家特有のもので、なぜこんな抽象語を使わなければならないのか。別の意味で語彙が乏しいと言わざるを得ない。格好をつけるより、誰にでもわかってもらう方が重要であろう。

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  • 【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」
    この本は、文化構想学部の授業時、渡辺直己先生に「これくらいの本はせめて高校か一年生の内に読んでおいてほしい」とおっしゃられてぼくは読んでおらず、焦った記憶のある本です。自明と思われている事柄に「本当にそうなの?」って考える癖をつけようね、と、書いたらなんかうさんくさくなってしまいましたが、近代の小説は江戸に比べてリアルになった、や、「私」が描かれているからすごい、などと言ったその幻想をぶち壊してくれます。【R.H.】

  •  うんうん唸りながら難解な本を読む面白さを久々に体感。形而上的な話が多くて正直滅入りそうでしたが、ある一瞬に柄谷行人の言わんとすることをふっと理解してしまったりなんかして、もんのすごい快感にさらわれました。楽しかった。でもこの内容をひとに説明しろと言われるとなかなか難しい。某授業との関連で、言文一致=内面の発見、のくだりと没理想論争くらいなら説明できるかな…。

  • 09年終
    友人から借りる
    普段読書していないと少々読みにくいかもしれないが、面白い。現代文で取り上げられる様々なテーマを理解するのに役立った。
    何度か読み返したい
    ・子ども、風景、内面の発見
    ・病気
    ・構築主義
    ・英文学をやった漱石の違和感

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著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。同大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授を歴任。1991年から2002年まで季刊誌『批評空間』を編集。著書に『ニュー・アソシエーショニスト宣言』(作品社 2021)、『世界史の構造』(岩波現代文庫 2015)、『トランスクリティーク』(岩波現代文庫 2010)他多数。

「2022年 『談 no.123』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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