戦場の博物誌 開高健短篇集 (講談社文芸文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 54
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062900515

作品紹介・あらすじ

アフリカ、中近東、ヴェトナムでの戦場体験を結晶化した表題作を中心に、過酷な状況を生き抜く兵士の内面の虚無を見つめた「兵士の報酬」、三日間の「正月休戦」に対岸のヴェトコン村へちっぽけな楽団でくり出す米兵士たちの様子を描いた「岸辺の祭り」、戦火の中の庶民のユーモラスな姿を綴る「洗面器の唄」、以上戦争小説四篇に、川端賞受賞作「玉、砕ける」を併録。"行動する作家"の珠玉の短篇集。

感想・レビュー・書評

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  • 短編集5篇。
    ベトナム、アフリカ西海岸、イスラエル、日本、様々な舞台で戦争と共にあることの無力感と諦念。
    ハゲタカというものはいない。で、目から鱗。知りませんでした。細部に届く観察眼、悲惨な戦争が続く中、忘れないユーモア、ためになりました。

  • 海外各地で戦場を取材し、その経験をエッセイや小説で残した開高健の短編集です。
    なんというか、文章が異常にかっこいい。ダンディです。コピーライターもしていたそうで、言葉に対するセンスがいいのでしょうか。今だとちょっと古臭いかもしれません。でもかっこいいけど。
    戦場に近づきながらも、あくまで傍観者であることを自覚しながらも、戦地に近づいて死やそこで生きる人を見ようとする作者は、ある意味気楽な立場なのかもしれません。しかし、その曖昧な苦しみを文章として結実し、体験することによって残したことは、評価されてもいいのではと思いました。
    また、作者自身も太平洋戦争で幼少のころひもじい思いをしたそうで、その思いを重ね合わせるところは人間はどこの国に生まれても、戦争によって苦しむのだな、と実感させてくれました。
    「玉、砕ける」は別のアンソロジーでこの1編だけ読んでましたが、この「戦場の博物誌」の順番通りに読んだ方が、いい感じに読めると思います。

  • 匂い、息遣い。
    深淵を見た人間が、のたうちまわる地獄を読んだ。

  • 開高健の戦場もの文章を集めた本。
    湿度と温度が高い感じがよく伝わってくる。
    生死の境の恐ろしさよりも、暑さ不快さの方が印象的。

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著者プロフィール

1930年大阪市生まれ。大阪市立大卒。58年に「裸の王様」で芥川賞受賞。60年代からしばしばヴェトナムの戦地に赴く。「輝ける闇」「夏の闇」など発表。78年「玉、砕ける」で川端康成賞受賞など、受賞多数。

「2021年 『開高健の本棚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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